考古学と写真

考古学における写真の重要性
2
Yukinori Kawae/河江肖剰 @yukinegy

考古学と写真(1):エジプト考古学の父と言われるフリンダーズ・ペトリー郷は、考古学者がフィールドに持っていかなければならない最も重要な道具として「カメラ」を挙げた。考古学における記録の重要性を理解し実行した彼らしい言葉だ。

2010-11-15 09:56:30
Yukinori Kawae/河江肖剰 @yukinegy

(2):このことを教えてくれたアメリカ調査センター(ARCE)のマイケル・ジョーンズは「私はこれにスケールを加えたい」と語った。「でも、、、」と彼は続けて言った。「もしなかったら、ボールペンでもいい」。そう、ボールペンを入れるだけで、そこの情報量は拡大する。

2010-11-15 09:56:31
Yukinori Kawae/河江肖剰 @yukinegy

(3)住居発掘では「写真」と「線画」と「記述」によって、遺構は復元される。写真から記述への方向性で解釈の度合いが強まる。「生データ」としての性格が強い写真は解釈という料理が必要になるが、解釈次第では素晴らし料理ができる。

2010-11-15 09:56:33
Yukinori Kawae/河江肖剰 @yukinegy

(4)個人的にも写真への思い入れは強い。いまの調査チームで雇傭されるきっかけになったのは写真からだ。ちょうどNikonのD100の出始めで、考古学におけるデジタル写真の扱い方をDBとともに模索していた時だ。

2010-11-15 09:56:35
Yukinori Kawae/河江肖剰 @yukinegy

(5)その当時、3日間という極めて限られた時間のなか、ギザ台地の北側をエジプト考古評議会のメンバーと共に緊急調査した。それは時間との戦いだった。その際、D100による写真測量によって、ピラミッド建設に重要な手掛かりとなるセクションの記録を完遂できた。

2010-11-15 09:56:36
Yukinori Kawae/河江肖剰 @yukinegy

(6)2Dの写真はいまや3Dと密接に関わっている。でも、世間でいう3Dカメラと、私達がいう3Dとはまったく違う。いまの3Dカメラは単に「飛び出してくる」ようにみえる画像に過ぎず、昔流行った、上下を単にトリミングして「パノラマ写真」と唱っていたコンパクトカメラと同じだ。

2010-11-15 09:56:38
Yukinori Kawae/河江肖剰 @yukinegy

(7)いまはiPhoneでも複数の写真からパノラマを合成するソフトがでているけれど、もう少ししたら3Dも簡単に作れるようになるだろう。

2010-11-15 09:56:40
Yukinori Kawae/河江肖剰 @yukinegy

(8)ここでまた解釈という料理の話しに戻る。理工系の技術の発展により素材が増え続けている。この素材を生かすも殺すもシェフ・ド・キュイジーヌ次第だ。マエストロ的な技術を持ちつつも、プロジェクトを切り盛りする有能なシェフが求められている。

2010-11-15 09:56:42