マイアミVSアサイラム 第三次合同演習inワールドツアー Part5

???「お金を入れてね!」 三度開催されたマイアミ鎮守府とヨコスカアサイラムの合同演習 その模様を実況含めてお送りします。 続きを読む
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orphe @orphechin

@k_t_y_k @ta_castlepoint 全員が炎天下の空に切り身パック掲げてる

2015-07-19 13:09:02
orphe @orphechin

……それで?司令官さんはその、演劇部に入ったんですか? --そうだ。部員は男も女もいた。見た目は普通の部活だった。だが、中には明らかに普通じゃないのもいた。シェイクスピアを演じるよりラグビーだのボクシングでもやってるのが似合いそうな奴とかな。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:10:36
orphe @orphechin

それと、普通の奴らというのも本当は違うな。『彼女』に話しかけられると皆目が輝いてた。何か熱に浮かされたような、世界のスイッチが切り替わったような、そういうモードにはいっちまうんだ。 --怖くなかったんですか。 そうだな。その時はそうだった。だが逃げなかった。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:13:28
orphe @orphechin

俺も『彼女』に惹かれていた。その気持ちが怖さよりも先だった。後、あのデブが死んだ理由は明らかに『彼女』とその周囲にあった。それも少しは知りたかったからな。怖いのは、それまでの自分の世界を抜け出しもっと上の世界へ行こうとする事への恐れなんだ。その時はそう思った。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:16:08
orphe @orphechin

入部はあっさり受け入れられた。二週間は普通に演劇の練習だったよ。台本読み込んで端役の演技して、普通の部活だった。 普通じゃなくなったのはきっかり二週間後だ。 その日俺は部活が終わった後、一人で残れと言われた。暗くなりかけてる部室で、俺はじっと待ってた。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:18:51
水蝋樹譚 @ibota_moth

自分に釣り合わなさそうな女性、そこに追いつく努力...怖い展開だ。Orpheニキに限ってそんな展開は無いと信じたい。 #マイ鎮

2015-07-19 14:20:28
orphe @orphechin

待ってる間は非常に居心地が悪かった。俺もデブみたいに殺されるのか、とか思いながらな。あれはいじめの上の自殺だと誰もが言ってたが、どうしてもあの部員の目付きが頭から離れなかった。 そうしてるうちに、『彼女』は来た。たった一人で、箱を手元に抱えて。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:21:09
orphe @orphechin

--部活には慣れた? そう『彼女』は聞いた。 いえ、まだまだです。俺はそう答えた。同い年だが敬語が自然に出た。 彼女は笑って、 --ここの空気は苦手? と聞いた。 俺は黙った。自分はあの集団に違和感、もっと言えば嫌悪を抱いている。にも関わらず部活には来ている。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:26:35
orphe @orphechin

それが意味する所を、『彼女』は聞いて来た。 --私に興味がある? 息が詰まりそうだった。それを見て彼女は口に手をあてて笑った。 --なんてね。ほら、私も色々噂にされてるみたいだからちょっと聞いてみただけ。 そこでようやく息をつけた。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:30:12
orphe @orphechin

だけどな。 --で、どうなの、本当のところは? こちらの目を真っ直ぐに見ながらもう一度聞いて来た。ごまかせない、と思った。 --興味、あります。悪い意味じゃなくて、その、部長は何でも出来るすごい人だし、そういう意味で、興味が。 --ありがとね。 彼女は言った。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:33:02
orphe @orphechin

--ねえ※※※※さん、変な質問していいかしら。何故人は興味というものを持つと思う? 長い沈黙の後に答えた。 --自分にないものを、持ってるから。 --貴方にとって興味とは憧れと同義? --かもしれません。 --憧れとはすなわち欲求ね。貴方の、欲求は? #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:37:51
orphe @orphechin

その時、彼女が近づいて来た。心臓が激しく鳴っているのを感じた。それは興奮と、少しばかりの恐怖が原因だ。 --私の事が好きなの? 思わず、はい、と大きな声で答えた。 沈黙がやってきた。 その間ずっと、俺は終わった、と思った。 自分の間抜けぶりを心底呪った。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:41:20
orphe @orphechin

だが彼女は驚くでもなく嫌悪するでもなく、笑いもなく、至極平然とした表情のままだった。彼女は黙ったまま、手元の箱を俺に渡した。 その行為の意味もわからなかったし、何より『彼女』の指の先が俺の手のひらに触れて、俺はなおさら混乱した。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:44:03
orphe @orphechin

何ですか、これ。そう言おうとするより先に、『彼女』は言った。俺のすぐ目の前で。 --自分に無いものが欲しいと思う人は多い。でも多くの人はそれを手に入れようとする時、何も支払おうとしない。だから、死ぬまで手に入らない。 貴方は支払える人? #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:46:52
orphe @orphechin

『彼女』は続けた。 --今支払えるかどうかは、もちろんわからないわよね。私が今聞きたいのは、貴方に支払いの覚悟があるかどうかよ。 --待ってください、支払いって何ですか。意味が… --貴方の価値よ。貴方は私に対し、自分のどんな価値を提供してくれるの? #マイ鎮特別編

2015-07-19 14:56:20
orphe @orphechin

--私が貴方に自分の価値を与えるなら、私も貴方の価値を受けとりたい。それは当然の事だと思うんだけど…どう? 正論すぎて何も言えなかった。自分には勉強でも体力でも容姿でも、彼女に与えられるものがない、そこらの凡百なガキだった。『彼女』とは世界がまるで違ってた。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 15:00:33
orphe @orphechin

彼女は笑う。 --そんなに心配しないで。価値を作るための時間はたっぷりある。それまでは待つわ。そして、貴方が価値を作るためのやり方も教えてあげる。私が帰ったらその箱を開けてみて。そこにヒントがあるはずよ。 そう言って、彼女は俺に背を向け、教室から出ていった。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 15:06:22
orphe @orphechin

すでに真っ暗になった外を見ながら、俺は箱を開けた。ずいぶん長くて重たい箱だった。そこには最初に手紙があった。そして、続けて出てきたのは参考書のリスト。学校の勉強だけじゃない。トレーニングやスポーツの本のリストだ。それから入ってたのは……バットに、兎の、マスク。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 15:12:04
orphe @orphechin

手紙にはこう書いてあった。 "清掃ボランティア募集--駅近く22番通りの公園での清掃活動。一週間後開催予定。雨天決行、欠席はこれを認めず" 今さら支払いからは逃れられない、そう確信した。『彼女』の世界に入った以上は。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 15:18:12
orphe @orphechin

提督は空を見上げて息をついた。 「今日はここまで」 羽黒はむっとした表情で彼を見る。 「待ってください、まだ肝心な話は何も聞いてません」 「昔の糞惨めなティーン時代の話を秘書艦相手にしつづける俺の気分も考えろ。第三試合前に入院しちまう」 #マイ鎮特別編

2015-07-19 15:23:01
orphe @orphechin

「結局今は演習だ。俺がここで下らん話をし続けてたら、そのうち収容所連中は飽きてキリミランドで猫とシャケ相手に演習始めちまうぞ。お前もあっちの加賀と決着つけないままでいいのか。お前よりぐでたま相手にボール遊びしてる加賀が見たいのか」 「そんな事は…」 #マイ鎮特別編

2015-07-19 15:25:56
orphe @orphechin

「ヴィィィィーーーヨォォォォォーーー」 メキシコの青空に、スピーカーに乗って蒙古めいた低音の歌声が響き、マイアミ加賀の殺人ホーミーが演習一時間前であることを知らせる。 道端を歩いていた顔にタトゥーを入れた五航戦空母たちが耳から血を吹いて死ぬのが見える。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 15:29:06
orphe @orphechin

それと同時に町のあちこちで発砲音が鳴り響く。AKや大砲など、メキシコの民が自分の持ち物で思い思いに演習の開催を祝っているのだ。ついでに悲鳴も聞こえる。たぶん誤射であろう。祝い事で人が死ぬのはメキシコの伝統だ。ここではプリパラ一回の料金よりも人命が安い。 #マイ鎮特別編

2015-07-19 15:32:47
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