安倍政権の安保法制と「人命軽視の思考」について　《山崎雅弘》

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

（続き）「一連の法案が成立すれば、国会は自衛隊海外派遣の承認、不承認を決める大きな権限を持つ見込み」海外派兵が実現すれば、自衛隊員や本土の日本国民が命の危険に晒されるリスクは高まるが、与党議員は「ならないって（笑」程度の気軽さで言葉を弄んでいる。この状況を記録しておく必要がある。

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野党議員も、イラクやアフガニスタンの「非戦闘地域」「後方」でどれだけのアメリカ兵や欧州各国軍兵がIEDや自爆攻撃で死んでいるかという「事実」に基づく質問を、なぜしないのだろう、と思う。首相が挙げる「都合のいい実例」の関連で質問するのでなく、全然違う枠組みを提示しないと意味が無い。

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首相は国会で呪文のように「３要件」「３要件」と繰り返しているが、どんな質問をされても、首相は全部あらかじめ用意した「３要件」などの数パターンの狭い枠内でしか答弁しない。不都合な可能性や想定を提示されても、絶対に見ようとせず、都合のいいシナリオの枠内だけで思考をぐるぐる回している。

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国会での首相と防衛大臣の答弁は、本当に酷いと思う。旧日本軍と同質の人命軽視としか言いようがない。民主党・緒方林太郎議員の「法改正で自衛隊員のリスクが高まらないとの根拠は何か」との質問に対し、中谷防衛相は「今までも御嶽山の救助など難易度の高い任務をこなしてきた」から大丈夫だという。

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緒方林太郎議員が繰り返し指摘したように、リスクは「今までこんな困難な任務をこなし、厳しい訓練を積んでいるから」増えないという論理は成立しない。「今までも自衛隊員は命がけで任務を行ってきた」から、リスクが多少増えても問題無い、という中谷防衛相の認識は、自衛隊員を完全に愚弄している。

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私もそう思います。野党議員「人の生き死にに関わる話なんです」首相「大げさなんだよ！」このやりとりは、総理大臣に必要な資質を彼が決定的に欠いている事実を彼自身の言葉で示しています。@todojusto1947「早く質問しろよ」以上に問題視すべき野次である。如何に人命を軽視しているか

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自衛隊員のリスクを巡り、中谷元防衛相は「さまざまな活動を通じて抑止力が働くし、現状から増大するとは、全体としては言えない」と説明（毎日）bit.ly/1G02LHx「『いささかも隊員のリスクを高めるものではない』と強調した」防衛相も現実と願望の区別がついていない。

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辻元清美議員は首相に「人の生き死にに関わる話です」と言い、首相は「大げさなんだよ！」と言い放ったが、大手メディアの記者はこれを単に「野次」としか伝えていない。大手メディアも「人の生き死にに関わる話」を形式だけで報道する。真面目に向き合わない。彼らも実は「大げさだよ」と考えている。

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自衛隊の海外派兵が「いささかも隊員のリスクを高めるものではない」かどうかは、この動画を見れば一目瞭然だろう。「後方」を移動中の米軍車輌がいきなりIED（即席爆発装置）の被害に遭う【閲覧注意】bit.ly/1dIefoG　突然、道路が爆発して車輌内にいる兵士が死ぬ。

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国会では相変わらず「敵が撃ってきたら」等、第二次大戦型の古い戦場イメージで議論されているが「突然道路が爆発して自衛隊の車輌が吹き飛ばされる」事態になれば、逃げる逃げない以前に乗員がもう死んでいる可能性が高い。首相や防衛相が考えなくてはならない「リスク」がこれだが、全然直視しない。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

自衛隊員は今までにも「リスク」と直面してきたから、「厳しい訓練」や「過酷な災害救助任務をこなしてきたから」命のリスクは増大しない、などと、首相や防衛相がいい加減なことを平然と言う。海外派兵される自衛隊員が直面するのは「異質なリスク」だが、首相は形式的な言葉を並べて目を背け続ける。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

戦前戦中の日本の戦争指導部は、兵士の死を「英霊」等の形式にすり替えて、人が死ぬという現実の重みを消失させた。餓死や玉砕、特攻等の根源には、人命軽視の思想があった。その戦前戦中の日本の戦争指導部を一切批判も非難もせず、逆に擁護・礼賛する首相や閣僚たちが、今現在の国会を支配している。

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首相は2013年12月26日に靖国神社を参拝した後「不戦の誓いをいたしました」と述べた（朝日）bit.ly/1KLWRNa　それが今は、新三要件が満たされれば戦争も有りだという。首相の「誓い」はこの程度の重みしかない。 pic.twitter.com/puHKJx5LXU

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その13日後の2014年1月8日、自民党は2014年の党運動方針案を決めたが、「靖国神社は不戦の誓いや国家の平和を祈るところではない」「自衛隊員にもしものことがあった場合、靖国神社に奉る覚悟を示すべきだ」等の意見が出て、「不戦の誓い」と「平和国家」の文言は最終文書から削除された。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

最近の戦争で米兵はどんな死に方をしているのか　山崎雅弘氏のツイートより（Togetter）bit.ly/1ALyigk　こんな「プチまとめ」ができていました。ご参考になれば幸いです。私の方でも、近いうちに自衛隊の海外派遣問題に関するまとめのパート２を作る予定です。

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「軍人の死亡率をはるかに上回った船員六万余人の戦没者」「その死亡率は47％（陸軍＝約20％、海軍＝約16％）。兵站（後方支援）の方がはるかに危険だった」これが戦争の実相。歴史教育者協議会・編著『石碑と銅像で読む近代日本の戦争』（高文研）on.fb.me/1M6NmoX

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テロ対策の補給活動でインド洋に派遣されたり、イラクの人道復興支援で派遣されたりした自衛隊員のうち５６人が自殺し、原因が判明している中では「精神疾患等」が１４人（２５％）で最も多かったことが５日、明らかになった（毎日）bit.ly/1F0y67P「１４人中、イラクに

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（続き）派遣されていた陸上自衛隊員の３人と航空自衛隊員の１人は公務の負荷で発症した精神疾患が原因で自殺したとして公務災害と認定されていた」「防衛省は『自殺はさまざまな要因が複合的に影響し合う。海外派遣との因果関係を特定することは困難な場合が多いが、自殺防止対策に努めたい』」

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2007年に刊行されたムック『世界の特殊作戦』（学研パブリッシング）の「米軍『対テロ戦争』における特殊作戦の成果と限界」という記事でも触れたが、精鋭特殊部隊員ですら精神疾患で妻を殺すという事件を引き起こす。自衛隊員も無縁ではなくなる。 pic.twitter.com/THtdqnvCNx

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野党や一部メディアの安保論議は平和ボケにしか聞こえない　Ｈ・Ｓ・ストークス氏（夕刊フジ）bit.ly/1eYm4a7「レッテル貼りをする政治家やジャーナリストは、活動家や扇動家に近いのではないか」これは他人に「平和ボケ」とレッテルを貼る自分も含めた「自虐」なのか？

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ストークス氏をはじめ、首相の安保法制に反対する人間を「平和ボケ」と呼び、自分は現実を直視するリアリストだと思っている人をよく見るが、彼らの語る戦争のイメージは、日清戦争や日露戦争の時代の「軍人がお国の為に立派に戦う（そして必要なら散る）」古い物語で、21世紀の非対称戦争とは違う。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

本当に安全保障問題の「リアリスト」なら、将来自衛隊員が直面するかもしれない、大勢の米兵を後方地域で殺したＩＥＤ（即席爆発装置）やＴＢＩ（外傷性脳損傷）の問題に一切触れないのはなぜなのか。アメリカのイラク戦争が「イスラム国」を生み、中東情勢をさらに悪化させた現実をどう説明するのか。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

戦前戦中の日本では、盧溝橋事件という偶発で始まった「日中戦争」を交渉で解決する道を「第一次近衛声明」で自ら捨て、軍とメディアが「外敵の脅威」を膨らませて国民を煽り、日本はすごい、日本は強いという威勢のいい進軍ラッパに酔っているうちに、気がつくと国が滅ぶ寸前の状態になっていた。特攻

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（続き）や玉砕で大勢の若者が際限なく死に、沖縄では大勢の日本人の市民が生き延びることを許されずに家族で互いに殺し合った。敗戦の受諾と共に、日本の長い歴史上初めて、国の主権を外国に奪われ、天皇制の存続すら他国の裁量に委ねることを強いられた。そこで初めて「悪酔い」から醒めて反省した。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

（続き）そんな歴史を踏まえた上で言えば、なぜか外国人なのに戦前戦中の日本の体制を肯定し、日本から見た「外敵の脅威」を膨らませて日本国民を煽り、威勢のいい進軍ラッパを鳴らして日本国民を再び「悪酔い」させようとするストークス氏のような人間こそ、「平和ボケ」という言葉に相応しいと思う。