進み止めぬ大鷲と陽を向く瑠璃色

ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken あと、多分ご主人はお師匠と私の関係を勘違いしてます。お師匠と私は師弟関係以前に、研究者と被験体の関係ですから。たまたま私がお師匠と同じ常盤の系統の魔法師で、私が魔法を使って身体を動かすことがお師匠の研究の役に立つから自然とそうなっただけなんです。→

ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken ……全部、利益が無ければ成立しなかった関係です。理由が無ければ何も起こらないんですよ。利益が何もないなら、大切にする必要なんかないじゃないですか。損しかないなら切り捨てるべきでしょう？だから、捨てられないように努力することは間違いなんですか？」

まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「いや、その関係には抜けがある。だから、その問いにはまだ答えない」 体を離し、真っ直ぐに見据える。 「隠すなよヘリオ、本当に大事な関係があっただろう？君が本当に家族だと思って居た関係……君のいた、パンドラの支部の人間が」

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@kosyuken 「……その過去は、私の人生最大の汚点です。欠陥品である以上に、最悪です。」感情を抑え込むように、表情が消える。「あの人たちを、パンドラの人間なんかを大切に思っていたことは、今までしてきたことの中で一番の罪かもしれないですね。」

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@tkmy_pnkr 「……それは、今君がいる国が、この、ゼクムートだからか？」 真剣な表情で、ヘリオに聞く。 「パンドラを憎む君主と、それに人生を狂わされた人間たちのいる、この国だから」

ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「ゼクムートの契約魔法師であること以前に、エーラムを出た魔法師としての正常な感性ですよ。世界の秩序を乱し、混沌を望むパンドラは世界の敵ですから。」

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@tkmy_pnkr 「……そうか」 ふっ。と表情を緩めて、椅子から立ち上がり、背中を向ける 「ヘリオ、僕はさ、パンドラが確かに憎い。エーラムのいう事も、最もだ」 そして、そのまま振り返り。 「でもな、パンドラすべてが、絶対に悪とは思ってはいないんだ」

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@kosyuken 「……どうしてですか？自分たちの敵で、世界の敵で、憎い相手なのに。どう考えたって悪じゃないですか。」矛盾したように聞こえる言い分に眉をひそめる。

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@tkmy_pnkr 「僕が憎んでいるのはパンドラのあり方だ。戦乱を広げ、混沌を撒き散らし、そのためならば他者を切り捨てても構わないというその方針」 まるで詩のように流れ出る、恨みの言葉。 「だけどな、そこにいた仲間たちは、皆大事な人だったんだ」→

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@tkmy_pnkr 「一緒に笑いあう仲間がいた。大事な仲間のために戦う男がいた。辛い境遇に負けない女性がいた。そして、僕自身が想いを寄せて居た人間がいた」 一つ一つの言葉を、かみ締める。 「パンドラから脱走した時、彼らは死んでしまった。だけど、今の僕がいるのは彼らのおかげだ」→

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@tkmy_pnkr 「仲間って言うのは、どんな境遇にいても大事なんだ。たとえパンドラにいた事が悪だったとしても、彼らを汚点には、絶対に出来ない」 ヘリオに、改めて向き直り。 「だからな、ヘリオ……君の仲間を汚点になんて、しないでくれ。憎まないでくれ。君は、彼らを愛していいんだ」

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@kosyuken 「でも、でも、パンドラは悪い人の集まりで、そこの人はみんな悪い人で、悪い人しかいないのに……！」茫然とアルを見る目から涙が溢れる「……リラも、カイも、フェルとフェリも、ルカ兄もリディ姉も、みんな好きでいていいの……？」

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@tkmy_pnkr 「皆が皆、そう言うわけじゃない。理由のある人間だっている、そうせざるを得なかった人間だっている。仲間を大切にした人間だって、いたはずだ。好きでいていい。君は彼らとの日々が大事だったんだろ？」 肩を掴んで、まっすぐ向きあう。 「君は、家族を憎まなくていいんだ」

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@kosyuken 「……もう、嫌いにならなくていいんですか？出会えて良かったって思っていいんですか？皆との思い出が大切だって言っていいんですか？……愛してくれてありがとうって、感謝しても、いいんですか？」服の上から形見の懐剣を握り締め、涙ながらに問う。

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@tkmy_pnkr 「当たり前だ！誰がなんといおうと、君は彼らを好きでいて、愛していたって、感謝していい！」 無意識に流れ出る、涙。 「誰かが間違いだっていうんならそれが正しくなるように変えてやる！だから、君の大切な思い出を、家族の思い出を……絶対に捨てないでくれ……」

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@kosyuken 「……っ、ありがとう、ございます……！もう、嘘つかなくて、いいんですね……楽しかったことも、大好きだったことも、大切にして、いいんですね……良かった……！」 「これで、私は私を憎むことができる」

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@tkmy_pnkr 一瞬、呆気に取られた。いや、空間の時間が、音が、全てなくなった。 「……今、何て言った？」 その言葉の意味を理解できない、いや、わかってはいる。だが、理解することを頭が拒んだ。

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@kosyuken 「これで私、悪い子です。だって、立場なんか関係なく大切にするべきな人たちを悪人扱いして、好意を与えられたものを否定してたんですよ？それこそ最低じゃないですか。……きっと皆、どうしてこんなやつのために死んだんだろうって、私のこと怨んでますね。」いつもの笑顔で言う

まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr ようやく理解した。彼女は、すべての行動原理が、自分自身を憎む事が出来なかったから、その身をつらい場所においていたのだと。 「……ふざけるなよ……」 歯を食いしばる。顔を伏せる。溢れる涙は止まらない。 「それが望んだ結末な訳あるかバカ野郎！」→

まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「君がするべきことはそうじゃないだろうが！」 肩を掴む力が強くなる。彼女がどこかいかないように、気づけなかった自分を責めるように。 「そこで君自身が自分を憎んで、どうするんだよ！そんな事をしたら……」 つまる言葉。「何のために彼らは、君を守ったんだよ……！」

ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「……だから、間違いなんですよ。ご主人の言った通りです。私が生きてるのは間違ってるんですよ。……皆は、アル兄は生かす人間を間違えた。間違ってるのに皆優しいから、欠陥品の悪い子がのうのうと生きてるんですよ。」こんなことを言ったら嫌われる、でも、それで当然だ。→

ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 悪い子は、嫌われて当然だ。「悪いってわかってるのに生きてるのは、愛されるのは、辛いです。……何贅沢なこと言ってるんだよって話ですけど。 だから、せめて、贖罪くらいはしたかった。それだけです。」

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@tkmy_pnkr ……同じだ。 「生きているのが間違いで……」 同じだった。 「生きるべき人間を、殺してまで……」 何で今まで気づかなかったのだろう。 「それで、死ぬはずのときに、誰かに生かされて！」→

まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「そんなの！僕も同じだ！」 彼女の背負った罪は、全部。 「混沌によって生まれて！本物を殺して！仲間にいかされて！そうやって僕は生きてきた！」 言葉をつむいでいくのが苦しい。 「確かに、わかるさ！愛されるのがつらいって！」→

まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「それでもな、そうせざるを得ないんだよ！」 叫ぶ声が強くなる。心のままでてくる声が、口からつむがれる。 「生かされてしまったから、生きてしまったから！奪った分、愛して、愛さなきゃならないんだよ！」 もはや、自身が何を言っているのかもわからない。→