『八ッ場ダムが4600億円で現政権が強力に進めてる話』からの公共事業費について

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

つまり、安倍政権は公共事業乱発というイメージに反して、実際の公共事業費は当初予算ベースで鳩山内閣より少なく、補正予算ベースで（震災直後の）野田内閣より少ない、ということになる。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

もちろん、この「繰り入れた」特別会計というのが曲者で、このぶんが繰り入れ前はいくらだったかというのも考えなければ全てを見たことにはならないのだが、実際繰り入れてもこれだけ減ってるわけで、日本の公共事業費がこの15年でどれだけ減ったかを考えると恐ろしいものがある。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

僕が土木工学科の学生だった1990年代前半、授業では「このままでは日本のインフラ維持費は増加の一途をたどり、21世紀前半には公共事業費の全額が維持費に費やされてしまう」と教わった。その当時より、公共事業費は半減している…

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

改めて言うと、この「維持費すら賄えない公共事業費」になるまで削減したのは民主党というより、自民党の歴代政権だというのが客観的事実。かといって、だから安倍内閣はもっと事業費を増やしてもいいんだ、という話ではない。維持費を増やすような新規投資をする余裕は、日本にはないってこと。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

というわけで、あまり「自民党が！」「民主党が！」と先入観で騒ぐのではなく、客観的な問題は客観的に考えるべきだと僕は思うのです。物理法則とお金の計算は、人の考えでは変えられない。どの政党であっても解くべき問題は同じで、主観だけで答えが変わることはない。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

一方で、現在の安倍内閣の公共事業費は、バブル後のどの自民党内閣よりも少ない。2回の特別会計繰入で1兆円以上かさ上げされていることを考えると、麻生政権より少なくとも1兆円以上少ないと言うべきだろう。

津田大介 @tsuda

@ohnuki_tsuyoshi 国土強靭化計画についてはどうお考えですか？nhk.or.jp/kaisetsu-blog/…

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

.@tsuda まず、そこに挙げられている2012年度補正予算って、2013年1月15日に閣議決定されたものですよね。安倍内閣成立は2012年12月26日です。つまり、実際に予算が組まれたのは野田内閣で、安倍内閣はそれをほぼ丸呑みしたと考えるのが自然です。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

.@tsuda そして、sangiin.go.jp/japanese/annai… を見れば分かるように、2012年度の公共事業費はイレギュラーです。当初予算は暫定予算のため少なく、震災対応で補正予算をがっつり上積みしています。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

.@tsuda このように、震災のゴタゴタでイレギュラーに膨張した2012年度補正予算と、2013年度当初予算を合計して「安倍内閣の予算」と表現するのは極めて恣意的です。2013年度の当初予算と補正予算の合計は6兆円程度です。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

.@tsuda 次いで、平成27年度の国土強靭化関連予算 cas.go.jp/jp/seisaku/kok… を見ると、公共事業関係費で3.1兆円、その他を含んでも3.8兆円です。先程示して頂いた資料の「10年で200兆円」とはずいぶんかけ離れています。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

.@tsuda また、こういった「○○関係」の予算というのは、純増分とは限りません。たとえば、もともと工事中の道路の予算に「都市の防災性向上」という名目を付けて計上しているだけ、というのが大半なのです。3.1兆円も純増なら、公共事業費の総額が6兆円で済むはずがありません。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

.@tsuda じゃあ、自民党が言っている「10年間で200兆円」というのは何かというと、地方予算や民間を含む総額なわけです。それを「200兆円の財政投資」と言って、イレギュラーな数字を足し合わせた10兆円の公共事業費と並べて説明するのは、良く言っても「理解に苦しむ」状況です。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

.@tsuda まあ、国費が公共事業費以外を含めても4兆円程度では、地方負担を含めても10兆円に届かないでしょうから、10年で200兆円の半分にもなりません。残りは全部民間ですが、これも「マンションの新築」「オフィスビルの新築」などを積み上げれば結構な数字にはなるのでしょうね。

大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

.@tsuda こんなふうに、元からある数字を積み上げてさも新しくてすごいことをやっているように見せるのは官僚の得意技なので、あまり先入観を持たず、あるいは政治家や政治評論家が数字を利用するのに騙されず、冷静に見るのが大切かなと思います。いかがでしょうか。