やたらと真っ赤な<守護戦士>番外編 feat.ログ・ホライズンTRPG in お茶会2 ~ハーフアルヴを狩る者たち~

ログホラTRPGの世界観を舞台に、一緒に遊んだ人たちのPCを巻き込んで、自分のPCの一日を妄想してみたりとか 今回は5/31に行われたイベント「橙色の茶会~丘の向こうへ続く道~」にて行われたログホラTRPG体験コーナーに参加したときの出来事をベースに書かせていただきました。
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Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

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2015-06-01 22:50:59
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

今回の推奨BGM。 こち亀 BGM 両津のテーマ 1-3 (1:32) nico.ms/sm17611035

2015-06-02 12:13:46
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「シロエさん、悪いけど捕まってもらうよ――《ソーンバインド・ホステージ》っ!!」 「喰らえこの三股野郎っ!《飯綱斬り》ぃっ!」 「ザッケンナコラー腹ぐろ眼鏡!!《スカーレットスラスト》ぉぉ!!」 ばしゃーん。すばーん。がっちゃーん。 アキバの街を狂騒と混乱が駆け抜ける。 <1>

2015-06-01 23:00:28
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

魔力の茨がびゅんと唸って《腹ぐろ眼鏡》に絡みつく。 そこへすかさず狼牙武士のわん次と俺の一撃。 しかし敵も大したもので、わん次の一撃を受けながらも俺のハルバードの突きは綺麗に回避してみせる。 あ、それから状況を理解できず後方で木箱に隠れて見守っている子狐はコハギである。 <2>

2015-06-01 23:06:16
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「居たぞ!」「あっちだ!」「殺せー!」 アキバの冒険者達が、《腹ぐろ眼鏡》…もとい、《記録の地平線》のシロエを全力で追い掛け回す混沌と狂乱のスタンピード。 どうしてこの様な事態になってしまったのか。 ――――話はおよそ一時間ほど前に遡る。 <3>

2015-06-01 23:11:32
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「わぁ、綺麗!ありがとう伊達お兄ちゃんっ!」 「へへ、良いってことよ!」 「伊達さんてばまた格好つけちゃって…今月厳しいんじゃなかったの?」 「うぐっ!?」 活気あふれるアキバの出店街。 その日は仕事も休みだった俺はコハギとエミールの買い物に付き合っていた。 <4>

2015-06-01 23:19:08
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

俺がコハギに贈ったのは《菱菊模様のお手玉》という製作級アイテム。 魔力を込めて相手に投げつけることで少量のダメージを与える事も可能な、護身用には持って来いの代物である。 10個1セットで金貨30枚。決して高い買い物ではない…はず。 ……頼むからジト目で見るなよエミール。 <5>

2015-06-01 23:25:31
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「申し訳ない、お楽しみのところ失礼する」 「おわっ!?」 ひゅんっ、と。燕のように突如俺たちの目の前に現れた黒髪の少女。 どことなく忍者を思わせる格好をしたその少女は、《記録の地平線》のアカツキ嬢であった。 <6>

2015-06-01 23:35:18
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

口数は少なく、たまに口を開くと時代劇がかった喋り方がとかく印象的なこの少女は俺の飲み友達こと直継の天敵でもあるそうな。 仕事などで何度か面識はあったが、こうやってプライベートで彼女の方から話しかけてくるとは…珍しいこともあったもんだ。 <7>

2015-06-01 23:39:41
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「実は……主君が突然どこかへ行ってしまったのだ!」 「「「へっ?」」」 開口一番にこれである、 恐らく彼女なりに勇気を出して相談に来たのだろう。 なお、その瞳は間違いなく恋する乙女のそれであった。 ん?人の色恋沙汰には目ざといなって? ははは、よく言われるぜ。 <8>

2015-06-01 23:50:51
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

《記録の地平線》と言えば直継の所属するギルドだし、コハギの所属する《三日月同盟》とも仲が良いという。 まぁ、これも何かの縁というやつだろう。 エミールの方を見やると少しばかり面倒臭そうな表情をしていたが、俺はこの頼みを引き受けることにした。 <9>

2015-06-02 00:00:30
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

どうやらアカツキ嬢は俺たち以外の冒険者達にも同じように声を掛けていたようで、既にアキバでは《腹ぐろ眼鏡》包囲網が出来つつあるという。 「しかし……主君は私の団子を食べるのがそんなに嫌だったのだろうか…?」 その言葉でなんとなく腹ぐろ眼鏡の気持ちを察してしまう俺。 <10>

2015-06-02 00:04:19
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「何っ!?《食い倒れ横丁》にいただとっ!?えっ、《大神殿》にもっ!?」 念話のやり取りであたふたするアカツキ嬢。 どうやら目撃情報があちこちで錯綜している様子。 「す、すまない!《大神殿》の方はそちらに任せたっ!」 言うやいなや彼女は消えるように飛び出していった。 <11>

2015-06-02 00:14:18
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「……しゃーねぇ、ひとまず行ってみっか」 「何だかよくわからないけど、わたしもお手伝いするのですっ!」 「それにしても神殿って……シロエさん大丈夫なのかな?」 腹ぐろの息災をそれなりに心配しつつ、俺達は一路《大神殿》へと足を運ぶ。 <12>

2015-06-02 00:22:11
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

割と早足で移動してきたつもりだが……大神殿前は既に戦場の様な有様であった。 魔力弾や矢が飛び交い、それをシロエが持てる技の限りを尽くして迎撃し、鎬を削っている。 一番近くに居た狼牙族の武士に話しかける。 「おい、これは一体…」 「腹ぐろを捕まえるんだ!手伝ってくれ!」 <13>

2015-06-02 00:32:08
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「どうやら彼には、よほど捕まりたくない理由があるようですね」 先程から魔力弾を撃っていた眼鏡にメイド服姿の妖術師が話しかけてくる。 おっとりとした雰囲気のその巨乳妖術師は俺のストライクゾーンに150kmオーバーの豪速球。 思わず腹ぐろの件を忘れそうになる俺。 <14>

2015-06-02 00:57:12
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「ああもう!伊達さん集中してってば!」 「っとすまねえ、とにかく奴の動きを止めないとな…!」 「あんたらもアカツキの嬢ちゃんに頼まれたクチか。俺はわん次だ、よろしく頼む!」 「って、問答無用ですかあああ!?」 すまんな腹ぐろ。大人しく捕まらないお前が悪いのだ。 <15>

2015-06-02 01:03:18
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

そうして話は冒頭へと戻る。 しかし、こうやって実際にやりあってみると改めて《腹ぐろ眼鏡》の恐ろしさを思い知らされる。 《付与術師》の強化系魔法を全て自分に付与し、止めどなく襲うこちらの攻撃を紙一重で躱し続けるその実力は《円卓会議》の末席に名を連ねるに相応しいだろう。 <16>

2015-06-02 01:09:38
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

更に言うと、これは2,3発当ててみて分かったのだが…腹ぐろの装備する[賢人の外套]の性能も大したもので、物理防御アップの魔法も合わさって生半可な攻撃じゃちっともダメージが通らない。 もやしみたいにヒョロいナリして、そこらの魔法職とは比べ物にならない防御力である。 <17>

2015-06-02 01:17:20
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

そして狂乱は更に加速してゆく。 「ふふ……シロ様。濡羽が手助けしますわぁ」 「濡羽さんっ!?どうしてここにっ!?」 周囲に突然立ち込めた黒い霧の中から現れたのは、これでもかというくらい妖艶な狐尾族の女であった。 どうやら腹ぐろの知り合いのようだが…… <18>

2015-06-02 01:24:52
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「おねーさーん!!そんな貧弱眼鏡はほっといて俺と遊びませんかーーッ!!?」 「やっとる場合かーーー!!!」 濡羽嬢の溢れ出んばかりの色香に血迷った俺にわん次のドロップキックが突き刺さる。 ち、違うんだ!これは恐らく狐尾族の《傾城傾国の九尾》の影響なんだ!! <19>

2015-06-02 01:31:19
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「ああもう!《ソーンバインド・ホステージ》っ!」 「シロ様!反撃して下さいっ!《キーンエッジ》!」 エミールのデバフに合わせて濡羽嬢も負けじと動く。 しかし。 「あれ、なんか俺に掛かってるんだが…」 呆気にとられるわん次。 あかん。このおねーさん割とぽんこつや。 <20>

2015-06-02 01:40:42
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

「すみません濡羽さん、今は貴女と話してる余裕はありませんので…!」 「ああん!シロ様のいけずぅ!!」 どえらい残念な表情を浮かべる濡羽嬢。 改めて彼女のステータス画面に目をやると所属に《Plant Hwyaden》と書かれているが―――きっと何かの見間違いだろう。 <21>

2015-06-02 01:45:20
Dateryu/伊達龍之介 @Dateryu

大通りを駆け抜け、カレー屋台のテントを真正面からぶち抜き、通りすがりの白塗り貴族を撥ね飛ばし…馬鹿騒ぎはまだまだ続く。 次に腹ぐろが逃げ込んだのはどうやら甘味コンテストとやらの会場のようだ。 ここまで追ってきたのだ。今更引き返せるかとばかりにこちらも会場へ入っていく。 <22>

2015-06-02 02:08:20