安保法案「間違いなく血流れる」元自衛官迷彩服で反対訴え 札幌 #本当に止める #戦争したくなくてふるえる

泥憲和さんのことではありません。
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毎日新聞写真部 @mainichiphoto

goo.gl/pHOYtA 札幌であった安保法案反対集会に元自衛官が立ち、法案反対を訴えました。彼は所属していた隊で「遺書」とも受け取られる手紙を書くよう指示され、書いたといいます。 pic.twitter.com/fNmQ4U5Kzq

2015-07-12 20:09:00
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安保法案:「間違いなく血流れる」元自衛官反対訴え 札幌

http://mainichi.jp/select/news/20150712k0000m040032000c.html

陸上自衛隊北部方面隊(北海道)で隊員たちが「遺書」とも受け取られる手紙を書くよう指示されていた問題で、実際に指示を受け、手紙を書いたという元自衛官、末延(すえのぶ)隆成さん(53)が11日、札幌市内で開かれた安全保障関連法案反対集会に参加し、反対を唱えた。

 現役時代に使用したという迷彩服姿で登壇した末延さんは、安保法案が可決されれば、陸自も戦闘部隊の後方支援などに加わる可能性を指摘した上で、「間違いなく自衛隊員の血が流れる。こんな法律で命を落としたら無意味だ」などと法案反対を訴えた。

 集会は北海道弁護士会連合会が主催した。主催者によると、約6000人が参加した。

 自衛官の人権侵害問題に詳しい佐藤博文弁護士(札幌弁護士会)は手紙を巡る問題について、「自衛隊が隊員に殉職の覚悟を求める精神教育と言える。海外での死亡を想定した動きだ」と指摘した。集会後、参加者は「わたしたちは戦わない!」などとプラカードを掲げて、市中心部をデモ行進した。【三股智子】

Atsuko Hasumi @The_Word_Peace

#拡散 わたしたちは戦わない!NO WAR 大集会&パレード in北海道! 2015年7月11日(土) スピーチ 午後2時〜 パレード 午後3時ころ〜(1時間程度) @中島公園自由広場 主催 札幌弁護士会 他 pic.twitter.com/suaX1MSQuK

2015-07-05 23:36:21
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毎日新聞ニュース @mainichijpnews

陸自北部方面隊:隊員に「遺書」指示 元隊員が証言 bit.ly/1Hs1ghF

2015-07-11 10:45:04
毎日新聞 @mainichi

陸上自衛隊の隊員たちが「遺書」とも受け取れる「家族への手紙」を書くよう指示されていたことが分かりました goo.gl/9dWj5H 安全保障関連法案の衆院審議が大詰めを迎える中、波紋を呼びそうです。

2015-07-11 10:36:18

53歳で定年退官した元2曹「12年以降は肺の病気で休職し」

 ◇総監部「服務指導の一環。遺書ではない」

 陸上自衛隊の北部方面隊(北海道)で2010〜12年、隊員たちが「遺書」とも受け取れる「家族への手紙」を書くよう指示されていたことが、元隊員や陸自北部方面総監部への取材で分かった。総監部は「服務指導の一環で、遺書ではない」とするが、元隊員は「事実上の遺書だった」と証言した。安全保障関連法案の衆院審議が大詰めを迎える中、波紋を呼びそうだ。【三股智子、前谷宏】

 元隊員は、陸上自衛隊を今年1月に定年退職し、北海道東部に住む元2等陸曹、末延(すえのぶ)隆成さん(53)。1980年に東京の私立高を卒業して陸自に入隊し、北海道や関東各地で任務に就いた。

 北部方面隊鹿追駐屯地(北海道鹿追町)に所属していた2010年12月、上官から突然、「休暇前に『家族への手紙』を書き、個人用ロッカーの左上に入れておくように」とA4判の白紙1枚と茶封筒を渡されたという。

 目的を問うと、「万が一、何かあった場合に家族に残す言葉を書いてみろ」と言われた。上官の指示には逆らえない。<楽しい人生ありがとう>と妻への感謝を短く書き、封筒に入れて封をした。同僚たちも、みんな同じ指示を受けた。紙に何も書かず封筒に入れた仲間もいたという。

 北部方面総監部によると、方面隊トップである当時の北部方面総監が隊員に手紙を書かせるよう部隊長らに口頭で伝えた。総監部は取材に、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努める」という自衛隊法の規定(服務の本旨)を実践するのが目的で、「任意であり命令ではない。遺書という認識はなく、あくまで家族への手紙」(広報)と説明した。10年より前や12年より後は、手紙を書かせる指導はしていないという。

 末延さんは12年以降は肺の病気で休職し、定年退職3カ月前の昨年10月、総監部に手紙の返却と理由の説明を求める苦情申し立てを行った。手紙は返却され、苦情処理通知書で「長期の急な任務に備え、懸案となり得る事項についてあらかじめ本人の意思を整理しておくことで、個人の即応性を向上させるもの。遺書とはまったく別物」と説明された。

 しかし、末延さんは「手紙は遺書と受け止めた。同僚たちもみな『あれは遺書だった』と言っていた」と振り返る。そして「国を守る忠誠心はある。しかし、今の時代、どんな大義があって命をかけろと言うのか」と、戦後の安全保障政策を転換する安保関連法案に疑問を投げかける。

 法案は早ければ来週にも衆院を通過する見通しで、成立すれば自衛隊が米軍を後方支援する機会が増える。末延さんは「自分が入隊の宣誓をした時は、よその国の戦争に加勢することは想定していなかった。加勢で海外へ派遣される仲間は死んでも死にきれないだろう」と話す。

 後輩らは今も手紙をロッカーに保管しているかもしれない。末延さんは「都合よく死を美化するために使われかねない。勇気を持って疑問の声を上げてほしい」と語る。11日、札幌市である北海道弁護士会連合会の集会で手紙の問題を訴える。

 ◇安保法制できれば現実化

 軍事評論家の前田哲男さんの話 自衛隊流の死生観を隊員たちに持たせるための一種の精神教育として指導したのだろうが、旧日本海軍の兵士が出撃の際に出した家族や知人への手紙をほうふつさせる。

 安全保障関連法案が成立すれば、陸上自衛隊もこれまでの人道支援から、戦闘部隊とより一体化した後方支援などを担う可能性が高まる。その時には単なる精神教育ではなく、実際に遺書を書かせることが現実化するかもしれない。

 ◇陸上自衛隊北部方面隊

 全国を五つに分けた陸自方面隊のうち最大規模の部隊で、北海道の防衛と警備を担当している。二つの師団と二つの旅団、約50の方面直轄部隊で構成され、隊員は約3万人。トップは陸将の方面総監が務め、本部に当たる方面総監部は札幌市に置かれている。

T.U.Yang @tadatsome3

この記事の「53歳の2曹」について知人の自衛官に聞いてみた。「確かに昇任は遅いね。肺を壊したとあるので公務災害(労災)かも。あと、秘密文書を間違えて破棄して処分とか、何らかの事情はあるかもね。でもこのときの総監もいい噂聞かないよ。」 twitter.com/mainichijpedit…

2015-07-12 18:02:25
まとめ 自衛隊で「53歳、2曹で定年」の意味とは このまとめ http://togetter.com/li/845896 などで話題の方について、多分内部事情に詳しそうな方々の呟きをまとめてみました。 本人に責任がなさそうな面もありますが、少しく闇が見える気がします。 159015 pv 309 28 users 291

以前にも話題になっていましたね

布施祐仁/ Yujin Fuse @yujinfuse

これ北部方面隊だけじゃなく中部方面隊の隊員からも聞いたことあるな。 陸自北部方面隊:隊員に「遺書」指示 元隊員が証言 - 毎日新聞 mainichi.jp/select/news/20…

2015-07-11 11:11:37
リンク admiral3166.ddo.jp 千葉徳次郎 - wiki31ja

「海外で戦争する国」へ集団的自衛権の行使容認と、それを具体化する「戦争立法」へと暴走する安倍政権と自衛隊。それに備えるかのような事態が自衛隊で始まっています。「殺し、殺される」武力行使を想定したとみられる“遺書”の強要が、陸上自衛隊で実施されていることが24日、自衛隊関係者への取材でわかりました。 (山本眞直)

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(写真)服務指導に納得できず取り戻した〝遺書〟を手にする元隊員。「体を大切に幸せに長生きしてください」と病弱な妻へのいたわりの言葉があります(写真は一部加工してあります)
 “遺書”を強要したのは陸自北部方面隊(札幌市)。同方面隊関係者によると2010年夏以降、所属部隊の隊長ら上司から、「『家族への手紙』を書き、ロッカーに置くように」と“服務指導”されたといいます。これは自衛官にとって事実上の「命令」に等しく、絶対服従が求められています。

 同方面隊の道東の部隊では、上司の説明に納得せず「苦情申し立て」をした隊員もいました。苦情を申し立てた隊員への部隊からの処理通知(回答)には、「有事の際直ちに任務につくことができるよう常に物心両面の準備を整えること」が陸自服務規則などに明記されていることをあげ、こう意義付けています。

 「(家族への手紙は)物心両面の準備をより具体化したものであり(略)長期の任務に急きょ就くことに備え(略)あらかじめ本人の意思を整理しておくことにより、個人の即応性を向上させるものである」

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(写真)“遺書”を強要した陸自北部方面総監部(中央奥の建物)=札幌市
 そのうえで「単に自己の死亡のみに準備する遺書とは全く別物」としています。しかし書かされた元隊員は「“殉死(戦死)”への覚悟を求めたものであることを感じた」と証言します。

 陸自北部方面総監部は本紙の取材に「(同方面隊の)千葉徳次郎総監の提案で、就任中の2010年7月から12年7月にかけて全ての隊員(約3万8000人)を対象に実施した。遺書とは認識していない。入隊時に宣誓した任務を完遂するための具体的な方策の一つで、任意であり服務指導の範囲だ」としています。

 同方面隊は、陸自隊員の約4分の1を擁し、最も多く海外派兵している部隊です。

 “遺書”強要が始まる前年の6月には、自民党国防部会が「防衛計画の大綱」見直しへの提言をまとめました。そこには、昨年の安倍政権による閣議決定などにつながる集団的自衛権行使容認、海外派兵恒久法制定が明記されていました。

 同方面隊第11旅団真駒内駐屯地(札幌市)の元隊員は、こう告発します。「『手紙』は、明らかに今、安倍政権が躍起になっている集団的自衛権行使容認を想定した、海外での武力行使=戦争への覚悟を隊員に植え付ける意図があったことは間違いない」

要は「国のため」 隊員の疑問当然

 自衛隊人権裁判弁護団の佐藤博文弁護士の話 自衛隊は、遺書の返還を求めた隊員に「単に自己の死亡のみに準備する遺書とは全く別物である」と書面で答えている。要するに「国のため」「公務として」死ぬのだ、と強要している。隊員の多くが疑問に感じているのは当然だ。未成年の新入隊員にまで書かせている。憲法を無視して海外で戦争する軍隊を持つとはこういうことだ。

まとめ 赤旗新聞が「陸上自衛隊で遺書強要!」とスクープ!戦争国家の足音が聞こえると怒る正義の人たち! なお、入隊したら普通に書かされるモノの模様(もちろん安倍政権の前から 23896 pv 174 1 user 182
まとめ 【超絶悲報】海外派兵をしている自衛隊の部隊が遺書を書かせていた事が発覚 ←安倍政権が戦争準備を進めている証明か? 海外派兵で日本の若者を  アメリカのために戦わせるのは違うと思う  それでより世界が平和になるとも限らない 5836 pv 51
リンク Wikipedia 佐藤博文 佐藤 博文(さとう ひろふみ、1954年8月1日 - )は、日本の人権派弁護士。 北海道十勝管内更別村で、畑作専業農家の長男として生まれる。帯広柏葉高校に進学し、生徒会長として制服自由化を実現する。その後、北海道大学に進み教育学部(教育制度研究室)を卒業。卒業後、独学で司法試験の勉強を始め、1985年司法試験合格。1988年4月札幌弁護士会に登録し、北海道合同法律事務所で弁護士活動を開始。 北海道議会議員の道見重信(自民党、札幌北区)は、母方の叔父、同じく田村龍二(民主党、胆振)は父方の大叔父にあたる。

佐藤博文弁護士「公務災害も多い。肺を痛め休職中の戦車部隊の隊員がいる。粉じんの中を走るうえ、大型エンジンの排ガスがひどい」

自衛隊員の人権擁護 課題/北海道新聞・憲法って何? II
http://www.hg-law.jp/info/topic/post-news-86.html

11月8日(土)、北海道新聞の連載コーナー「憲法って何? II 集団的自衛権」に当事務所の佐藤博文が「自衛隊の人権問題に関する勉強会」で報告した要旨が掲載されました。
 
 佐藤は、自衛隊イラク派兵差止北海道訴訟、陸自真駒内駐屯地訓練死訴訟(命の雫裁判)などを手がけました。

 以下、発言要旨です。

 自衛隊員の「国防軍」兵士化が進んでいる。集団的自衛権の行使を認めると、実際に戦場に行くことになる。必然的に平素から実践に備えた訓練が行われ24時間即応体制は強化される。その人権を守ることが喫緊の課題となっている。自衛隊のセクハラ、パワハラ、訓練中の負傷、自殺問題などを手がけてそう思う。

 自衛隊に入る若者たちは入隊まで、家庭や学校で、人を傷つけるな、優しい人になれと育てられる。それが、自衛隊に入った途端に逆転する。営舎の集団生活の中で、日々の訓練の中で、人を殺せる人間につくり上げられていく。それは、それまでの人生の行動規範と異なるだけでなく、自らの価値観、ヒューマニズムとも異なるのが普通だ。その過程で問題が起きる。

 まず、ジェンダーの問題(セクハラ)。国家試験に合格し、学校卒業と同時に、陸上自衛隊事務官になった女性がいる。公務員になれたと喜んだ。その職場の上司らが企画した歓迎会の深夜、上司から強制わいせつを受けた、として昨年、提訴した。

 公務災害も多い。肺を痛め休職中の戦車部隊の隊員がいる。粉じんの中を走るうえ、大型エンジンの排ガスがひどい。

 夜間大学に行けるから、と空自に入ったのに、いざ受験しようと思ったら「自衛隊を辞めるか、大学を諦めるかだ」と言われたケースがある。弁護士が交渉し、受験できたが、合格したら、また、いじめられた。

 各種免許を取るため入隊した、という話は多い。ある陸自の男性は、大型特殊・けん引などの免許がほしかった。だが、受験人数に制限があり、「自衛隊に入れば免許が取れる」というのは、昔の話だとわかった。そこで退職しようとしたら、認めてくれない。

 自衛隊は、自由に辞められない。いざ戦場で「辞めます」では困るからだ。だから自民党内からは、逃亡自衛官には死刑の適用も、という声が出ている。

 自衛官が懲戒処分を受ける場合も、自衛隊は、司令官が決めた他の自衛官しか弁護人になれないと言う。自衛隊法施行規則に「懲戒権者は(略)隊員のうちから弁護人を指名する」とあるからだ。弁護士をつける権利を保障している憲法を、当然、優先すべきだ。

 自殺は深刻だ。イラク派兵後の2004年以降、自衛隊員の自殺が3年連続、100人を超えた。

 自衛隊員の人権はいったいどうなっているのか。以前、教育カリキュラムを調べたら「人権」は無かった。あったのは「しつけ」だ。

 一方、ドイツは、兵士である前に市民であると、教育する。「兵士になるとは人を殺すこと。苦しんだらここへ行きなさい」とメンタルケアのシステムや、上官の法令違反、不条理な命令の是正などを求める軍事オンブズマンの制度を教える。

 軍隊を持つ国は「良心的兵役拒否」「兵士の労働組合」など理論、実践でさまざまな積み重ねをしてきた。日本も、ついにそうした時期を迎えようとしている。しかし、私は、そんな国になってほしくない。

「イラク戦争派遣の陸自隊員の自殺率は国民平均の17倍ということになる。」

対テロ戦争・戦争立法の中で自衛隊員と家族は、いま。
http://www.hg-law.jp/info/topic/post_6.html

司法試験指導校として有名な伊藤塾の塾長・伊藤真弁護士が所長を務める「法学館憲法研究所」の「今週の一言」に、当事務所の弁護士佐藤博文のコラムが掲載されました。

 掲載ページはこちら → 法学館憲法研究所 今週の一言

 佐藤博文は、自衛隊イラク派兵差止訴訟の全国弁護団連絡会議事務局長のほか、「自衛官の人権弁護団・北海道」の団長も務めております。

 佐藤は、その経験から、対テロ戦争・戦争立法の制定が企てられている中で、自衛隊員とその家族が置かれている境遇・実態をひも解きながら、集団的自衛権と戦争立法について警鐘を鳴らしています。

 戦争立法が国会に上程されようとしている今、少々長いコラムですが、ぜひ、多くの方にご覧いただきたいと思います。以下に、全文を掲載します。

隊員に「遺書」を書かせ部隊で保管

 2015年1月末、私は、陸自北部方面隊(札幌市)の道東の基地に所属するある自衛隊員から、「苦情処理通知書」を見せられ、驚いた。「殺す・殺される」軍隊として、遂にここまで来たのか、と。
 陸自北部方面隊は、2010年より、部隊の隊員に対する「服務指導」として、「家族への手紙」という名の遺書を書かせ、それを部隊が管理した。彼の場合は、隊舎内のロッカ-への保管を命じられていた。
ずっと疑問を抱いていた彼は、昨年末に部隊から取り戻し、今年1月初め、遺書を書かせた根拠を尋ねた。その回答が今回の通知書だった。
 そこには、遺書を書かせる意義を、「物心両面の準備をより具体化したものであり(略)長期の任務に急きょ就くことに備え(略)あらかじめ本人の意思を整理しておくことにより、個人の即応性を向上指させるもの」であり、「単に自己の死亡のみに準備する遺書とは全く別物」であると説明されていた。
 そして、彼の遺書の返還は、「貴殿が病気休職中であり(略)任務に参加する可能性がないことを踏まえ(略)貴殿自身による保管」としたと説明する(彼以外の遺書は引き続き部隊の保管にあることを自認)。
遺書の目的は、"殉死(戦死)"への覚悟である。2010年夏、北部方面総監・千葉徳次郎陸将は、遺書を書くことは「命を賭す職務に就く軍人としての矜恃である」と訓示している。国家のために死ねという。
 さらに、隊員個人のプライベ-トな問題としてではなく、「公務」として扱われていることが重要である。自衛隊では隊員の持ち物は全てチェックされる。「精強さ」が求められる隊員は「本当は行きたくない」などといったことは絶対に言えない。全て成績評価に結びつくからである。
 これを、15歳や18歳で入隊する未成年者に強いている。海外で戦争をする軍隊・兵士になるということは、"公務員を雇う"主権者国民が、自分に代わって自衛隊員をこのように"働かせる"ことにほかならない。

7月1日閣議決定と自衛隊員・家族の不安

 昨年7月1日の閣議決定に対して、自衛隊員や家族の多くが不安と困惑、憤りを隠さない。自衛隊員は、米軍と一体となった戦争遂行準備、泥沼の「対テロ戦争」の戦場派遣という、深刻な問題に直面している。戦争も軍隊も知らない政治家たちがリアリティのない議論をし、簡単に「専守防衛」を投げ捨て、「兵士の人権」を顧慮しないことに、深刻な危機感を抱いている。
 例えば、閣議決定がなされた昨年の北海道の自衛官志願者が、前年より激減している。一般曹候補生は3044人⇒2586名(15%減。全国では10%減)、航空学生は372人⇒273人(27%減)という具合である(2014.10.1北海道新聞)。
 ご承知だろうか。2004年1月、北海道の自民党・元閣僚、故箕輪登氏が「専守防衛」の立場から全国で最初に訴訟を提起したのを皮切りに、全国11地裁でイラク派兵差止訴訟が取り組まれ、2008年4月17日、名古屋高裁は平和的生存権の具体的権利性を認め、イラク派兵は憲法9条1項違反とする画期的な違憲判決を下し、同年12月自衛隊をイラクから完全撤退させた。
 この判決は、自衛隊員からすると、自衛隊の「専守防衛」を確認し、イラク派兵中や今後派兵される自衛隊員や家族の「平和のうちに生きる権利」を守ったもので、多くの隊員・家族が(表には出さないが)歓迎した。
この防波堤が、今次の集団的自衛権と戦争立法で決壊の危機にさらされている。

自衛隊の海外派兵・国防軍化と自衛隊員の人権は表裏一体
  
 実は、イラク訴訟と並行して、自衛隊員や家族が自衛隊を相手に人権侵害からの救済を求める裁判がたたかわれてきた。海自「たちかぜ」裁判は、イラク派兵が始まった2004年の事件(被害者は当時21歳)、空自浜松基地裁判は翌2005年の事件(同29歳。妻と0歳の子あり)だった(いずれもいじめ自殺)。
名古屋高裁違憲判決が出た2008年には、空自女性自衛官セクハラ事件(北海道。当時20歳)、陸自(札幌真駒内。当時20歳)と海自(広島江田島。当時25歳)で、徒手格闘訓練中の死亡事件が起きた。
特に、自衛隊員の自殺は深刻である。
 イラク派兵中、在職中の自殺者は毎年約100名に上っていた。自殺する前に退職するケ-スが多いから、「暗数」は数倍にも上るだろう。
 自衛隊員の自殺者のうち、アフガニスタンからイラク戦争への派兵経験者に限った統計では、第1次テロ特措法(インド洋派兵)では海自8人(延べ派兵数1362人に1人)、第2次では海自4名(同600人に1名)、イラク戦争では陸自20名(同280人に1人)、空自8名(同453人に1人)、総計40名になる。ちなみに、日本国民の自殺者は4672人に1名(2013年度)で、イラク戦争派遣の陸自隊員の自殺率は国民平均の17倍ということになる。
 自衛隊は直接戦闘行為に関与していないが、これが実際に行なうようになったらどうなるか。米イラク・アフガニスタン退役軍人会(IAVA/会員27万人。全米最大)の調査結果(2013年)によれば、回答者の45%が自殺を諮った帰還兵を知っており、37%は実際に命を絶った仲間がいるという。また、米退役軍人省によると、統計を取り始めた1999年以降、2012年までに少なくとも21州(50州中)で2万7000人が自殺し、さらに3万4000人が退役軍人である可能性があるが、全容は掴めないという。
 元兵士による殺人・強盗などの凶暴犯罪が多いことも周知の事実である。世界一安全だと言われる日本を、アメリカのような国にしていいのか。

軍隊の本質-人権保障と根本的に矛盾
 
 自衛隊員は、日常生活の全てにおいて、「おう盛な闘争心をもって敵を殺傷又は捕獲する戦闘」(真駒内徒手格闘訓練死事件判決)に備えなければならず、そのため組織=上司・先輩の命令は絶対である。
自衛隊の規律は、「軍紀」と言われ、その本質は、「通常の道徳規範」とは正反対の一般社会では絶対に許されない器物の損壊、人員の殺傷などの戦争遂行行為を、自他の生命を省みることなく公然と行なわせるものである。これに従わなければ軍紀違反となり、戦前には「逃亡」は死刑をもって処せられた。
 これが、自衛隊員や家族の人間としての感性や良心、価値感と矛盾・対立し、様々な問題を引き起こす。日本には、ドイツやオランダのように「兵士である前に市民である」「1人の兵士の人権を守ることは軍隊を誤らせないこと」といった民主主義国家における軍隊の基本ル-ルが確立されていない。
 空自女性自衛官セクハラ訴訟で、原告が新人教育のときに渡された「職場での『躾(マナ-)』」には、以下の文章がある。
 「 かつて東洋の君主国と言われたわが国は、太平洋戦争後封建制度の否定とともに古来の美風も崩壊して、それに変わるべき新しい規律は誤れる自由主義の名目の下に未だ固定化していない。(中略)昔の日本人には、環境や階級の差こそあれ厳しい礼儀作法のしきたりがあって、社会の秩序を保ち、人間関係を円滑にする上で重要な役割を果たしていた。」
 日本国憲法の「個人の尊厳」「人権尊重主義」を、「誤れる自由主義」と言うのである。戦争や軍隊のリアリティを知らない政治家や自衛隊幹部と人権教育と人権保障が置き去りの自衛隊員・・日本の自衛隊はどこの国よりも制御の効かない危険な軍隊となり、隊員や家族が悲惨な状態におかれる可能性がある。
 こんな政府と自衛隊に、集団的自衛権と戦争立法を与えてはならない。

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