#お好み焼き屋浜風　秋雲編１【艦これSS】

紅吏珠名 @chrishna_c2

「なんだか広々としてるね。このバスルーム」 「それはそうです。艦娘にとってお風呂とは入渠のようなもの。だからお風呂のスペースは広くとって作りました」 「語りながらのドヤ顔が見事にキマってるねぇ。浜風姉」 #お好み焼き屋浜風

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「どうですか秋雲。かゆいところはないですか？」 「うん大丈夫……任務の後はずっと一人で部屋に籠ってカンヅメしてる生活だからさ。結構こういうの憧れてたのよね……あ、浜風姉。そこ気持ちいい」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「朝潮型の設計思想を母体に発展させた私たち陽炎型。その改良型である夕雲型。つまり、私の上に陽炎型１８人もの姉貴たちがいてさ。夕雲型１８人もの妹たちだっている」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「思うんだけど幸せってさ、案外こういうところにあって、当たり前のようにそこにあるから、ついつい見逃してしまうんじゃないのかなって」 「家族の絆とはそういうものです。とても当たり前でありふれた、だからこそかけがえのない、大切なもの」 「家族の絆、かぁ――」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「そう。だから私も他の姉さんたちも、貴女のことを頼りにしています。だから貴女も、もっと私たちを頼ったり甘えたりしてくれていいの」 「……ありがと。そう言ってくれて、すっごく心強い」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「ねぇ、浜風姉」 「なんですか？　秋雲」 「浜風姉、ねぇねぇ」 「なんですか」 「ただ呼んでみたかっただけ」 「なんですかもう。変な子ですね」 「ふーんだ。変な子で悪かったですよーだ」 「？？」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「つか、いいねこのシチュエーション。私の心のあそこがビンビンだね。いいねいいね次の本のネタが浮かんできた。お風呂を出たらさっそくラフに取り掛かるかねェ」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「明日がイベントだというのに、もう次のイベントの準備にとりかかるんですか？」 「んっふっふ～。嬉しいかな哀しいかな。これはもう業だよ業。作家とは、そういう運命の星の下に生まれてきた生き物さね」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「秋雲。まぁせっかく来たんだ。つべこべ言わずおっぱい揉ませろ」 「ちょっ谷風姉。いきなりなにすんのさ」 「よく聞け秋雲。この店にきた女はな、全員その胸をもんで確かめるのが我が家に伝わる家訓だ」 「そんな家訓なんてありません。秋雲も本気にしないでくださいね」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「んっふっふ～。じゃあその家訓に倣うなら、私が谷風姉の胸を揉みまくってもOKってわけさね」 「ま、まて。話せばわかる！」 秋雲さすがです。言葉のあやを逆手に取ってきましたか。 「スキンシップも、身体言語も、あるんだよ」 「あ～～れぇ～～！！！！」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「んっふっふ～。谷風姉も美味しくいただけたことだし、これで修羅場も乗り切れる！」 そう言う秋雲の肌はどこかつやつやしていました。 三人でお風呂に入っている中、何かよほどいいことを見つけられたのでしょう。 妹にとって嬉しいことは、姉としても嬉しいことです。 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「では私はちゃっちゃと作業行動に取りかかるよ。お互い生きてたらまた会おう。では、よいお年を！」 まだ年明けには早い時期だと思いますし、来年どころか、また翌朝になれば会えると思うのですが……。なにかの流行語か何かなのでしょうか。 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「色紙に宣伝に定時連絡におしながき。釣り銭の確認に、会場の配置のおさらい。明日頒布する物の最終チェック。余った時間で突発コピ本の作成と。さくっといっちゃいましょうかねェ」 秋雲はカバンの中から道具一式を取り出し、居間のちゃぶ台の上に並べて意気ごんでいました。 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

私はキッチンの冷蔵庫から「谷風専用！」とラベルの貼られてない方の麦茶のボトルを取り出しグラスに注いであげます。 普段は飄々とした秋雲が、作業に取りかかるとスイッチが入ったような真剣な表情。 漫画のことが分からない私は、そんな秋雲のことをそっと見守るばかり。 #お好み焼き屋浜風

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「おう秋雲。それだと見せ方のバランスが悪いな。ここはそうじゃなくてこうだ」 分かるんですか谷風！？ #お好み焼き屋浜風

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「おっ谷風姉いいとこに。明日イベント会場で売り子手伝ってくれない？　浜風姉みたいなボインボインな女の子紹介してあげるよ」 「なんだとけしからん！　あたしも連れてけ！」 「明日は龍驤さんがお店に来れる日なので、谷風さえよければ一向に構いませんよ」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「よし決まり。谷風姉、可愛いコスを用意してるから明日はよろしくね」 「おう。そんなけしからん娘どもには、あたしが直々にえっちなお仕置きをしてやる」 邪悪な笑みを浮かべながら、生き生きとした表情の谷風でした。 その意気込みを、お店でも発揮してほしいものですね。 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

ぷるるるる……。 おや、私の携帯が鳴っていますね。 「はい、浜風です。どうもご無沙汰しております……え？　はい、わかりました。すぐに秋雲に電話を変わります」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「もしもし。えーと、どちら様……？」 「やっほー秋雲。元気してるー？　みんなの陽炎お姉ちゃんだよー。ということで、こないだの観艦式のときの話も含めて、今度ゆっくりお話ししようね？　それじゃあ、通信オーバー！」 つーつーつー……。 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「オワタ……私の人生、完璧オワタ……」 「諦めなければ、未来は必ずやってきますよ」 「誰のせいだと思ってるのよ！」 「妙にテンションかっとんだ状態の陽炎姉は「元気してる？」が「息してる？」で、「お話」は「おしおき」って意味に脳内変換すれば意味あってるから」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「はて……陽炎姉さんほど優しい姉さんは鎮守府どこを探してもいませんよ？」 「浜風姉は真面目でいい子だから、陽炎姉の本当の恐ろしさがわかんないのよう！」 谷風は谷風で、そんな私たちの会話を聞きながら、秋雲の隣で膝を抱えながらガタガタと震えていました。 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

まだ陽炎型のメンバーがそれほど揃っていなかった頃。 鎮守府は陽炎、不知火、黒潮を中心に任務活動を行っていた。 彼女たちの活躍ぶりに対し賞賛と畏怖の念を込め、いつしか三人はヤギー小隊と呼ばれるようになった。 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「そのあたりのことは、私でもある程度は聞き及んでいますが」 「つかさ、そのへんの平凡な奴に、個性派がそろいにそろった陽炎型姉妹をまとめきれると思う？　常識的に考えてありえないでしょ」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「浜風姉は知らないのよ。陽炎型で一番の戦闘狂って誰だと思う？　あの雪風姉や磯風姉……ううん、十六駆と十七駆が束になってかかっても勝てっこない。陽炎姉の戦闘力は、ただそこにいるだけで軍隊に匹敵するわ」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「そんな陽炎姉がもし本気になって怒っても、浜風姉は私を守ってくれる……？」 「……大丈夫。貴女が死んでも骨は拾ってあげます。がんばって」 「それ全然フォローになってない！」 #お好み焼き屋浜風