ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10101517:ニチョーム・ウォー #4
ハイタカ達はヤクザ音声で絶叫し、次々に墜落した。シルバーキーは顔をしかめた。「ムカデもラジコンも同じ脳を入れてンだな。胸糞悪りィ事しやがって……アア?」ZZDOOOM……轟音と地鳴りに彼は怯んだ。粋桃屋上から北方角を見やる。目に入ったのは、建物並に大きい水晶巨人の破壊光景だ!69
2015-06-14 23:34:17「何だ、ありゃァ?」シルバーキーは片手をひさしに、遠く、巨大な拳でコンクリートを粉砕破壊しながらヤグラ337を目指す水晶巨人を見た。『ニンジャね』監視カメラを注視するネザークイーンが言った。『中にニンジャが閉じ込められてる……いえ、入って操っている』「ヤバイんじゃねえか……」70
2015-06-14 23:40:55『向かえ、ファーリーマン!セントール!』フォレストが指示した。『北方戦線は現時点ではサブジュゲイターの危険が薄い。存分に戦え。ヤモト=サンらにその地点の防衛を暫定的に任せ、貴様らはあの戦車部隊を排除するのだ』「アイ、アイ、サー」「ニイイーッ」 71
2015-06-14 23:46:18ファーリーマンはひらりとセントールの背に上った。去り際、厳めしい賢人じみた目でヤモトを一瞥した。彼はヤモトに頷いた。ヤモトは頷き返した。「ニイイーッ!」セントールが地を蹴り、水晶巨人の方角へ走り出した。 72
2015-06-14 23:49:16……「で、ディスカバリー=サンがニチョーム全体のヨロシDNA存在を、こう、スキャンしてだな」シルバーキーは椅子に腰かけ、オニギリを頬張りながら、立て籠もっていた自治会の面々に説明を続ける。「俺が向かって、ジツで潰す。ひとまずそれを続けていけば、クローンヤクザどもは一掃できる」73
2015-06-14 23:53:50「バカめ……そううまく行くわけがない」ディクテイターが部屋の隅で陰気に呟いた。「アマクダリは甘くない……雑魚どもを何万匹潰そうが、精鋭のニンジャ数人を排除できねば、我々は終わりだ。そして実際終わりなのだ。アマクダリは俺を見限った。終わりだ」「なんかおもしれえな。そのオッサン」74
2015-06-14 23:58:13「スターゲイザー=サンはアマクダリ最重鎮の一人」ディクテイターは言った。「彼自らが前線に現れ、あまつさえ英雄ドラゴンベイン=サンが直々に……アナイアレイターは敗れた、当然だ……勝てる要素が何一つない。降伏も許されまい」「傷はどうだ」包帯をヤモトに巻きながらキリシマが問う。75
2015-06-15 00:03:32「ニンジャだから平気」ヤモトは答えた。「ずっと戦える」「無理をしたらずっと戦えねえんだ」キリシマは言った。ヤモトは頷いた。「しないよ」「なんでヤクザが透明なのかって考えるとさ」シルバーキーは言った。「透明なヤクザをイチから大量に作る?ねえよな。おおかた、ジツを使う黒幕がいる」76
2015-06-15 00:10:37「アンタ心当たりないか」キリシマがディクテイターに問うた。ディクテイターは首を振った。「アマクダリ内部の情報は実際断片化されている。俺のように組織に重用された存在であっても全貌は掴めない。だから終わりなのだ。むしろこれは悪夢だ。俺はずっと悪い夢を見ている」「ヨロシサンかもな」77
2015-06-15 00:16:45「せめてヤクザが見えるようになりゃあよ」テガタが散弾銃に弾を込めながら言った。「俺らももっと動ける」「俺は身体を取り戻して、ぶっつけ本番……こっちの話さ……だから実際どこまでやれるのか自信は無いが」シルバーキーが言った。「だけど、他の皆よりは透明野郎の大本を見つけ易いと思う」78
2015-06-15 00:25:20「直接ブッ叩くッてか」「そう」シルバーキーはチャでオニギリを流し込み、立ち上がった。「ありがとう。本物の飯は良い」「アンタ、カラテは?」キリシマがシルバーキーを見た。「つまり、ニンジャとしてどんぐらいだ」「下だな」シルバーキーは答えた。「見ろ。終わりなのだ」とディクテイター。79
2015-06-15 00:34:28「じゃあ、アタイも一緒に行く」応急処置を終えたヤモトが立ち上がった。ディクテイターは狼狽した。「そんな事でここの守りは!いかんぞ!」「行って来い。奴らの攻めには波がある。ここはしばらく平気だろ」テガタがヤモトに頷いた。「通信も戻った。ヤバくなりゃ誰かに来てもらうさ」 80
2015-06-15 00:42:20「おしまいだ。各個撃破の運命が待つ」ディクテイターは頭を抱えた。「やいオッサン!いい加減シャキッとしろ!」シルバーキーは一喝した。「アンタもニンジャなんだろが。しかも俺ら以上にアンタ、後がねえンだろうが。裏切り者扱いなんだろ?」「……」「しっかり頼むぜ!多少頼らせてくれよ!」81
2015-06-15 00:46:56『交戦を開始する』ファーリーマンからの通信だ。あの水晶巨人のもとへ到達したのだ。速い!「あっちも始まった。そんじゃ、行こうぜヤモト=サン」シルバーキーは鉄扉を押し開ける。ヤモトが二刀を背負い、後に続く。去り際、シルバーキーはもう一度振り返った。「じゃあ、わかったな!アンタ!」82
2015-06-15 00:50:55【ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10101517:ニチョーム・ウォー】♯4 終わり。#5 に続く
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