BANDOLERA　の日

ゆ㌖ず㌖こ㌖せ㌖う＠手㌖洗㌖い @yuzukoseuG

「いるな」 さっきまでつなぎ姿のリ級と馬鹿を言いあって騒々しかった利根が急に静まるとつぶやいた。 「…策敵の目をごまかせると思うたか。」 柑橘提督は「筑摩…」「はい。」 向かいの席の「姐さん」は表情も変えずタ級に顎でくいっと指図した。 これは真似できんな。＃柑橘鎮守府

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「おや？きみ、丸腰だったの。」 姐さんは笑いながらテーブルの上に塊を置いた。 ミネベア製機関短銃。 「試射も調整もしてあるよ。」 提督は受け取りながら「あなたは」 「あいつら、やるときゃやるからね。まあこれもあるし。」 イサカの10番散弾銃。 ＃柑橘鎮守府

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「どっちが陽動かな」タ級はヤードの5ｔトラックの近くに伏せながら聞いた。 「人数の多いほうです。」「じゃあ、まず片方を」 暗闇の中、艦娘と戦艦の死神は走る。 #柑橘鎮守府

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暗い事務棟からは物音がしない。一目散に駆けてきた3人の人影が歩をゆるめ、そろりと近づく。あと数m。 暗夜に白い死神の顔を見た先頭者の意識はそこで途絶えた。 殿の一人もそこで喉を割られて倒れる。残った一人は恐慌に襲われ走り出した。 「いいのか？」「いいです」#柑橘鎮守府

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5人の陽動班は事務棟から走ってくる一人を見て悟った。まずい状況だ。 せっかくの勢子の働きが無駄になりこっちが主攻にならざるをえない。 しかしある意味予期していた残りのうちの専任は緩い散開を命令し、前進を再開した。　#柑橘鎮守府

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襲撃組は6人を3分し、三方から事務棟を囲んだ。裏をふさぐために回った二人はしかし、そこで「おそかったの。」たちどころに一連射を食らって倒れた。銃声に射点を探す間もなく3人が打ち倒された。燃え盛るガレージの炎の明かりをバックにかすかな動静も狙撃手にはよい的だ　#柑橘鎮守府

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最後のリーダー格はそれでも脱出をはかった。慎重に炎の明かりをさけて、突破したフェンスのほうに戻ろうとした。が、そこにグリーンのつなぎをきた女が立っていた。一か八か、絶望的な突貫をかける。後ろ手に持っていたショットガンを腰だめにして女は続けて三発発砲した　#柑橘鎮守府

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両膝を関節ごと10番スラッグ弾に持って行かれ、最後に頭部を半分吹き飛ばされて敵は倒れた。オレンジ色の髪を炎のように風にたなびかせて少女が立っている。#柑橘鎮守府

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夜が明ける頃、深海たちは後片付けを始めた。鎮守府から榛名をリーダーに艦娘たちが陸戦装備でやってきた。8人の襲撃者は人間、というよりは強化措置を施されたバイオノイドだった。#柑橘鎮守府

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「DNAと高分子の解析機があれば、どこの手の者かわかるんだけどねえ。」姐さんは思案顔を向ける。 「大方見当はついてるけど＿＿」提督も表情を真似してみる。 「まあおたくの偵察艦に助けられたよ、ありがと。」 利根の屈託ない笑顔。いつも無愛想なリ級の顔が少しほころぶ。 #柑橘鎮守府