【ネタばれあり】映画「シークレット・サンシャイン」レビュー
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遅ればせながら観たイ・チャンドン監督『シークレット・サンシャイン』が凄すぎて興奮が冷めやらない。トリアー監督『アンチクライスト』が所詮はキリストの手のひらで遊ぶママゴトのように思えてしまった。
2010-12-30 11:32:01続き)人間が壊れていく過程をこれほど正確に描写した映画を僕はしらない。同時に、理不尽な不幸に見舞われた人間をキリスト教が救えないどころか、更に苦しみの深みに突き落とすしかないことを、鮮やかに証明してしまった。そういう意味で本作は人類史に刻印を残す恐るべき傑作である。
2010-12-30 11:38:41続き)『シークレット・サンシャイン』でつむがれる物語は徹底的に絶望的で救いなんてひとかけらもない。なのに観ている僕は喜びに満ち溢れてしまう。たぶんそれは、人間について、社会にいて、世界について、あまりに多くの重要な事柄を僕たちに教えてくれるからだ。
2010-12-30 12:01:46続き)僕はラース・フォン・トリアーのファンだから、『アンチクライスト』が所詮はキリスト教的世界観の中で反逆者を気取ったママゴトにしか思えなくなったのは衝撃だ。『シークレット・サンシャイン』は神という概念が人間を救えないことをさらりと静かに「証明」してしまった。そう、「証明」です。
2010-12-30 12:10:02続き)宗教学を学んだこともある僕としては、「証明」という言葉を使うのにはさすがにためらいを感じてしまう。しかし、それ以上にぴったりの言葉があるだろうか?クリスチャンにはどう感じるんだろうか、あの映画。
2010-12-30 12:13:08続き)あと『シークレット・サンシャイン』で凄いのは、悲劇に翻弄される主人公のシネも決して無垢ではなく、悲劇を自分から引き寄せた責任をも背負っているところ。逆に彼女を取り囲み抑圧者として機能する人々も別に悪人ではなく、むしろ善意の人々なのだ。
2010-12-30 12:57:18続き)最近宗教のことを考えていたから『シークレット・サンシャイン』の感想はこうなったけど、またしばらくして見直したら全然違う見方になる予感有り。そういう懐の広さがあるんじゃないか、あの映画には。
2010-12-30 13:22:55続き)神という概念の危うさ。それは神が沈黙しているが故に、神の意思=人間の意思に結局はならざるを得ないことだ。そして人間は不完全であるが故に、大抵は恣意的でろくでもない意思ばかりを神に担わせる。そのことを『シークレット・サンシャイン』を観ながら体感させられた。
2010-12-30 13:51:17@KazuhiroSoda 私ごとのように嬉しいです!ほんとうにあの作品は凄すぎて、時間がないのに会場からたてずにティーチインを聞き入ってしまいました。深い観察、人間くささへの愛情、それも深いものを感じました。
2010-12-30 11:37:32圧倒されました。@yunram @KazuhiroSoda 私ごとのように嬉しいです!ほんとうにあの作品は凄すぎて、時間がないのに会場からたてずにティーチインを聞き入ってしまいました。深い観察、人間くささへの愛情、それも深いものを感じました。
2010-12-30 11:44:20シネマハスラー2008年第一位です! イ・チャンドン監督、素晴らしいですよね。RT @KazuhiroSoda: 遅ればせながら観たイ・チャンドン監督『シークレット・サンシャイン』が凄すぎて興奮が冷めやらない。(以下略)
2010-12-30 11:40:55でしょうね。人類史に残る傑作だと思います。@2dawn シネマハスラー2008年第一位です! イ・チャンドン監督、素晴らしいですよね。RT @KazuhiroSoda: 遅ればせながら観たイ・チャンドン監督『シークレット・サンシャイン』が凄すぎて興奮が冷めやらない。(以下略)
2010-12-30 11:44:50犯人が先に神に赦されている衝撃。ラストは「詩」につながるものがあると思いました。RT @KazuhiroSoda 続き)人間が壊れていく過程をこれほど正確に描写した映画を僕はしらない。同時に、理不尽な不幸に見舞われた人間をキリスト教が救えないどころか、更に苦しみの深みに突き落とす
2010-12-30 11:59:16あの大どんでん返しは人類史的事件。@saruKmovie 犯人が先に神に赦されている衝撃。@KazuhiroSoda 続き)人間が壊れていく過程をこれほど正確に描写した映画を僕はしらない。同時に、理不尽な不幸に見舞われた人間をキリスト教が救えないどころか、更に苦しみの深みに突き落
2010-12-30 12:17:35社長のあの俗物としての描写は絶対的救いではなく、しかし、絶対的権威に依ってない者こそがむしろシネの支えにはなりうるということか。RT @KazuhiroSoda なるほど。しかし彼女にとって救いかどうか。@ikoishy
2010-12-30 13:57:33僕には絶望的でした。彼女の苦しみを理解できる可能性は唯一彼にだけあったと思うのですが、惰性で教会に通っちゃうくらい、結局何も理解できていない。@denwasen @KazuhiroSoda 個人的には主役二人が会うラストシーンはわずかな希望を示しているのかなと思いました。
2010-12-30 12:20:57演技であることを忘れてしまいました。@hajimesh シネさんの身を切り刻むような演技に心打たれます。みんなに見て欲しい名作RT @KazuhiroSoda 遅ればせながら観たイ・チャンドン監督『シークレット・サンシャイン』が凄すぎて興奮が冷めやらない。
2010-12-30 12:21:53社長は確かにとても愛すべきキャラでコミックリリーフ的存在なのですが、彼が心底良さそうな人間だけに、彼にすら理解されない彼女の孤独が際立って、尚更絶望的に思えました。@ikoishy しかし、あの社長がいなければ、一片の救いもない、実に殺伐とした映画になっていたでしょう。
2010-12-30 12:27:25むしろ「共通に与えられる救い」がキリスト教(というか少なくとも一神教全般)に用意されてないことが示されてしまったように思います。@RIKO1859 @KazuhiroSoda 信者達に共通に与えられる救いではなく、シネは自分のためだけの救いを求めてたように思えます。
2010-12-30 12:32:37『シークレットサンシャイン』はボクも衝撃でした。いまでもあの主人公の女性にとっての「神」とは何だったのかを時たま考えます。観た後に感じた葛藤の段階はもう過ぎましたが。しかし、あの社長がいなければ、一片の救いもない、実に殺伐とした映画になっていたでしょう。
2010-12-30 12:23:28韓国人のクリスチャン信仰ってけっこう強烈です。何人かと話してみて、ボクなりに抽出した韓国人クリスチャンの要素って、神とは絶対的な「父」であり、しかも「全てを益とする」愛に溢れた人格神、かつ全能(オムニポテンス)であるという「超父」とでもいうべき存在。
2010-12-30 12:27:10@KazuhiroSoda 社長は非常に親しみやすく、コミカルではありましたが、その何があっても揺るがない愛には、また別の神聖さを感じました。もっとプリミティブな意味での神というか。そして、そこにまだ「救い」があるな、とも。
2010-12-30 12:31:26なるほど。しかし彼女にとって救いかどうか。@ikoishy @KazuhiroSoda 社長は非常に親しみやすく、コミカルではありましたが、その何があっても揺るがない愛には、また別の神聖さを感じました。もっとプリミティブな意味での神というか。そして、そこにまだ「救い」があるな、と
2010-12-30 12:33:45@KazuhiroSoda 社長の愛情が彼女にとって救いになるかも知れませんが、ならないのかも知れない。そんな含みを持たせたラストシーンだったというのが私の感想です。しかし、救いの可能性の「希望」は感じさせるものだったと思います。
2010-12-30 12:39:17