まえがき
本編

「な、なんだこれ!白くて粘々して……手が……」女の口から放たれたそれを反射的に受けとめた少女の手首に、手錠のように白い粘液が粘ついていた。「くすくす」口から涎のように白い粘液を垂らしながら、女は笑う。
2015-07-22 21:55:05
「だって、貴方。素敵なんですもの。だから私の眷属にしようかと思いまして」女の口から、さらに放たれる粘液。「……!」1発2発。少女は飛びのいて回避したが、その着地を狙って放たれた3発目を避けることは出来なかった。
2015-07-22 21:58:21
「な、なんだ!どうする気だ!」両手足を拘束された少女は、容易く女に押し倒される。「ですから、貴方は私の娘になるのです」自らの口から垂れた粘液を、手で弄びながら女は笑う。「この液体は貴方の細胞の中へと染みこみ、貴方を変える。そう、これは私の”精液”とでも言うべきでしょうか」
2015-07-22 22:02:58
「〜〜〜〜!」さらに叫ぼうとした少女の口を、女の口が塞ぐ。少女の喉は、ごぼ、ごぼとした音を響かせ、視界は暗転していった。
2015-07-22 22:04:24
暫くの後。「…………なんだ、ここは」その部屋に踏みこんだのは少女の仲間だ。暗い部屋の中は、天井、壁、ドア、そして床、カーテン、至るところに白い粘液が付着し、糸を引いていた。
2015-07-22 22:07:07
「……うぷ、生臭」もし彼女に知識があったなら、その匂いが精液のものであることに気付いたであろう。ただ異様なその粘液に触れないようにはした。
2015-07-22 22:08:25
ただそう気をつけていたのは、それを見付けるそれまでだった。部屋の中央に、一際大きな粘液の塊。その中に裸で横たわる、少女。「……!」救出対象を見つけた彼女は、急ぎそこに駆け寄る。
2015-07-22 22:11:07
少女の名前を叫びながら、白い粘液塊から助けおこそうと、その少女に触れたとき、かっと、少女の目が見開かれた。赤い光を共なって。
2015-07-22 22:12:30
「くす、くすくす」笑いながら、彼女は釣られた人形のような不自然な動きで、立ちあがる。白い粘液まみれの少女の瞳は、虚ろだが、ぼんやりと、目の前の仲間の名前を呟く。
2015-07-22 22:15:45
「あ、あああアアア!」びく、びくん。彼女の身体が震える。少女の未熟な身体が、成熟した女性のものに変わっていく。同時に少女の身体に付着していた粘液が、をぞうぞと蠢き少女を覆っていく。
2015-07-22 22:18:49
粘液は形を変える。それは少女が覚醒した時に纏う服と、寸分変わらぬ形。だが、色は白一色で、ところどころから粘液の雫が伸び、ぼたん、ぼたんと落ちていた。
2015-07-22 22:21:56
「ねえ、あなたも、いっしょに、なろ?」虚ろな目で呟いた少女が、既に敵に変わったと判断した彼女は、奥の歯を噛み締めながら、己れの武器であるロッドを横へと払った。
2015-07-22 22:24:26
少女はあっさりとそれを避ける。が、着地した気配はない。「くす。ここよ」その声は上からだった。少女は天井からぶらりと垂れさがっていた。白いブーツが粘液へと変わり、天井に張り付いてくすくすと笑う様は、どこか天井から垂れ下がる粘液に似ていた。
2015-07-22 22:27:34
「……!」天井の敵に追撃をしようと飛ぼうとした彼女。しかしそれは出来なかった。いつのまにか床に散らばっていた白い粘液が、彼女の足へと集まり、固定していたからだ。
2015-07-22 22:29:29
くすくすと笑いながら、敵が降りてくる。「いっしょに、なろ」抱きしめられ、密着する。白いスーツは布の触感ではなく、ぬるりとした粘液の感覚を伝えてくる。そして敵の口が、彼女の口を塞いだ。
2015-07-22 22:32:54あとがき

思いつくまま書いてたから、「しまった覚醒して起き上がったあと白い粘液に包まれてから成長のがえろかった」とか「最後の彼女を抱くとき、もっと人外じみて身体を文字どおり巻きつかせようか」とかそんなところに悩んだ。
2015-07-22 22:36:07
薙ぎ払ったときにまともにうけて、ちらばった粘液からずるうって出てくるとかも考えたけど、それをやれるようになるのはもう少し先の話とかなんかなーとか。ここはまだ人間じみてるほうがえろいかなーとか。
2015-07-22 22:39:24