なベアダーさんの『佐世保オジさんと行くぶらり種子島』に関するつぶやき

しおりん聖誕祭を種子島で迎えた4人のオジさんのお話。 アホで、楽しく、泣いて笑って過ごした日々。 ももクロの想い出はモノノフさんとの想い出でもあった。
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なベアダー @nabeada

佐賀オジサンと虫オジサンに調査をさせると九州のノフに右に出る者は居ない。彼らはネットや種子島に詳しい人、当時の潮の満ち引きや飛行機の時間、移動距離などの情報を元に憶測を立て撮影場所にあらかた目星をつけていた。僕はレンタカーを運転しつつめぼしき場所へと走った。

2015-07-18 03:43:04
なベアダー @nabeada

種子島の人口は約三万人。西武ドームに島民の皆さんをお招きしてもまだ余裕がある。決して離島では小さくない故に人はまばらで、時折車とすれ違う程度だった。何より信号が無い穏やかな道が続いた。

2015-07-18 03:43:30
なベアダー @nabeada

種子島空港では種子島Tシャツを購入した。玉井詩織も恐らくここで購入したと思い込み、僕も推し色があったため購入。黄色が無い事を佐世保オジサンは惜しんだが、推しが来ていたのは白色だったのでむしろ喜んで白を購入した。滑走路を見て妄想に耽る。 pic.twitter.com/8s7mGYichm

2015-07-18 03:45:52
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なベアダー @nabeada

黄昏を待つ玉井詩織がいたであろう浜辺に向う。この場所では夕日を撮りたいところだが、天気予報を見るかぎりそれは叶いそうもなかった。せめて同じ岩を見つけて撮影したかったが、これが思いのほか難航した。大潮の引きに探し回るわけだが見つからない。捜索も空しく断念した。

2015-07-18 03:47:10
なベアダー @nabeada

朝から種子島の浜辺のたった一つの岩を探しあぐねて歩いたタフな中年四人も流石に腹が減った。ようやく降り出した雨の中港に戻り、とある定食屋に向った。種子島に行ったなら是が非でもこの食堂に行くべきだ。と島民が口をそろえて言う。そして行ったならば必ずチャンポンを喰えとの事だった。

2015-07-18 03:48:15
なベアダー @nabeada

何故か入るのを渋る佐世保オジサンを尻目に僕は横開きの戸を開いた。店内はテーブルが二つ、奥に広々と座敷が広がっている。出迎えた小柄な女将さんに四人と伝えると、好きな席へと促がされた。四人は座席へと上がった。 pic.twitter.com/mujYD51IM2

2015-07-18 03:48:48
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なベアダー @nabeada

趣きのある店内は昼時も相まって地元客でにぎわっていた。老若男女と人がひっきりなしに来店するが、どうも女将さん以外に従業員はいないようだった。我々は四人ともチャンポンと稲荷を二つ注文した。女将はなにかメモを取るふうもなく、短く了承するやそのまま厨房に消えて行った。

2015-07-18 03:49:29
なベアダー @nabeada

驚いた事にざっと30席以上ある店の切り盛りは普段から基本一人との事だった。女将さんは接客と調理とを同時にこなしているわけだった。快活な女性だと四人が四人とも舌を巻いた。

2015-07-18 03:49:57
なベアダー @nabeada

ふと店内を物色すると、どうやら見間違いでもなく、客の誰ひとりと例外なくチャンポン以外食べていない。新しく入って来る客も皆品書きなど見らずにチャンポンを注文する。常連風の翁から、OL風の女性までだ。それほどまでにこの店のチャンポンは愛され、そして島民の日常に浸み込んでいるようだった

2015-07-18 03:50:43
なベアダー @nabeada

食レポは食通の人に任すわけだが、素人舌なりに言わせてもらえば、今日まで既に日が立ってなお再び食べたいと思ったチャンポンにまさか種子島で出会うとは思わなかった。旨い。そして四人の知るチャンポンとは麺も具も少しずつ違う。本場の佐世保ノフも感嘆の吐息を吐いた。

2015-07-18 03:51:23
なベアダー @nabeada

四人のオジサンは明日もこの店で食事をする事を心に誓った。佐世保オジサンが感極まって女将に明日も来る旨を話して、我々は今だ客の入りの頻繁な食堂を後にした。 pic.twitter.com/uXpK6q2yp2

2015-07-18 03:51:51
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なベアダー @nabeada

満腹の満足感とは裏腹に外は大粒の雨が降っていた。四人は車に駆け込み、とにかく宇宙センターに向った。一刻も無駄にするわけにはいかない。宇宙センターには小一時間で到着できたものの、天候は回復せず、むしろ雷鳴まで鳴り響いて来た。その為宇宙センターの見学ツアーが中止になった。

2015-07-18 03:52:24
なベアダー @nabeada

玉井詩織が写真を撮影した場所のある程度の目星はつけれたが、やはり天候が芳しくなく撮影を断念。オジサンは四人は今一つ不燃焼気味に、潮風でべた付く身体を洗いに温泉へと向かった。歩き疲れた疲れを湯に洗い流して僕が風呂を出ると、佐世保オジサンがただならぬ様子でアタフタしていた。

2015-07-18 03:52:56
なベアダー @nabeada

なるほどいつの間にか雨が上がり、夕日が差し込んでいた。天気予報はことごとく外れ続けた。そしてこの誤報は、黄昏を待つ玉井詩織のいた浜で、夕日を撮影できる希望となった。

2015-07-18 03:54:26
なベアダー @nabeada

オジサン四人はこれまでのモノノフ活動の最中も幾度となく遭遇した、ももクロの持つ神がかり的な力を目の当たりにして来た。そして今日、玉井詩織の産まれた島で同じ偶然に遭遇した。高揚する四人のオジサンは午前中の浜辺へと急いだ。 pic.twitter.com/xtMJkAhXlL

2015-07-18 03:55:05
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なベアダー @nabeada

到着した浜には雲の隙間から夕日が差し込んでいた。僕と佐世保オジサンは思わず靴を脱ぎ棄てた。我々四人は時を忘れた。まるで自身らが子供の時分に戻った様な気さえした。 pic.twitter.com/8Le8CnWURs

2015-07-18 03:55:37
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なベアダー @nabeada

中年四人が十代の一人のタレントのために平日に四人種子島へ渡り浜辺で戯れる様は、まさに滑稽の一言だった。滑稽でいて、きっと誰もが羨むひと時だった。 pic.twitter.com/Z2KRJCjbg0

2015-07-18 03:56:45
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なベアダー @nabeada

「玉井詩織さーん!」 種子島の中心で愛を叫んだ佐世保オジサン。 もうすぐ彼の推しが成人を迎える。 pic.twitter.com/rfHGXDcnsN

2015-07-18 03:57:12
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なベアダー @nabeada

夕日も撮れ満悦の四人はホテルへと向かった。種子島で最も大きなホテルで、何でも屋上でのビアガーデンが売りらしく、四人はたまの贅沢として特上コースを予約していた。港の潮風が心地いい初夏の晩、赤提灯の下で贅沢三昧は最高だった。 pic.twitter.com/NBpDoNRxv8

2015-07-18 03:58:07
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なベアダー @nabeada

ホテルの厚意で出してもらったミナを四人で穿りながら、産まれも育ちも種子島だと言う恰幅の良いお兄さんに話を聞いた。昼食で行った定食屋は兄さんの行きつけでもあるらしかった。既に幾人となく島民と接してきたが、皆温厚で親切だ。

2015-07-18 03:58:39
なベアダー @nabeada

贅の限りの晩食を済ませ、四人は部屋に戻ると、それぞれ生誕に向けて、思い思いの推し事を始めた。僕は今朝種子島でもおいしいと噂のケーキ屋で購入したチーズケーキの飾りつけに没頭した。

2015-07-18 03:59:00
なベアダー @nabeada

その間も佐世保オジサンは常にそぞろしく狼狽えていた。この地に降り立った最大の目的がやがて達成されるのだ。彼はSNS用の文章を考えながら、これまでの推しとの、モノノフとしての思い出を反芻している様だった。

2015-07-18 03:59:31
なベアダー @nabeada

生きてりゃなんだってある。人に歴史ありだ。彼に比べ随分と若僧な僕の言えた事ではないが、モノノフだって人間なのだから、何かしら過去がある。その過去がほんの少し心を黒く蝕んでいる人が、モノノフには多いと言う事はなんとなくみんな知っている。

2015-07-18 04:00:09
なベアダー @nabeada

ノフの闇の深さなど見せる必要も知る必要もない。大切な事、それはそのほんの少し黒く穿たれた心の穴とでもいうべき隙間を、ももクロが埋めてくれた事。それにより救われた恩義に対する、感謝を返したいと言う気持ちが揺らぎない真実だと言う事。

2015-07-18 04:00:33
なベアダー @nabeada

生誕まで10分を過ぎた。種子島の夜は静かだった。佐世保オジサンの瞳から泪が落ちた。赤の他人の誕生日で彼の感性はその許容を越えたのだろう。三年の思い出が意識から溢れて行く。大切な他人を想い、その娘がめぐり合わせた様々思いの集大成が今日この日の『推し事』を成就させる。

2015-07-18 04:01:03