今どきの中学の理科は

教科書を読んでみてちょーびっくり
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It happens sometimes @ElementaryGard

図書館に中学の理科の教科書が置いてあるので、ときどき目を通しています。ひどいもんです。どうひどいかっていうと、先日論じたとおりです。どうして文部科学省はこんなカリキュラムにしてるのだろうと考え、自分なりに答えと思われるものにたどり着きました。

2015-07-19 21:37:55
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中一の本の冒頭を見てみましょう。 1疑問をもつ 2課題設定、情報収集 3仮説、観察・実験の計画 4観察・実験、結果 5考察、レポート、発表、討論 この無限ループが理科だそうです。 pic.twitter.com/uLd8xtLErr

2015-07-19 21:40:49
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>自然の事物や現象には、まだまだわたしたちの知らないことが数多くあります。それを解き明かすのが科学です。 その点は異論ないのですが

2015-07-19 21:44:08
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>これからの理科の学習で、あなたはいろいろな自然の事物や現象に気づいていくでしょう。そこであなたがいだく疑問のなかには、原罪の科学では説明がつかないものもあります。自分で観察・実験を行い、結果をもとに自分で考え、自分で答えを見つけていくこと、それが理科の学習では大切です。 ハ?

2015-07-19 21:44:53
It happens sometimes @ElementaryGard

科学と理科をごっちゃにしています。単純化すると理科とは、すでに謎が解けた科学的現象を子どもに習わせることです。それを「自分で考え、自分で答えを見つけていくこと」と強弁しているのです。

2015-07-19 21:46:35
It happens sometimes @ElementaryGard

検索すればすぐわかることを、どうしていちいち自分で考えなくてはいけないのか。

2015-07-19 21:47:15
It happens sometimes @ElementaryGard

>答えを見つけ出すのは、あなた自身です。 検索でもいいわけね。

2015-07-19 21:48:03
It happens sometimes @ElementaryGard

暗記ではなく自分の感性で掴んでいくものだ、というイデオロギーに貫かれています。しかしながら私たちはほとんどの事柄を、自分で考えるのではないひとに教わって身に着けてきたはずです。

2015-07-19 21:49:30
It happens sometimes @ElementaryGard

次に中二の化学を見てみましょう。

2015-07-19 21:50:03
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いきなり食べ物の話題をふってきます。カルメ焼き。いいですねー私も好きです。 pic.twitter.com/xEJAm2a0Rw

2015-07-19 21:53:40
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>カルメ焼きの材料とホットケーキの材料で主に共通しているのは、砂糖と重そうである。あなをつくるもとになっている物質は、どちらだろうか。話し合ってみよう。 何いきなり?唐突。 pic.twitter.com/2piKENXzqm

2015-07-19 21:54:22
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多少賢い子ならこういうツッコミをしたくなるでしょう。「砂糖か重そうかという問題設定がまずおかしくないか?この二つが化学反応して、元と違うものになるからこそ、穴ができるのかもしれないのだし」

2015-07-19 21:56:48
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そういう疑問を抱くのは、この教科書ワールドではいけないことらしくて、完全スルーのまま議論は進む。 pic.twitter.com/SybTedxvuy

2015-07-19 21:58:22
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>砂糖を煮詰めると、泡はできずに黒くこげる。カルメ焼きやホットケーキの中にあなができるのは、重そう(炭酸水素ナトリウム)が原因であると考えることができる。 どーゆー推理ですか。「くじが二つあってどちらかが当たり。ということは一つは外れだったからもうひとつが当たり」?

2015-07-19 22:01:56
It happens sometimes @ElementaryGard

化学とは、物質の変化についての学問ではなかったのですか。砂糖と重そうがいっしょになって何か違う物に変化するからこそ、あなができる可能性は最初から無視!

2015-07-19 22:03:12
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こうやって強引に「実験」に話をもっていくのです。 pic.twitter.com/es7MCFL82J

2015-07-19 22:04:24
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そして結果が出る、というか「さあ覚えましょう」とくる。 >炭酸水素ナトリウムとは別の物質に変化したことがわかる。これは、炭酸ナトリウムという物質である。 天下り式に「炭酸ナトリウム」が出てきて「さあ覚えましょう」攻撃。 pic.twitter.com/jSiY4YGu82

2015-07-19 22:07:27
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炭酸ナトリウムはガラス製造に欠かせない物質。ソーダの元でもあり、石鹸を作るときの原料のひとつでもあります。19世紀にヨーロッパで蒸気機関が発達して産業が工業化され、繊維産業が大躍進。織物を洗うために洗剤の大量生産が必要になって、この炭酸ナトリウムが着目されたのです。

2015-07-19 22:10:03
It happens sometimes @ElementaryGard

そういう歴史のうんちく話をしてあげれば生徒さんも多少は面白がってくれるところですが、この教科書では天下りで炭酸ナトリウムが出てきます。これを覚えてもらわないと後で(高校で)話が続かないから、カルメ焼きの話題でまず釣って強引に提示するわけです。

2015-07-19 22:11:40
It happens sometimes @ElementaryGard

その手口はまさに詰め込み教育。なのに「実験」とこじつけることで、文部科学省が称える理念「考える心」を育むものとすり替えられています。

2015-07-19 22:13:08
It happens sometimes @ElementaryGard

ひどいものでしょ。こんな代物で理科は教えられているのです。

2015-07-19 22:16:50
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重そう(ベーキングパウダー)が、カルメ焼きやホットケーキのなかのふっくら穴を作るもとになっていると話を持っていきながら、それではどうして穴ができるのかの謎解きをしていない。

2015-07-20 11:05:31
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重曹を熱すると二酸化炭素が発生する、ということはこれが穴を形作っているのではないか…そこまで教えてはじめてナンボだというのに、この教科書は途中で穴の話題が消えてしまう。 pic.twitter.com/WxVInASiMy

2015-07-20 11:07:23
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その後、唐突に酸化銀の話題に跳んでしまいます。 pic.twitter.com/DAecicOJ4t

2015-07-20 11:09:07
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そして「分解」「化学変化」が解説されるのですが、これも酷ではないかな。ベーキングパウダー(重曹)を熱すると水と二酸化炭素と炭酸ナトリウムに分解するとして、生徒にすれば炭酸ナトリウムなんて知らないんだから、謎に謎で答えられたのと同じ。 pic.twitter.com/JEqYDSeq2k

2015-07-20 11:13:04
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