@pico_taka ㉞に着替えのシャツが何枚もかかっていることは知っていたが、勝手に開けるのをためらってしまう。 (これは、非常事態だから…良いよね…) 自分自身にそう言い訳をしながらロッカーを開け、アイロンのぴしりと聞いたシャツを1枚取り出した。 そして僕のロッカーを開くと、
2015-07-22 18:13:12@pico_taka ㉟中から1枚新しいタオルを取り出す。仮眠室に帰る途中、給湯室のお湯でタオルを湿らした。 仮眠室では、まだ虎徹さんは惰眠をむさぼっていた。僕がはだけたシャツはそのまま、アンダーも中途半端に下がったままで。 僕は手にしたタオルでそっと汚れた虎徹さんの顔や腹、
2015-07-22 18:13:38@pico_taka ㊱そして下生えと萎えているそれを優しく拭きあげた。 「虎徹さん、起きてください」 小さな声で呼びかけながら虎徹さんを揺する。ん、と声を漏らしながら、琥珀色の瞳が僕を見上げた。 「バニー…?」 ここがどこでなぜ僕が目の前にいるのか、そして自分がどんな格好なのか
2015-07-22 18:14:05@pico_taka ㊲一瞬ですべて思い当ったらしい。眠たげなその瞳は見開かれ、僕が手にしているタオルと、それから綺麗になった自分の下半身と脱がされたシャツを見て。 「…ごめん…誰か来たか?」 と申し訳なさそうに僕に尋ねた。僕や真新しいシャツを手渡しながら首を横に振る。
2015-07-22 18:15:08@pico_taka ㊳「いいえ、僕だけです。それにしても何やってるんですか…」 虎徹さんはきまり悪そうに視線を逸らすと、アンダーとトラウザーズを整え、新しいシャツに袖を通した。 それだけなのに、今迄のどこか淀んだ淫靡な雰囲気は霧散し、何時もの虎徹さんが顔を出す。
2015-07-22 18:16:01@pico_taka ㊴「わり、世話かけちまった」 そう言って笑う顔も、僕が良く知っている虎徹さんだった。 「珈琲でも飲みに行きますか?」 僕の問いかけに首を捻り。 「今日は午前休じゃなかったっけ」
2015-07-22 18:16:36@pico_taka ㊵と。ええ、そうですよ。でもここでまた仮眠を取ると、僕は貴方に手を出しそうになるから。 だから今は。 「コーヒー飲んで、家で寝直したほうが良くないですか?」 そう言って、虎徹さんを仮眠室から連れ出した。 おしまい!
2015-07-22 18:16:47