岩上安身による青木未帆・学習院大学法科大学院教授インタビュー

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26.青井「崇高な目的のために法を無視していいんだ、という意味を含んでいたら問題です。政治家はパッションを持って行うが、それが時に暴走しないように抑制するのが憲法です」。岩上「稲田氏は安保法制合憲の根拠は砂川判決にあると」。青井「まったくの間違いです」@iwakamiyasumi

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27.青井「憲法解釈権が内閣にあるかのような口ぶりですが、国民の代表である国会にも解釈権がある。最高法規ですから。そもそも政治家には憲法擁護義務があります」@iwakamiyasumi

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28.岩上「青井先生は9条は『無』の規定と」。青井「9条がある以上、日本では自衛隊に『できる』ことの法的根拠が常に問われており、それ以外は『できない』というのがデフォルト。米国などとは真逆なのです」@iwakamiyasumi

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29.青井「戦力保持できない、武力の行使ができないけれども、例外的に武力行使できる場合があるという議論Aと、そもそも武力行使にあたらないからできる場合があるという議論Bの2つで、これまでの安保法制が練られてきました」@iwakamiyasumi

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30.青井「今回、政府が議論Aからくくり出したのが自衛権発動の3要件で、 議論Bからくくり出したのが後方支援やPKO改正法などです。2つの議論が複層的に重なっていて分かりにくくなっています」@iwakamiyasumi

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31.青井「議論Aについて。政府は例外として武力行使できるという論理の一点突破だが、存立危機自体では、『例外』が限定的に括り出せていないため例外とは言えず、9条の『無』の規定が破綻します」@iwakamiyasumi

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32.青井「議論Bについて。武器等防護やPKOにおける武器使用もこれにあたる。武力行使にあたらないと日本が言っても、他国から見たら武力行使であり攻撃される可能性。現行でも、領域外で組織的計画的に攻撃された場合、個別的自衛権で反撃できる」@iwakamiyasumi

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33.青井「つまり後方支援の要件を定めた『重要影響事態法』で地理的制約がなくなり、他国軍への支援活動中に攻撃を受ければ、結局、個別的自衛権発動可能となる。『存立危機事態』は諦めても『重要影響事態』を落とし所にする可能性がある。自衛隊員は人身御供となる」@iwakamiyasumi

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34.青井「今回の安保法制は二重三重にも仕掛けがなされている。維新の対案も、どこを落とし所にするかという動きの一つではないか。『存立危機事態』が無くなったからといって大丈夫だ、とはならないので注意が必要です。米国にこれだけ強く言われているものですから」@iwakamiyasumi

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35.岩上「日本が世界でも異質な好戦的国家になってしまうのでは。極右団体・日本会議が安倍政権・自民党の多数を占めています」。青井「恐ろしいのは、極右団体だけでなく日本は平和国家だと信じている人だちが国際標準からすると好戦的となってしまっていることです」@iwakamiyasumi

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36.青井「憲法学は、どうやって権力を統制するかも問題です。外交はなかなか統制できません。大日本帝国では議会が外交に関われませんでした。条約の承認に国会が関われるようになったのは大きい。どこまで政治を法でコントロールできるかは第1級の憲法問題です」@iwakamiyasumi

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37.青井「安倍政権は憲法などのあらゆる権威を貶め、自分たちこそが唯一の権威になろうとしている。それは外交に現れています。日本が立憲主義国家、法治国家でいられるかどうかの分かれ道です。憲法は未完のプロジェクト。不断の努力で考え続けなければいけません」@iwakamiyasum7

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