グリム・リーパー・オブ・カノヤ・ベース

鹿屋基地には死神がいる。
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Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「死神?」「ええ。何でも、そいつは緑色の目を輝かせて、いつも獲物を探してるって」「…ねぇ瑞鶴。緑って」「……やっぱり、加賀さんもそう思います?」二人の脳裏に同じ人物が過る。普段は目立たない大人しい少女だが、いざイクサとなれば目を緑に輝かせチョップで首を狩る少女の姿が。 30

2015-07-09 22:18:45
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「十中八九、吹雪さん」「ですよね…」二人は頷き合った。「…でも」加賀はふと天を仰いだ。「加賀さん?」「あの子、そんなに恐ろしいのかしら?」「どうなんでしょうね…」瑞鶴は眉を顰めた。加賀の脳裏には、戦闘後、いつも両手を合わせていた吹雪の姿が思い浮かんだ。 31

2015-07-09 22:22:11
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「あの子は死神は死神でも、彷徨える亡霊を供養しに来た死神かもしれないわね」「……」瑞鶴は思わず加賀を見た。「…どうかして?」加賀は恥ずかしげに視線を逸らした。「いや、随分とポエットだなぁと…」「言わないで」「もう一回言ってみてください!」「調子に乗るとぶちますよ?」 32

2015-07-09 22:24:20
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

二人は穏やかに談笑しながら歩き続けた。沈み行く夕日と海鳥だけがそれを見つめていた。吹雪は夕日を見、「ナムアミダブツ」と短く唱え、駆けだした。「あもり」の汽笛の音が、弔いめいて響いた。 33

2015-07-09 22:26:48
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「グリム・リーパー・オブ・カノヤ・ベース」終わり

2015-07-09 22:27:00
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