#お好み焼き屋浜風　秋雲編１【艦これSS】

紅吏珠名 @chrishna_c2

「ってことで浜風姉。おつかれぃ！」 陽炎型の末っ子の妹の19番艦・秋雲がお店に遊びに来ていました。 #お好み焼き屋浜風

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「やっと浜風姉のお好み焼きにありつけるわー」 なんでもお店の近くで秋雲が趣味でやっている漫画のイベントが開催されるということで、秋雲はその前夜パーティから引きあげたところということでした。 #お好み焼き屋浜風

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「イベント会場がさ、ここから一駅隣のところにあるんだ」 ずいぶんと便利な場所にあるんですね。 「それでね？　さっきまで仲間内で飲み会があったんだけどさ。なにも飲まず食わずでお喋りしまくってたから腹ペコだよ」 ……何のための飲み会なんです？　それ。 #お好み焼き屋浜風

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「同人飲みといえばアレでしょ。名刺渡して自己紹介したり、ネットでしか知らなかった相手と直接顔合わせしたりしてさ。」 「なるほど」 「前夜祭だから、飲んでダウンするわけにもいかないし」 #お好み焼き屋浜風

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「イベントは出会いとお宝の宝庫だよ。えろえろ満載な浜風本だってざっくざくさね。せっかくだし、お土産に何冊か見繕ってきてあげよっか？」 「何が哀しくて、自分がえっちなことをされてる本なんて読まないといけないんですか。それって何の罰ゲームなんですか」 #お好み焼き屋浜風

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「相変わらず浜風姉はカタいなぁ。でもそれがイイんだよね。普段のイメージから一転、デレデレモードになった時のギャップとかがさ」 だから、あなたはさっきから何を言っているんですか。 #お好み焼き屋浜風

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「そういう日って、ご飯とかちゃんと食べてるんですか？」 「私は携帯食で済ませてるけど、知り合いに朝方になって牛丼屋で食べてる人とかいるよ。24時間やってるし、地域を問わず同じ味を食べられて栄養満点、腹もちよくて、食事代を万札で払えば両替もできるからって」 #お好み焼き屋浜風

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「つか最近イベント行事が多くてさー。多い時は月2～3回以上あったりするから、非番の時をやりくりして原稿描いて、こうしてなんとか活動できてるわけよー」 そういえば先日の日曜日に観艦式が執り行われていましたが、私たち陽炎型姉妹の人数が合わない気がしていたんです。 #お好み焼き屋浜風

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「あぁん？　観艦式と同人イベント、どっちが大事だと思ってるのよ。ンなもん常識で考えてよ」 なるほど。サボタージュの犯人は秋雲だったんですね。後で陽炎姉さんにしっかり報告しておきます。 #お好み焼き屋浜風

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「んっふっふ～。謎は解けたかねワトソン君。ありとあらゆる難事件や怪事件あるところ、この秋雲様あり、だよん？」 「それって真犯人は常にあなたということですよね」 #お好み焼き屋浜風

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「探偵は犯人ではなーい！　つか、ならなーい！　ミステリのお約束事にも書いてあるし。せめて探偵の片腕が犯人とかそういう路線にしてよ。犯人はヤス、とかさ」 「ごめんなさい秋雲。何を言っているのかさっぱりです」 #お好み焼き屋浜風

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「そうそう。浜風姉のために記念に描いてみたサイン色紙だよ。これ一枚で会場での競売価格5000は下らないんだから。お店のどこかにでも飾っておいてよ」 はぁ。こういうイラストにサインを描いた色紙一枚がお好み焼き何枚分もの値段になるなんて驚きです。 #お好み焼き屋浜風

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というより、秋雲の自画像のイラストに加えて「秋雲参上！」っていつの時代のセンスですか。 #お好み焼き屋浜風

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「んっふっふ～♪　驚くのはまだ早いよ。何を隠そう、同人界隈きっての新星・オータムクラウドとは私のことさ。さぁさ遠慮はいらない。私のことは親しみを籠めて、オタ雲先生とでも呼んでくれたまへ」 「では秋雲。少し話があります」 #お好み焼き屋浜風

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「こんな遅い時間までお友達と街を練り歩くなんて。門限はとっくに過ぎているのでしょう？」 「大丈夫。最初からここに泊めてもらうつもりで来たから。着替えもちゃんと持ってきてるし。一晩ここに泊めてよ？　会場の場所近いし、明日の始発でちゃっちゃと出るからさ」 #お好み焼き屋浜風

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「そうそう忘れるところだった。浜風姉。頼みついでにいろいろお願いがあるんだ」 「なんですか改まって」 「細かいお金がなくてさ。小銭に両替してよ」 「はい？　まぁいいですけれど。いくら分ですか？」 「ざっと５万円分くらい」 「……」 #お好み焼き屋浜風

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可愛い妹からの頼みです、無碍にするわけにもいきません。 私はお店のレジを開け、百円玉と五百円玉をフィルムで閉じた束をいくつか取り出し、秋雲が財布から取り出した万札５枚と両替してあげました。 「さんきゅ。あとさ、あとさ」 #お好み焼き屋浜風

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「明日のイベントでさ、売り子手伝ってくれないかな。サクチケならここに10枚くらい用意してるし」 「そういうチケットって、そんなに手に入る物なんですか？」 「蛇の道は蛇と申しましてなァ。んっふっふ～」 #お好み焼き屋浜風

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「もちろんコスプレ衣装もあるよぅ？　こういうところで楽しむのが、同人誌即売会の醍醐味だからねェ。だがこのご時世だ。コスのまま会場には入れないし更衣室で着替えるのは面倒だし列に並ぶ時間も勿体ない」 #お好み焼き屋浜風

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だから着替えの最後の手段として、服の下にコスを着こむのは常識じゃないのかい？」 言って秋雲がワイシャツを脱ぐと、その下からキャラクター物の衣装が飛び出てきました。 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「売り子とファンネル要員はイベントに欠かせないファクターなのだよ。幸い軍資金は鎮守府からもらえるお給金でどうにかなるしさ」 それはわかります。そのおかげで私もこうして自分のお店を持つことができたわけですし。 #お好み焼き屋浜風

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「てなわけで浜風姉、明日は一緒に会場に来てくれないかな？」 「ごめんなさい。日曜日はお店のかきいれ時なので」 「なんだつれないなあ」 今のところ私と谷風、時々龍驤さんのヘルプによってお店を切り盛りしていますからね。 #お好み焼き屋浜風

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「そうだ浜風姉。ここネットつながる？」 「ええ。通信インフラについては提督がいろいろと用意してくださいましたし」 もっともそんな最新の通信環境も、鎮守府への定時連絡と、谷風が変なホームページを見ているだけの用途になってしまっていますが。 #お好み焼き屋浜風

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「じゃあちょっとネットとか使わせてよ。明日のための準備があるんだ」 「ええ、それなら自由に使っていただいて構いません」 「よし決まり。奥の居間を借りるね」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「それじゃあまぁ、イベント直前の追い込み修羅場をむかえる前に、とりあえずバスタイムとシャレこみましょうかねェ」 「わかりました。それでは私が背中を流してあげますね」 #お好み焼き屋浜風