マイアミVSアサイラム 第三次合同演習inワールドツアー Part5

orphe @orphechin

▶PLAY #マイ鎮特別編

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「O say can you see, by the dawn's early light, what so proudly we hailed at the twilight's last gleaming...」 禿頭の生首を載せた瑞雲が米国歌を謳う。 #マイ鎮特別編

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そして中年男性強行改造型瑞雲、「ファーザーたかし号」は44マグナム装備、スミス・アンド・ウエッソンのM29によってその頭部を赤い飛沫に変える。 「ベストタイミングの射撃です、流石私！」 射線の元には、肩の筋肉をいからせた霧島の姿。 「怪我はもう大丈夫なのか」 #マイ鎮特別編

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マイアミ提督が話しかける。霧島は頭の包帯を擦りつつ、「正直まだ痛みますがね、じっとしてるより銃でもぶっ放してた方が傷の治りも早いと思いまして」そして得物を射撃レーンの机に置いてあるSG550へと切り替え、フルオートのタップなしで射撃する。瑞雲が今度こそ粉微塵になる。#マイ鎮特別編

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マガジンを放り投げ、霧島は葉巻を取り出し吹かす。「スイスってのは退屈な国だと思いましたがね、案外ストレス解消の道具は揃ってるようです。…ところで長門さんは？」「飼い主がつきっきりで看病してるが、まあ大事はないようだ。お前があれに取り憑いた悪い虫を潰してくれたからな」#マイ鎮特別編

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「自分で壊しといてなんですが、ありゃ何だったんでしょう」 「さあな」マイアミ提督もタバコをつける。 「メカニズムの基礎となってる技術は鳳翔の企業のそれを元にしていることまではわかった。だがそれ以上の事は不明だ。特にCPUまわり、あれは完全にブラックボックスだ」#マイ鎮特別編

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「解析にあたったエンジニアたちの話じゃ、構造自体が前代未聞、技術の進化系統からは全く外れた所に存在してるらしい。故に手のつけようがないってさ」 「wiredマガジンに出てくる5次元人みたいなオタク野郎が作ったんでしょうよ」 「実際、異星人かもな。あのガキは」 #マイ鎮特別編

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「艦娘はエイリアンとも戦わなきゃいけないんですか？戦うのは深海に艦娘ぐらいで十分ですよ。あとそれからナチ公、イタ公、ニガー、ロシア野郎にイギリス人にジャップにアラブ野郎にヒスパニックにチャイニーズに民主党員に銃規制論者に大麻解禁論者に同性愛者に」「要するに世界か」#マイ鎮特別編

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「平和を愛するアメリカ人として、あらゆる敵から家族を守らねばなりませんから」 「世界人類を血の海にぶちこみながらな。だが今は安め。他に戦う奴がいる」 「ってえと」 「第三試合だよ」 「ああ」 霧島は試合をしていたことをすっかり忘れていた様子。無理もないが。 #マイ鎮特別編

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「観戦だけだと退屈ですが、まあ已む無しですかね。ここはモンロー主義を採択したいところです」 「そうでもない。次の試合会場、お前の中のラムズフェルドやアーミテージは退屈しないはずだ」 霧島はわざとらしく口笛を吹き、マガジンを装填する。 「そこはどんなイラクなので？」 #マイ鎮特別編

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「メキシコだよ」 #マイ鎮特別編

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Heisenberg Song Breaking Bad(English Subs) youtu.be/BUmpTKXpIdM @YouTubeさんから

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「…えー、着陸を予定していたメキシコシティ国際空港ですが、複数の市民団体によるオートマティックロシアンルーレット大会が開催されているため、急遽シナロア州の空港へとルートを変更します。ご了承下さい」 「so cool」パイロットのナレーションを聴き、興奮する霧島。 #マイ鎮特別編

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「オートマティックでロシアンルーレットですよオートマティックでロシアンルーレット！メキシコの男ってのはテキサスの男並みに勇敢ですね」 「人命とフェリックスガムが等価の土地だからな」 「いやあこれは観光が楽しみです！」コロナビールを三本まとめて飲む霧島。 #マイ鎮特別編

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深海が現れる前からメキシコの人命は安かったが、大戦が開始されてからは海上封鎖による米大陸経済の深刻な大混乱によってなおさらデフレスパイラルが加速し、さらにその人命のスーパー玉出化現象を頂点に至らしめたのが…麻薬マネーによって導入された艦娘の存在だった。 #マイ鎮特別編

キタユキ @k_t_y_k

ながもんの頭を撫でると喜ぶ(犬)

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「かつて、高級車が世界でぶっちぎりで売れたのがメキシコだった。ギャングどもはハデで強くて金のかかるシロモノが大好きだからな。艦娘がこの世に現れた時、日本の次にメキシコが保有国となったのも当然だな。もっともそれは国の兵力としてじゃなく、個人の所有物として、だが」#マイ鎮特別編

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飛行機はクリアカン空港へと降り立つ。ここは世界で5指に入る麻薬カルテルが群れをなして時に戦い時に共闘する世界でもっとも危険な街の一つだ。 ここからマイアミ・アサイラムは試合会場であるメキシコシティーまで行く事になる。通行手段は小型核弾頭を搭載した装甲列車だ。#マイ鎮特別編

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豪邸とスラムがくっきりとしたコントラストを見せる町並みを眺めながら、マイアミ提督は霧島へのガイドを続ける。彼はその副業の関係上、この国をよく知っていた。列車を手配したのも彼だ。この列車は国の持ち物などではない。シナロアの大物が所有するプライベートトレインである。#マイ鎮特別編

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「ギャングどもは喜んで艦娘を買いあさった。そして頭のてっぺんからケツの穴までマチズモに染まった連中は、彼女たちを自慢の”所有物”として扱ったよ。体の半分にエンクレーヴ感覚でタトゥーを刻んだり、測儀器の代わりにダイヤモンドのティアラを埋め込んだりな」#マイ鎮特別編

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「裸の重巡に首輪をつけて町中を練り歩くとか、そういうバカみてえな行為が富のステータスみたいになってた時代もあったようだ」 「レリーフを刻むのはハントした深海棲艦だけにしてほしいもんですね」 列車の中に入りながら、霧島とマイアミは話を続ける。 #マイ鎮特別編

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重厚にして質実剛健な外見に反し、車内は予想以上に広く華やかであった。 首を引っこ抜かれるヲ級だの頭を叩き潰されて犬に五体を食われるほっぽだのがファンシーかつプリミティブな絵柄で天上に描きつけられ、貴金属と深海の遺骸で出来た調度品がそこかしこに並ぶ。#マイ鎮特別編

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「で、艦娘はシャンパンやベンツと違って武器になる。金をかければかけるだけ、ギャング共は力を増す。だからなおさら麻薬で稼いだ金をこぞって彼女たちに突っ込んだ。当然序盤は血の海だ。国はほとんど崩壊しかけた。だが、次第に戦争の上手い奴が生き残って、今の均衡に至ったのさ」#マイ鎮特別編

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マイアミ提督は窓際のイスに腰を下ろす。いつの間にか羽黒が彼の隣に座り、霧島は彼らの向かい側に座る。マイアミはテーブルの下についたタンブラーからスピリッツと３つのグラスを取り出し、酒を注ぐ。「この列車の持ち主もそのうちの1体だ。力があって、キレる奴だ」 #マイ鎮特別編

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「1体？」霧島が彼の言葉に首を傾げた時、「hola！」車両の奥から持ち主が現れた。ワニの皮で出来た手袋に髑髏に掘られたダイヤのブラスナックルを嵌め、金縁の眼鏡にもさらにダイヤをあしらい、鍛えあげられた腹筋にはAKを構え、羽根を生やした昭和の「あの男」のタトゥー。#マイ鎮特別編