【セリザワの剣】同盟模擬戦【墓造り】

セリザワ領では大戦以降雇われ魔法師も増えた。一般兵も増えた。 しかし魔法師の実戦経験や、兵の対魔法師戦経験、どちらも不足している模様。 ということで実技見せれば淡々と机の上で教えるよりは早いんじゃね? そう思っていた時期がありました。 ヒント:同盟の模擬戦のレベル
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夜ねこ@紅オルタの為に河原に石を積む @nightcat_works

@y_mistic 気息を整える。 『今』の自分を、届ける為に。 掌の先の、風を。引き寄せる。 この身は風。そして風は我がともがら。 呼びかける。 ――領都の街の、風という風がざわめいた。

2015-06-25 00:34:56
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@y_mistic 邪紋使いや君主とは異なり、魔法師は詠唱や混沌操作の為の準備時間がある。 即ち。 己の身ひとつを武器にするわけではないエーテルにとっては、チャージタイムにもなりうる時間が、魔法師戦には存在する。

2015-06-25 00:38:03
夜ねこ@紅オルタの為に河原に石を積む @nightcat_works

@y_mistic ――選ぶのは全力チャージ。 相手のこれまでの挙動から考えられる、限界ギリギリの時間はおそらく数秒。 それで、十分。 それだけで、十二分。 この街の中の風ならば、手を貸してもらうのに時間はほとんど不要。 なぜならば。

2015-06-25 00:39:35
夜ねこ@紅オルタの為に河原に石を積む @nightcat_works

@y_mistic この身は風。そして風は我がともがら。呼びかけに応える風は一にして群。 この身は刃。我は護領の剣にして覇者の剣。 であるのならば。

2015-06-25 00:41:28
夜ねこ@紅オルタの為に河原に石を積む @nightcat_works

@y_mistic 街の風が集い、束ね、収斂され、ごうごうと、集束する。 大きく身をひねり。 目に映す、ただ一人の、己が師の一人に向けて。 「――吹きぬけろ」 解き放つ。 暴風。豪嵐。穿て。

2015-06-25 00:43:26
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@y_mistic この身は風。そして風は我がともがら。呼びかけに応える風は一にして群。 我が友たるこの街の風は皆すなわち――御領を護る神風也。 『護領・国津神風』【11 [3D6] 6,2,3 (00:26:51)】

2015-06-25 00:44:20
印章 @y_mistic

@nightcat_works 『我道を極めて、それで如何するんだい?』 エーラム時代、唯一と言ってイイ程の交流でそんなことを言われた記憶もあるが。 「役に立ちゃア……いいだろそれで!!!」 そもそも。 我道を極めるのが【魔法師】だろうが。 ↓

2015-06-25 00:46:22
印章 @y_mistic

@nightcat_works 例え己に才がなかろうが。 例え己が利用する力はヨソから引っ張ってくる借りモンだろうが。 それでいい。 それが俺だ。 そうあろうと決めた。 ならば。 ↓

2015-06-25 00:49:11
印章 @y_mistic

@nightcat_works 「caos liberazione ―――colpo di vento!」 混沌を束ね。疾風の壁を作り出す。 風は今あれの制御下?知ったことか。 そうあれかしと生きてきた俺が、今さっき生まれて吠えたばかりの赤ん坊に負けてたまるものかよ! ↓

2015-06-25 00:54:20
印章 @y_mistic

@nightcat_works 「年長者からのお達しだ、泣いて喜んで従えよオラァ!!」 精神負荷を軽減する元素焦点具が次々粉砕されていく。 防ぎきれなかった矢傷からは踏ん張るたび出血が激しい。 恐らく次が最後の一発。 【『護領・国津神風ダメージ』【11 [3D6] 6,2,3】

2015-06-25 01:01:17
印章 @y_mistic

@nightcat_works 群にして一。 一にして群。 軍隊、といったところか。あの狂犬呼ばわりされていたエーテルが。 ↓

2015-06-25 01:09:06
印章 @y_mistic

@nightcat_works これは一手、届かないだろう。 頭の中の冷えた部分が冷静にはじき出していた。 しかし一矢報わず負ける、というのも性に合わない。 むしろ負けろ地に堕ちろ。 空が風の独壇場とだれが決めた。 ↓

2015-06-25 01:11:24
印章 @y_mistic

@nightcat_works 故に。 束ね束ねろ。さあ飛べ。 巻き込みばらまき、燃やし尽くせ。 食らいついて見せろよ。 ↓

2015-06-25 01:13:36
印章 @y_mistic

@nightcat_works 「caos liberazione ―――fiamma aquila!」 猛り狂う焔の鷲が、空の主に食らいついた。 【炎鷲:11 [3D6] 6,3,2 】

2015-06-25 01:16:13
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@y_mistic 炎。焔が、意思を持っているようにうねり、飛ぶ。 最後まで。最後まで。このひとは。 全力で、諦めることなく、熱を向けて。向き合ってくれている。 (――本当に) だから。こっちも。 最後の最後まで、全霊を、賭そう。

2015-06-25 01:24:34
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@y_mistic 襲い来る焔の猛禽。ともすれば飲み込まれそうな焔に向け、構える。 心は、不思議と凪いでいた。 右の拳へ、流れる風を分厚く、より圧し、より集束し、より収斂し。 混沌より生まれし焔を、静かに見据える。 喰らいかかる焔に向けて。 腰を落とし。視線はただ真っ直ぐに。

2015-06-25 01:29:53
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@y_mistic 時を待つ。 音が消える。 見据える焔鳥。 時の流れすら、遅く感じるように。 ――今。 持てる風の全てを込めて。 風に載せた意志から、混沌そのものを解きほぐすように。 『通す』ように。 腰だめに構えた、右の拳を――

2015-06-25 01:34:27
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@y_mistic 「ぶ、ち」 腰の捻り、肩の捻り、腕の捻り、引き絞った、弓のように。 「ぬ」 その一点へ向けて。 「けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 射出した。 風を通して鏡のように、あらゆる混沌を返し吹き飛ばす。 故にその名を『鏡風勁』。 心技体に風の異能を用いての四位一体。

2015-06-25 01:38:12
夜ねこ@紅オルタの為に河原に石を積む @nightcat_works

@y_mistic 風の拳で打ちぬかれた鷲は、綺麗に半分以上を吹き飛ばされ。 けれど、消しきれなかった半身でもって、少年を焼き焦がして。 ――ごう、と風が吹き。 「旦那は、格好いいなあ」 あちこち火傷の痕を残して、ふらつきながらも、立ったまま。 少年は、笑った。

2015-06-25 01:42:18
印章 @y_mistic

@nightcat_works 四肢を矢傷で血まみれにし。 術式行使で頭痛に盛大に苛まれながら。 嫌味か、という盛大に苦々しい面構えでずるずると何とか立つ有様の男。 「―――ちっとは護領の剣としてマシになったかと思えば何の皮肉だ」 ↓

2015-06-25 01:47:48
印章 @y_mistic

@nightcat_works 「勝ったからンな余裕な事言えるんだよ、盛大に術式ぶち破られた魔法師が【格好いい】だと?」 イラつきだけではあるまい。盛大に眉間に皺を刻むのはおそらく元素焦点具の補助がほとんどなしに魔法を行使した反動の何かだ。 「舐め腐るのも大概にしとけ」 ↓

2015-06-25 01:51:38
印章 @y_mistic

@nightcat_works 「負けたら終わるンだよ、基本はなァ」 敗者は、勝者を見据える。

2015-06-25 01:52:38
夜ねこ@紅オルタの為に河原に石を積む @nightcat_works

@y_mistic 「殺しあいなら、そうだろうな」 負けたら死ぬ。わかりやすい、戦場の倣い。 でも。纏った空気が、『視えて』しまうから。 「旦那『負けた』ってわかっても意地張りに来てくれたじゃねえか」 それはつまり。負けたとわかっても、あがき抜こうとした証左。 ↓

2015-06-25 01:57:39
夜ねこ@紅オルタの為に河原に石を積む @nightcat_works

@y_mistic 「ナメてなんかない。こんだけ、全力でオレの相手してくれたんだ。ありがとな」 甘いだのなんだの言われるかもしれないけど。負荷も、苦痛も、無茶も、覚悟の上で。こうして、全力で向き合ってくれた相手に。 勝者として、胸を張って。 「オレの、勝ちだ」

2015-06-25 02:03:35