ところでCoD:BlackOpsをやったときに「ああこれBrothers in ArmsがHell's Highwayでやろうとしたことのちゃんとした版だな」、とも思いました。いやBIAHHがちゃんとしてないとは言わぬ。何故なら私はBIA信者だからだ。(スマホ版は持ってない)
2015-05-17 07:11:53BIA:HHがやろうとしたのは、たぶん「解離症状」だ。違うかもしれない。しかし前2作の程々の成功を受けて、Gearboxはなんかしらちゃんとストーリーやんなきゃな、と思ったんだろう。いやそうなのかな。ともかく、HHは割と否定的な意見が多かった。その辺も見ていこうか
2015-05-17 07:14:40一人称視点、というのがあり、BIAシリーズもそれに則っている。そして前2作のRoad to Hill 30とEarned in Blood、これらは主人公は違っても、視点は統一されていた。RtH30はBaker、EIBはRedの視点というところで。そこが受けていたはず。
2015-05-17 07:15:58それまでのWW2FPSは「つまみ食い」だった。BIAシリーズは「たった数日」の間のエピソードを分析的に、パラノイア的に――あるいは視野狭窄的に――ひとりの兵士の視点から、追っていったというのが斬新だった。味方の戦死に関しては、ストーリー上死ななければ生き返る、という矛盾はあったが
2015-05-17 07:18:18Brothers In Arms: Hell's Highway(2008)は「戦死」問題をクリアした。味方は被弾すれば「負傷」扱いになって、さらにチェックポイントに着けば回復するようになったのである。でもそれも些細な点におけるゲームプレイ部分の変更だ
2015-05-17 07:19:45BIA:HHでもっとも変化があったのは、それが「カバーシューター」になったことだ。要は、障害物に隠れるときに三人称視点になる。しかも、これは使わないとほとんどクリアできない(カバーすれば正面から無敵だが、一人称視点で障害物にしゃがんで隠れても敵の銃弾が当たってしまう)
2015-05-17 07:21:13カバーシューター(三人称視点)になったことは、実はストーリーの演出方法の変化と連動している。それまでは一人称視点でゲームプレイとシームレスに演出されていた台詞が、ドラマチックなカットシーンになった。プレイヤー=主人公というよりも、外側から主人公を眺める立場だ
2015-05-17 07:23:56実はこのケは2作目Earned in Bloodの時点からあって、1作目の主人公Bakerを2作目の主人公Redが回想していく、というシーンが増えていた。要は、BIAシリーズの主人公はBaker軍曹の視点なのだ。それが続編が出るに従って客観的になっていく
2015-05-17 07:25:353作目Hell's Highwayは再び主人公がBaker軍曹に戻るが、既にそれは1作目と同じアプローチではない。三人称視点になるカバーシステム、突然挿入される戦車パート、そして映画的なカット割のデモムービー…などが相俟って、それは解離・分裂的な症状を示す。
2015-05-17 07:28:45なぜそこまでいうのかと言うと、実は、ストーリーがそれと連動しているからだ。主人公Bakerは、ゲームプレイ中にさまざまな幻覚を見る。それはカバー中の「三人称視点」から自分を見るような解離・分裂・離人の症状といえる。
2015-05-17 07:32:57「深読みでは」と言われるかもしれない。確かにカットシーンの演出になったのは、前作までに登場したキャラクター群を見せるため、とも言えるし、荒削りな戦車パートも、三人称視点にしたのも単に当時のトレンドだったかもしれない。しかしそうしないといきなり幻覚が出てくる戦争物語に説明が付かない
2015-05-17 07:35:18ちなみに三人称視点になるのはBIAシリーズの「指揮」システムにかなり寄与していて、カバー中はほぼ無敵だし、敵は手榴弾を投げてこないし、(壊れないカバーである限り)「落ち着ける」。その間に、一人称視点では見えないところに味方を移動させる事ができるので、戦略性が前作よりも増している。
2015-05-17 07:37:19その「三人称視点」を補完するように付け加えられたのが「アクションカメラ」で、これは敵を残酷に殺した際にズームインする演出なのだが、これは明確に「主人公の注目」だ。すなわち、敵の頭・手足が飛び、内臓をまき散らす様を、スローモーションで眺めるのだ。これが更にPTSDの説得力を増す。
2015-05-17 07:39:52突然挿入される戦車パートはBIA:HHの象徴で、戦車はかなり強い。実は、前作までのBIAシリーズは主人公が弱い事で有名だった。それはFPSなのに、補正が酷くて弾が当たらないのだ。それが、HHではかなりシューティング部分が強化された。「ヒーロー」が強大な戦車として象徴される。
2015-05-17 07:42:11だので、主人公の射撃能力が強くなった。この点を補完する為に、三人称視点、戦車パート、カットシーン、幻覚を主軸にした物語、というのが現れてきたように思える。もともとは主人公が弱いから味方を利用しましょうというFPSだったのが、一人でも戦える強さを持った。が、その自己言及が必要だった
2015-05-17 07:44:58ちなみにBIA:HHは「脅威エフェクト」(画面が赤くなるやつ)「照準」をすべてオフにすることで、かなり主人公の能力を弱くすることができます。カバーが無敵と言ったが、その分一人称視点の時は普通に死ぬので、照準をオフにすると選択肢が「飛び出て狙う」「味方を使う」に絞られるためです。
2015-05-17 07:47:47