リレー小説っぽいsomething

公開してるが、実質未公開
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無心大志 @mushintaishi

@fudenarin きっと、ほんの少しだけ、どこかのボタンを掛け違ったのだろう。多分、きっと、そうだ。でなければ、なぜこんな状況になっているのか説明がつかない。 照り付ける太陽。全力で熱を返すアスファルト。そのアスファルトに倒れているのは、僕だった。 暑い。熱い。

2015-07-22 21:44:03
@fudenarin

@mushintaishi こういう時はまず情報の整理だろう 1:今日休みの僕は、一人で新宿のゲーセン巡りをしていた。 2:妙な人だかりが出来ていたので、つい野次馬をしてしまった。 3:先輩ヤクザが引き止めるのを無視して、後輩ヤクザと見られる大男が普通の歩速でこちらに……

2015-07-22 22:21:50
無心大志 @mushintaishi

@fudenarin ……なるほど。おそらくは巻き添えをくったのだろう。細かくは思い出せないが、きっとそうだ。 そうとわかれば、こんな暑いところに寝ていたって仕方がない。どうせ寝るならエアコンの効いた自宅のベッドにしよう。 そう考え、身体を起こすと……なんだか違和感があった。

2015-07-22 22:30:07
@fudenarin

@mushintaishi あれ?何故右拳がこんなにも痛い。 お。折れてるのかこれ!!?そう思える位の痛さだった。 拳は人差し指中指の拳側の付け根が赤くなっていて、まるで堅い物を殴った後みたいだ。 拳をじっと見ていると右から男の声がした。 「良い右ストレートだったぜにーちゃん!」

2015-07-22 22:38:15
無心大志 @mushintaishi

@fudenarin 「あ、さっきの先輩ヤクザ!」 しまった。つい声に出してしまった。 男の表情が強張る。 ……殺される‼︎ 「ハハハッ!面白いな、にーちゃん!徹を一撃で倒したその拳も、その口っぷりも気にいったわ!」 そういうと男は名刺を差し出してきた。

2015-07-22 22:54:52
@fudenarin

@mushintaishi そう言って渡してきた名刺には水上興業代表取締役 水上竜二 とあった。 絶対関わっちゃいけない系の人だこれ! 僕は表面的には冷静を装いつつ名刺を受取り、この場を離れる言い訳を考える。 「す、すいませんトイレに!何かあったらこちらからまた連絡しまーす!」

2015-07-23 16:46:27
@fudenarin

@mushintaishi 僕は走り出した、もしもヤクザが車で追ってきても人ゴミをかき分けて消えていける。 いっつも何故僕があいつの尻拭いをしなければならないのだ。力もトラブルも僕は求めてもいないのに……畜生 今回もあいつが僕を巻き込んだ、だが今回は意識まで持っていかれた。

2015-07-23 16:54:05
無心大志 @mushintaishi

@fudenarin あいつ……影(エイ)は、この僕、佐久間 光(ヒカル)の中に棲みついている謎の意識だ。 だからといって僕は多重人格というわけではない、はずだ。と願う。と思いたい。 影という名前も、呼び名がないと困るから便宜上つけた名だ。こいつが何者なのかは全く不明だ。

2015-07-23 18:44:45
@fudenarin

@mushintaishi そう今までは平気だった、どんなに怒りの感情が噴き出ても、憤りの増幅を感じたとしても 意識を失う事まではなかった。ただただこの原始的な感情で無限に溢れ出る力を感じる程度で済んでいた。 不良に絡まれた時もそう、ゲーセンの対戦ゲームでボコボコにされた時もそう

2015-07-23 19:03:47
@fudenarin

@mushintaishi 不良の手首が握っただけで骨折してしまったり、ゲーセンでボタンが筺体に押し込まれてしまったりと、 ちょっと馬鹿力が出易い程度だと思っていた。 だが今回は確実に違う、意識を怒りに誘導される程度では無いし相手を殴った記憶すら思い出せないのだ。

2015-07-23 19:04:52
無心大志 @mushintaishi

@fudenarin 「ここまでくれば…もう安心か。……おい、影。どういうことだ。説明しろよ」 バス停にあるベンチに腰を下ろし、ひとりごちた。 一駅分ほどは移動しただろうか。 炎天下を長く動いていたからか、喉が張り付くようだ。 ポケットの中には50円玉が二枚。微妙に足りない。

2015-07-23 22:19:56
@fudenarin

@mushintaishi 「畜生ッ!」心の中で叫んだ、今日は何故こんなにもイライラする。 そして、今日はとても酷い日だ何故こんな事に……こんな事したかったわけじゃないのに しかし影は残酷に事を告げる、後70円足りなくなったな。と 手には50円玉一つと折れた50円玉が残った。

2015-07-25 19:14:47
@fudenarin

@mushintaishi 影は言う「何故自分を否定する?」「自分が非力だと勘違いしてやしないか?」 当然他人には聞こえやしないがハッキリと分かる。 これは自分の脳が発した言葉では無い、はっきり言って僕は普通に非力な方で、 僕の勘違い所か影の方が勘違いしていると言えるからだ。

2015-07-25 19:16:35
無心大志 @mushintaishi

@fudenarin 「へー……堺くんにこんな特技があるなんてね。すっごい面白い!続きは⁉︎」 まさか憧れの森さんと話が出来る日が来るだなんて、思いもしなかった。しかも、僕の小説を読んでくれるなんて。 ああ、僕はきっと今日死ぬ。 死因は、幸福絶頂による鼻血の出過ぎによる失血死だ。

2015-07-26 04:53:45
無心大志 @mushintaishi

@fudenarin 「つ、続きはまだ書けてないんだ。学園祭には間に合わせたいとは思ってるんだけど……」 「そっか!じゃ、学園祭で読めるの楽しみにしてるね!」 「あ、う、うん。あ、そうだ、森さん、よ、よ、よ、よかったら「森ー!帰ろー!」 「あ、瞳だ。それじゃ堺くん、また明日!」

2015-07-26 05:03:19
@fudenarin

@mushintaishi 僕こと堺 章(さかいしょう)は今現在高校二年生だ 当然異性に興味があり、クラスメイトの森さんとこうして会話が出来る事が まるで夢のようだ。 何故こんな風に小説を読んで貰う事になったかというと、 きっかけは放課後教室に落ちていたノート

2015-07-26 10:50:55
@fudenarin

@mushintaishi 表紙に名前も書いておらず、そして可愛い系の落書きと演劇用の台本が書いてあった。 もしも、僕がこれを無闇にクラスメイトに見せて作者を探してしまったら 作者の人を傷つけるかもしれないと思い幼馴染の瞳に相談したら演劇部の森さんを特定できたのだ。

2015-07-26 10:51:34
@fudenarin

@mushintaishi 最初森さんは警戒していたみたいだけど僕が瞳の幼馴染で安心したんだと思う。 「中身見ちゃいました?」という森さんの問いに「すいません少し読んでしまいました」 という答えは正解だった。 「じゃ、じゃあ変な所ありませんでした?」と文章の話になり今に至る。

2015-07-26 10:52:35
無心大志 @mushintaishi

@fudenarin 森さんは台本を書き、僕は小説を書く。分野は違えど同じ物書きを趣味としているんだ。ならば、お付き合いだって出来ても不思議じゃない!ふひひひひ。森さん、あなたもいつか僕のものに! 「んなわけねーだろ」 頭の中に声が響く。小説は作り話。だが、影のモデルは実在する。

2015-07-26 12:20:21
無心大志 @mushintaishi

@fudenarin 僕の頭の中に住み着いたA(エイ)だ。 あれは4月のことだった。入学式に向かう僕を襲った交通事故。交差点で大型のトラックが左折する際に、自転車の僕を巻き込んだ。命には別状はなかったが、右足の骨折、そして頭の中にAが住み着いたという被害をうけたのだ。

2015-07-26 12:24:01
@fudenarin

@mushintaishi 少し補足すると、Aは僕の小説の影のように馬鹿力を出す事があるのは同じ。 だが、小説では謎の存在のこいつの正体を僕は既に知っている。こいつの正体は「鬼」 交通事故で意識を失い、寝ている間に住み着かせてしまったという事らしい。

2015-07-26 16:39:29
@fudenarin

@mushintaishi Aは僕の頭に血が昇ると常に暴れたがる、だからこそ僕は運動部を避け美術部にした。 だが、怒りの感情をこれだけ抑えていてもAが出ていく気配は無い。 物語形式で書いたのも、webサイトに投稿しておけば似た人が見つかるのでないかと期待しての事だった。

2015-07-26 16:42:32
無心大志 @mushintaishi

@fudenarin A曰く「骨折だけで済んだのもAのおかげ」らしい。真偽の程は定かではないが、大型トラックの下敷きになって怪我だけで済んだのは事実。そして、怪我の治りが異様に早かったのも事実だ。 僕以外にも似たような経験をしている人がいないか。 webサイトの返答は、まだない。

2015-07-26 16:51:57
無心大志 @mushintaishi

@fudenarin 返答のないwebサイトを閉じ、小説の続きを書こうとキーボードに両手を構える。が、アイデアが浮かばない。あの小説には何かが足りない気がする。森さんみたいな女の子と付き合えたら、きっとウキウキで筆も進むのだろうな。 ……ん⁉︎ そうだ!小説に森さんを出そう!

2015-07-26 16:56:39
@fudenarin

@mushintaishi いや、待て待て僕! 森さんみたいな娘と付き合う話を本人の森さんに見せるのか?! どんだけ変態なんだよそれ! 少し冷静になり、そして妙なテンションのまま責任転嫁をかます僕。 Aの奴とんでもない事思いつきやがるな、流石は鬼だ。 A「…我…関せず…」

2015-07-26 17:23:52