【テドカイ】鳥かごの夢

大崎巧実（裏） @mboxtw2

とりあえず書ける所までネタ垂れ流す。 BGMは毎度の秘蜜。そしてやっぱり天使物。ついでに言えばカップリングはテドカイです。

大崎巧実（裏） @mboxtw2

物語の始まりは天界から。天の国にあるとある場所。そこには大きな建物がある。 その中にカイトは居て、ずっとそこで暮らしてた。産まれた頃からずっとそこにいて、『外』を知らない。 完全に隔離されてしまった場所。

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建物の入り口は開かれているけれど、そこには結界が貼ってあって、男だけがそこを潜る事が出来ない作りになってる。 ちょこちょこ様子を見に来るメイコはすんなり通る事が出来るけれど、カイトは結界に阻まれて外に出る事が出来ないのです。

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メイコはそんなカイトが不憫で、寂しくない様にってちょこちょこ会いに来る。だからカイトもメイコが居るから寂しくないし、閉じこめられたままでも気にならなかった。 まるで鳥かごの様なその中に何故自分が閉じこめられているのかわからないままだけど。

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そうやって過ごしていた二人だったけれど、でも一度で良いから外に出てみたいなってカイトは思っていた。 メイコが話してくれるものを見てみたい、外の世界に触れてみたい、って。 そんなカイトにメイコは一つの提案をするのです。

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産まれた頃から閉じこめられた弟が不憫で、可哀想で。大きくなったメイコは一つの術をカイトにかける。 男は通れない結界。しかし女には効果をなさない。ならば女の身体になってしまえばいいと。 メイコは自分の身体をカイトに貸してあげるのです。

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カイトとメイコは双子の様に対で存在する天使。その繋がりがあるから出来る秘術。 お互いの性別を交換する術をかけ、そしてカイトは結界の外に出るのです。 男じゃないから結界はカイトを拒まない。女の姿のまま、カイトは初めて外の世界を見た。

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そうして、鳥かごを出たその先でカイトはテッドさんと出会うんですね。それが二人の始まり。 たった一度。その出会いでカイトはテッドさんに恋をした。

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続き。カイトがテッドさんと出会った所か。 カイトはテッドさんとすぐ仲良くなって。鳥かごに戻っても、たまにめーちゃんにお願いして会いに行ってた。 メイコも幸せそうなカイトを見てて嬉しかったからこっそり身体交換して出してあげてたわけだ。

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テッドさんに会うたびにどんどん好きになっていくわけなんだけど、同時にメイコが身代わりになっている事、そしてテッドさんに自分が男である事、神様の目を盗んで外に出ている事、色々と重荷になっていくんですね。

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ずっとずっと心に引っかかったまま。罪悪感と恋心の天秤で悩んでたカイトだったけれど、最後に決めたのは自分の恋心を捨てる事でした。 テッドさんがね、好きって言ってくれたんですよ。たまにしか会えないのに、何も知らないのに、好きになってくれた。

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テッドさんの告白にカイトはごめんなさいするんです。ぼろぼろ泣きながら。好きだけど一緒にはなれないから、って。 そうしてカイトは鳥かごに帰ってきてもう二度と外には出ないって決めるんです。メイコにもごめんね、って。

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メイコはあんなに幸せそうだったカイトが泣いてるのがわからない。もう外には出ないと決めたカイトがずっと塞ぎ込んでるのも。 けれどカイトは何も言わなかった。今まで幸せだったよ、ありがとうってそれだけを告げて。

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鳥かごの中だけがすべての、以前と変わらない生活。戻っただけだ、って。 テッドさんの事も忘れてしまおうってそんな風に考えてた。 けれど。ある時、テッドさんが鳥かごにやってくるんですね。 さよならしたカイトを探して、やっとそこに辿り着いた。

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テッドさんは男のカイトを知らない。けれど、カイトは一目見る事が出来ただけでいい、ってそんな風に思ってた。きっとテッドさんは気付いてくれないから、って。 ところがどっこい。お約束通り、テッドさんはカイトに気が付いてくれるんです。

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テッドさんは魂を選別する役目を持った天使。だからカイトの魂を見分ける事が出来た。故に、男のカイトを取らなくても判別出来るんです。 「見付けた」って鳥かごの外からテッドさんは言ってくれる。会いたかった、って。 男のテッドさんも結界に阻まれて鳥かごの中には入れない。

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鳥かごの中と外。触れ合う事は出来なかったけれど、やっと会えた事が嬉しかった。本当の『カイト』に会えた事も。 カイトは僕で良いの？って聞くんですよ。君が恋した彼女じゃないよ、って。 当然、テッドさんはお前がいいって言ってくれるわけですが。

大崎巧実（裏） @mboxtw2

そうして結界に阻まれては居たけれど、会えるようになってカイトは元気になった。諦めていた恋が戻ってきて嬉しかった。 でも、鳥かごから出られないカイトはそれ以上の事は望めなかった。テッドさんもそれ以上の事をカイトにしてあげられない。

大崎巧実（裏） @mboxtw2

触れる事も出来ないままの二人に、メイコは言うんですよ。お逃げなさい、って。私の身体をあげるから、二人で逃げなさいって。 カイトに幸せになって欲しくて、カイトの恋を叶えてあげたくて、メイコは自分の身体をカイトにあげてしまうんです。

大崎巧実（裏） @mboxtw2

最初は嫌がったカイトだけど、メイコに押し切られるように身体を取り替えて鳥かごから出て行ってしまうんです。 幸せになってね、ってメイコの願いを叶える為に。 けれど、それが悲劇の始まり。

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逃げた二人は幸せだった。ずっと一緒でどこに行くにも何をするにも一緒で。 鳥かごにはメイコが残ったままだから神様もカイトが逃げた事を知らなくて。 けれどそれに気付いた人がいた。それがルカ。居なくなったメイコを探してた。

大崎巧実（裏） @mboxtw2

メイコは男の身体だから神様の結界を通る事が出来ない。ルカが鳥かごに辿り着いた時、出て行こうとするのをメイコは拒絶するんです。 その理由は最初わからなかった。メイコが身体を隠していたのもあって、男の姿になっているって事に気付くのが遅かったから。

大崎巧実（裏） @mboxtw2

気が付いたルカは当然メイコを責める。メイコが好きなルカはどうして彼女が身代わりにならなきゃいけないのか、それがわからなかった。 メイコは心から弟の幸せを自分よりも望んだ。ただそれだけだったとしても。

大崎巧実（裏） @mboxtw2

そうしてルカはメイコを助けようと調べ始める。二人がかけた術を強制的に解除する為の方法も。 ほんの少しの憎しみもこめて。

大崎巧実（裏） @mboxtw2

やがて辿り着いた一降りの剣。解呪の力を持った神の剣を手に、ルカはカイトを探すんです。 そしてカイトの居場所を見付け、襲いかかる。メイコ姉様の身体を返して！って言われたらカイトは動けない。メイコを犠牲にした幸せなのは充分にわかっていたから。