整備兵氏による『動的防衛力』についてのつぶやき・下+『任務分析について』
機動力については、ひょっとしたら誤解されていないのかもしれない。それはともかく、火力と連携して戦術的に有利な態勢を獲得する移動が機動である
2010-12-29 01:02:14もちろん、地上移動や重装備の海上輸送だけが「機動」だというつもりはない。ただし、中期防においてAH-64Dが言及されたのはゲリラ・特殊部隊対策だというのは象徴的かもしれない
2010-12-29 01:08:35「こうするのが普通だ」というのは、仕事をしているうちによく聞く。その「普通」というのはメッケルが言うところの定規戦術であり、それを体得してから応用戦術に移る。この定規戦術を明文化したものがドクトリンで、それは人を縛るものではなかった。
2010-12-29 01:23:05今も日本では「こうするのが普通だ」という。ただ、その「普通」は明文化されていないことが多い。明文化されていないが故に恣意的に解釈され、定規としても機能しない。といって問題視すると「運用の妙はその人による」と逃げる
2010-12-29 01:25:53このように「普通(=ドクトリン)」が決まっていないのが統合にも、省庁間協力にも、国際間協力にも、さらには組織内での活動でも問題として残っているのだろう。それを問題としているかどうかはともかく
2010-12-29 01:29:52F2とは、さっきも書いたようにFog of warとFrictionの頭文字である。この二つのせいで、戦争は思うようにいかない。戦争に限らず、人生そのものだってそうだろう
2010-12-29 01:33:46現在の米軍のドクトリンは、戦争の霧と摩擦を認める形である。しかし、今回の大綱といい中期防といい、どうも日本ではこれらを認めていないらしい
2010-12-29 01:38:23それはそうだ。現行の米軍のドクトリン「機動戦理論」においては、「部下の間違いを許容する」ことが必要とされる。さて、日本に於いてそのような組織は存在しただろうか?
2010-12-29 01:42:09公平を期すのであれば、米軍も当該ドクトリンを採用するまで、あるいは徹底するまでは、日本のように「間違いを許容しない」軍隊だった。それが変わったのは、ベトナム戦争の教訓である
2010-12-29 01:44:13より正確には、ベトナム戦争の教訓を得ても、米軍は「間違いは無かった事にする」組織であろうとした。それに痛棒を与えたのは、軍隊外の歴史学者だったリンドである。そして、米軍はそれに耳を傾けた。現場の将校はよそ者に嫌悪感を抱いたのに、である
2010-12-29 01:48:23新中期防の話をしようとしていたのに、何故か全然違う話になった。ワタシとしてはこちらの方が重要だと思っているとはいえ、やや羊頭狗肉である
2010-12-29 01:51:11どこから脱線したかといえば、やはり「戦場の霧と摩擦」からだろう。これを無視したドクトリンはありえないものの、財務省的には無い事にしたいだろう
2010-12-29 01:54:18では、財務省的にはどこまで許容しうるか。「我が国が実効支配している領域」であろう。ひょっとしたらそれ以上かもしれないが、金無いのにそこまで面倒見切れない
2010-12-29 01:57:52