保守派重鎮、岡崎久彦が韓国擁護だったワケ－日韓友好論の変遷－

織部ゆたか @iiduna_yutaka

岡崎久彦の「隣の国で考えたこと」は前にも少し読んだんだけど、あたらめて図書館で確認すると、あそこに書かれてる内容はほぼ今の「日韓友好論」にまんま転用されてる、いうなればルーツみたいなもん。問題はなんで保守派の重鎮だった岡崎氏があそこまで韓国擁護してたかなんだけども。

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岡崎氏が「隣の国で考えたこと」を執筆した当時の１９７０年代のアジア情勢は、ベトナム戦争の影響もあって、反米感情が非常に強くて、えらい左派が元気だった時期。当時の東南アジアなんかほとんど独裁国か、共産圏かのどちらかしかないし、そういう中で韓国と日本くらいが「米国陣営」だったわけね。

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そういう情勢だと、当然日本国内でも左派のが強いわけなんだけど（ちょうどまさにベ平連とかの全盛期）、そんな中で「金大中事件」が起きたもんだから、日本のメディアも世論も韓国政府（朴正煕政権）の批判を展開した。当時の韓国の印象って非常に悪かったからね。

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その頃、ちょうど岡崎氏は韓国に駐在してたもんだから、韓国政府のお偉方とも繋がりがあったし、韓国にはかなりの思い入れもあったはず。しかも、アメリカから見れば日本より、韓国を評価してた側面があったから（韓国はベトナム戦争に派兵してる）、このまま日本と韓国が喧嘩したらやばいと見た。

織部ゆたか @iiduna_yutaka

こういう中で韓国を擁護しようとして側面があの本には随所にあって 「日本と韓国はそもそもすごく近い民族」 「朝鮮から日本は多くのことを学んできた」 「戦前のことを考えれば日本は韓国をそんなに悪くいえない」 「韓国を振り回したのは日本の統治が原因だった」 という論を展開してる。

織部ゆたか @iiduna_yutaka

当時、日本の政界とか官僚は韓国に好意的だった、というのもこういう背景があるからなんだけど。ところが、韓国が民主化すると今度は韓国の情勢が変化してくる。どうなるかといえば「日本はもう左派運動熱が冷めてるんだけど、韓国では左派運動が急速に力をつける」という状況になってくのね。

織部ゆたか @iiduna_yutaka

こういう流れから「北朝鮮、韓国、中国、日本の左派」による「戦後補償運動」というのが起こる。この段階になると、今度は韓国と日本を繋ぎとめようとしてた岡崎氏の理論が「日本は自分たちが悪いと認めてるんだ！　だから謝罪と賠償をしろ」って形で左派側に転用されることになっちゃった。

織部ゆたか @iiduna_yutaka

ここで日本人向けに「韓国と仲良くした方が日本のためになるんだよ、大目に見ようじゃないか」だったものが、「だから韓国に謝罪すべきだ」の方向に持ってかれる。しかもさらに韓国国内の保守派も民主化運動の影響で、急速に衰退して、左派に煽られる国民世論を抑えきれなくなってく。

織部ゆたか @iiduna_yutaka

こういう形からやがて韓国では「南北首脳会談」。日本では「小泉政権の誕生」っていう大きな節目を迎えて、後々の嫌韓に繋がる流れが生まれていき、韓国では「国の方針」として行われていた「反日」が左派政権にさらに強化されることで、徹底した反日、侮日の兆候が強まることになったと。

織部ゆたか @iiduna_yutaka

大体、あれこれ見てると大きな流れとしてはそんなもんがある感じ。岡崎氏がいうように「日本と韓国はうつし鏡みたいなところがある」ってのはこの点だけ見てるとわかるところはあって、日本もああいう風になってた可能性はゼロではなかった。だけどそれを最後に抑えるかどうかは国民性なんだよなあ。

織部ゆたか @iiduna_yutaka

あの中で岡崎氏は「侮日」ってものをあえて触れず「日本も韓国もお互いが優れてると思い込んでるナショナリズムがある」という言葉にしてるんだけど、あれもまた今となっては左派さんたちに都合のいい言葉になっちゃった節はあんのね。韓国の場合「だから約束を守らなくていい」とか言い出すんだけど。

織部ゆたか @iiduna_yutaka

もしも、日本が７０年代に反米に傾いてソ連、中国、北朝鮮とくっ付いていたらクーデターくらいは起こってた可能性はあんだよね。すぐアメリカが介入したとは思うけど。あの時期、自民党の基盤がしっかりしてたのは今となっちゃ本当によかったと思う。