歴史学者が語る「人文学を守る8つの方法」
人文学が鍛えるものが第一に批判的思考力という言い方に若干の引っ掛かりがある。それも大事だけど、まずはいろんな人の話をひとまず聞ける寛容さと誠実さの修養を思いたいのだけれど。
2015-06-17 22:45:25横浜育ち、ベトナム滞在中の歴史学者。専門はベトナム史、海域アジア史、歴史教育。趣味はパリーグ、鉄道ほか。耐えられないのは「みんながするから」「多数決は万能」などの思想。
人文学を守る方法その1:「文学部というのは文学をやっているところ、つまり小説家や詩人を養成するところ」という認識が世の中の多数派であることを認識する。
2015-06-18 18:05:56人文学を守る方法その2:「歴史や古典はわかってしまった動かない過去のことを扱うのだから、おんなじことを教えたり解釈合戦をしてるだけで、新しく解明されることなどない」と思っている人が世の中の多数派だと認識する。
2015-06-18 18:07:35人文学を守る方法その3:高校時代に歴史や古典の授業がひたすら苦痛だった人が世の中の多数派であり大学の権力も握っていることへの想像力をもつ(数学の時間がひたすら苦痛だった人ならできるはず)。
2015-06-18 18:09:53人文学を守る方法その4:しかし「なんにもわかってない人ほど洗脳も容易である」と発想を転換する。企業人や理系の学者にはそういう人はよくいる。
2015-06-18 18:11:39人文学を守る方法その5:哲学や歴史や文学や美学や、そういう素養のない世界がビジネスや外交や政治にとっていかに破局的であるか、いかに世界の恥であるか、実例をあげて「実学志向の人々」を脅す。
2015-06-18 18:15:02人文学を守る方法その7:ノーベル賞も高校生オリンピックもないためにみんなが知らない日本の人文学のレベルの高さを、わかるやすく知らせる。
2015-06-18 18:20:31人文学を守る方法その8:人文学がグローバル人材養成にも地域活性化にも有益だ(平たくいえば儲かる)ということを、「人文学いらない派」に気づかせる。
2015-06-18 18:25:28「その8」はたぶん、我々が説明するより、「その7」までを聞いた人々に自分たちで考えさせるのが有効(←私の大学の高度教養教育での理系院生の討論や、理系の先生との論争の例から考えるに)。
2015-06-18 18:27:08以前にも書いたけど「お前たちのやり方は破滅の道だ」と脅す一方で「私を信じれば天国に行ける」と主張するんだから、下で示した方法はほとんど新興宗教の教祖?
2015-06-18 20:29:49