#歌仙受けリレー企画まとめ

夏夜鹿🌸原稿中 @natsu_yoruka

おや、君はこんな時間まで起きていたのか……って、悪ぃな。起こしちまったか。いや、なかなか寝付けなくてな……どうも、あの記憶が抜けきれねぇんだ。俺があの時、あの方の腹を柄まで貫き通せたかってのは覚えてないが……構う事はねぇ、俺はここに居る。アンタの傍にいる。それでもう、十分さ。

春月 灯@とうらぶ @akari_snw

薄ぼんやりとした灯の中で、歌仙の輪郭がゆるりと浮かび上がる。「さあ、行こうか国広。ここからは……夜の戦いだ」「ああ」周りを短刀と脇差しが固める中、池田屋への道をじっとにらみ据える。「君となら、なんだか負ける気がしないな」「俺もだ」どんな戦場も、あんたと共に進みたい。

鴇宮あお @ao_tkmy

「こんな暗がりの中でも君の髪は輝いていて、本当に綺麗だね」歌仙の指がさらりと俺の髪を梳く。「綺麗とか言うな」「美しいものを美しいと言わないのは風流ではないよ」「…それならあんたの方が綺麗だ」薄闇に浮かび上がる白い肌がまるで夜顔の花のようで。頬が朱に染まったのは灯影のせいだろうか。

春月 灯@とうらぶ @akari_snw

出陣の前、歌仙は目元に紅をさす。「……それ、俺にもやらせてくれないか」「ん、うん……良いよ」小指に少量を取って、瞼にそっと塗りつける。「これで、どうだ」「うん、悪くない。では、行こうか」「分かった」気持ちが逸る。ああ、戦場で紅く染まるあんたを早くみたい。それはとても、綺麗だから。

夏夜鹿🌸原稿中 @natsu_yoruka

『紅の飽くなく見ゆる君の袖重ね浅葱の色も華やぎ』……ねぇ。お前なら、そう言ってくれると思ってたさ。じゃ、オレはこう返すべきだな。『ぬばたまの空く手で払う君の裾闇路駆けても色はなお映え』……か。おい、そんな嬉しそうな顔されてもオレが反応に困るんだが……まぁ、いっか。

鴇宮あお @ao_tkmy

「くれないは園生に植えても隠れなし、とはよく言ったものだね」刀としての価値を失った僕によくも、と。「嫌味ですか？」「まさか」歌仙の手が伸び僕の唇に触れる。傷を負っていたのかピリリと痛んだ。「まるでべにを差しているみたいだ」指に付いたそのあかは僕よりも血狂いの貴方にお似合いですよ。

まこ と @kouya542

「僕は目が悪いので、これは薬なのです」おや、狐の化粧かと思っておりましたのに。「狐の？」嫁入りの狐がこうして目尻に紅を引くのです。「嫁入りとは...。小狐丸殿、お戯れを」 頬を赤らめる歌仙を揶揄して目許に口付けると、彼は急に、妖艶な笑みを浮かべ返した。なんと。やはり狐ではないか。

夏夜鹿🌸原稿中 @natsu_yoruka

《君》は僕よりも純粋に前を見ていただろう……血を塗り重ねた末にこの号を頂く事は刀として本望だと、それを知って恐怖する者らの事など見ようともしなかったから。けれど、僕はこの先の見えない眩しい日の方へ行くよ。闇路へ向かう《君》とは真逆の方だけど、僕も独りきりだから、寂しくはない。

春月 灯@とうらぶ @akari_snw

陽の光を透かす金髪は、普段は布に覆われ決して人目に晒されることはない。夜の闇の中で蝋燭に照らされるのを見るのも決して悪くないが、やはり。「たまにはこうして見るのも良いね」皆の目を盗んでこっそりと布を外させ、太陽の下でその髪をまじまじと見詰める。「とても綺麗だ」これは僕だけのもの。

鴇宮あお @ao_tkmy

「まるで君は向日葵のようだね」そう言って歌仙が笑う。女じゃねぇんだから、花に喩えられたって嬉しくもねぇんだけど。そもそも花っていうなら歌仙の方が似合う。ああ、でも、「牡丹みたいなお日様を追っちまうところは似てるかもな」文系って自称するなら牡丹が何を指すかくらい分かってくれるよな？

夏夜鹿🌸原稿中 @natsu_yoruka

僕は戦とあらば、散る最期まで戦い抜くよ……と、いつもの笑顔で言ったつもりなのに、ある者は阿呆と喚き散らし、ある者は抱きついて泣き始める。正気に戻れと罵る者もいるほどだ……全く、君達がこんな僕の手を繋いでくれたから、ここまで来れたんだ。ならば僕も、最期まで僕らしくあるべきだろう？

鴇宮あお @ao_tkmy

時の流れは早く儚くて、だからこそヒトは風流を覚えるのだろうね。 一先ずは心からの感謝を君に、さいごは笑顔で君を送るよ。君はこれからも先へと進んでいくけれども悲しみや不安に怯える必要はないんだ。何故って、君が教えてくれた幸せな物語は皆こう結ばれているからね。 めでたしめでたし、と。

春月 灯@とうらぶ @akari_snw

僕はこの本丸で最初の一振りなんだ。そして、この本丸が終わる最後の時まで、共に在ることを主に約束した。だからねえ国広……「君もどうかその時まで、僕と一緒にいてくれるかい？」「当然だ」「ありがとう」そして最期の時を迎える際も、君と共に在りたいと願う。この、仮初めの身体が続く限り。