7/18 美術解剖学会における久正人先生の講演内容まとめ
前もお知らせしましたが明日東京芸大で行われる美術解剖学会の一般講演でしゃべります。 geidai.ac.jp/soc/saa/event.… ディフォルメがテーマなのでジャバウォッキーの恐竜人間をデザインした時の話をしたいと思います。
2015-07-17 22:27:49まずはいつも通りご自身の作品紹介から入られる久先生、作品紹介のたびに照れたり口ごもったりされるのはいつもの通りですが、「内容は……マア各自で読んでください……上野駅にも本屋はあるということで(笑)お帰りの際には……」ときっちり宣伝してくださってました
2015-07-18 22:01:05◆久先生の作品一覧はこちらから。
◆ではここから、田村さんによるレポートです!
漫画表現において「ヒトの体をヒトに見えるようにえがく」ことが当たり前であり、実際の人体とはもちろん異なるものの、きちんとキャラがヒトに見えるための漫画家それぞれの試行錯誤がある、と久先生 そこで少々話が違ってくるのが「ヒトのシルエットだけどヒトではない」キャラクターの造形です
2015-07-18 22:06:21つまり先生の今回のご講演のテーマである漫画「ジャバウォッキー」に登場する、二足歩行に進化し、ヒトのように活躍する恐竜人間のことです 久先生曰く、ヒトの作った社会のシステムで生きている以上、いくつかのキャラクター造形の条件があったとのこと
2015-07-18 22:10:03◆こんな感じですね。
その条件とは ①ヒトのような生活をしていること タバコを吸ったり服をきていたり……恐竜が人間のように生活している!というビジュアルショックを生むためにも、人間の造形から大きく逸脱したデザインをしないこと。あくまでシルエットはヒトのように。
2015-07-18 22:15:49②顔はあくまで恐竜らしさを残しておくこと。できれば種を特定できるレベルで。 種を特定できるレベル、という、常人にはマネできない芸当に関しては、復元模型作家の徳川先生も時折太鼓判を押されているくらいです
2015-07-18 22:19:52③知性があるようにデザインすること なにせ作品内には人間のキャラクターよりも多く登場し主役級をはる恐竜人間たちですので、ファンタジーにちょっと登場するだけの敵モンスターではない造形をする必要があるわけです
2015-07-18 22:23:47恐竜人間というビジュアルのインパクトを生むため、首から下はなるべく完全に人間に近づける必要があった、と先生 しかし、そこで一番ネックだったのは文字通り"首ー頭"の繋がり方だったそう ヒトの首の骨は頭蓋骨に垂直に繋がっている 対して 肉食恐竜の首は頭蓋骨に水平に接続している
2015-07-18 22:43:57よくファンタジーで登場するリザードマンはこの特徴を解決せずにそのまま体につなげているため、大きく前傾姿勢になってしまう しかし主役級をはる「ジャバウォッキー」のキャラクター、ヒーローらしく美しくかっこよい姿勢にするためにも、そのままのデザインではいけない
2015-07-18 22:49:37◆リザードマン、こういうのですね。
人間らしくするには、喉が目の下あたりに来るのがちょうど良い しかし、肉食恐竜の首をヒトの様に繋ぐと、首の骨が顎の間を貫通/干渉してしまう。また、恐竜はヒトのような「後頭部」がないため、バランスが悪い
2015-07-18 22:55:54過去の様々な恐竜をモデルにしたキャラクターの中で、たとえばゴジラは首を非常に太くすることで、肉食恐竜の首の繋げ方のまま、あたかも垂直に接続してあるかのように見せる工夫がなされている、と先生
2015-07-18 23:00:33首の話からは少しはずれて、「知的に見える鳥類」がなぜ知的に見えるのかという話。先生曰く、嘴が細く、嘴の上の位置に段差があること、すなわち「おでこ」の部分があることが条件である、とのこと
2015-07-18 23:04:52さてサバタのデザインは周知の通りオヴィラプトルという恐竜が元になっている この恐竜はとさかがあるため、鼻のブロックに段差、つまり前述の「おでこ」があり、知性の他、まゆげにあたる部分にうまく影ができて、表情もつくりやすい google.co.jp/search?q=ovira…
2015-07-18 23:26:07