- kusohayararu
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1. 〜とある一室にて〜 彼は何かを書いていた、資料・書類とはまた別の…横一列文字の呂律が綴ってあると思えば下には自分のサインとして自分の名前が書いてある。
2015-08-04 19:13:292. そこは静かで、外の活気づいた声も行き届かねば内装も明かりを灯すランタンが1つ天井にぶら下がっていれば横長の机と4つ程の椅子。 そして前には何も書かれていない黒板が備えられているだけだ。
2015-08-04 19:13:313. 琢磨「ふう…、書き終わりました〜。」彼は小さな紙を持て余す事なく文字を書き終えたと思えば軽く背伸びをする。 「よし、これで今回の処分は終わりだ。特例中の行為とはいえよく始末書だけで済んだもんだ。」 部屋の隅で監視をしていた男はその紙に目を通せば呆れた表情を浮かべる。
2015-08-04 19:13:334. 提督以外の物が艦娘を所持する。 その異例の行為は瞬く間に港中や諸提督の耳へと届いて行った。 故に決断を上に任せずに独断で行った事に関してはお咎めなしでは済まされなかった。
2015-08-04 19:13:355. が、今回の件に関しては本人からの要望もあった為か懲戒処分ではなく始末書と言う形で纏まった。 それがなければ今頃は港にすら姿はないであろう。
2015-08-04 19:13:376. 琢磨「まあ…こんな事は二度と起こらないと思いますけどね。とはいえ肝に免じておきます。」 椅子から立ち上がれば謝罪なのか軽く頭を相手に向けて行う。 「ああ、そうである事を祈ってる。 俺が言えた立場ではないがしっかり面倒は見るんだぞ。」 釘を刺さんと男も返す。
2015-08-04 19:13:397. 琢磨「じゃ、自分はこれにて…」 部屋をそそくさと出ていけば扉の前でその様子を不思議そうに彼女は伺っていた。 響「隊長、これで大丈夫なのかい?」 不安なのか、それとも好奇心なのか単刀直入に質問をぶつける。
2015-08-04 19:13:418. 琢磨「今回は…ってとこかな」 薄暗い階段を登ろうとすれば小さな手を握りしめたまま返答をする。 響「…それなら良かった。」 安堵の表情を隠すかの様に顔を床に伏せる…が、手を握る強さは上がっていた。 彼女も内心は安心しているのが伺える。
2015-08-04 19:13:439. 琢磨「ああ、心配してくれてありがとうな。」 相手の様子を察すればお礼とばかりに頭を撫で回す。 響「……」 何も返さぬまま耳までもが林檎色に染まって行くのが見える。 琢磨「さて、仕事の続きだ」 薄暗い階段を上り終えれば陽の光と潮の香りに包まれる。
2015-08-04 19:13:4510. 響「そうだね…、まずはいつも通り資材の運搬かな?」 あれから数週間だけだが彼女はすっかり手順を覚えていた。 琢磨「そうだなぁ…午前の分の仕事も残ってるしな。」 相槌を打つ様に彼も頷く。 ??「おっ、琢磨さんじゃないか。」 と、そこへ1人の男が声を掛ける。
2015-08-04 19:13:4712. ザハ「すっかり響とのペアに関しては広がってるみたいだね、この辺りはその話題で持ち切りだ。」 片手で握り拳を作れば口元に添えるや否や軽く笑みを見せる。 琢磨「あんまし騒がれたくはないんですけどね…」 彼も照れくさそうにこめかみを片手で掻きつつも笑みを見せる。
2015-08-04 19:14:3113. ザハ「ウチもその知らせは来たけどその前に(▼Д▼)←彼から 連絡が届いてたからさ。」 琢磨「その場に居合わせてましたしどちらかと言えば決断を下したのもあの人みたいなものですからね」 ザハ「まあその話もしたいから後で飲まないか?」
2015-08-04 19:14:4214. 琢磨「ええ、夕方には仕事が終わりますので"いつもの"場所で」 ザハ「ああ、"いつもの"場所だな」 ほぼ同時のタイミングで頷けばザハ提督に背を向けて手を振りつつも仕事場へと戻る。 響「いつもの場所って…?」 琢磨「まあ行けば分かるさ。数名しか知らないとある場所に」
2015-08-04 19:14:4915. ~時は流れ夕刻~ 琢磨「おつかれさんー、また明日な 。」 「ああ!また明日」 数名の男に手を振りながらも別れを告げれば響も小さくお辞儀をする。 琢磨「そろそろ向かわないとな。」 響「そうだね…、でもどこに集まる場所はあるんだい?」 疑問は解けてないのか再び問いかける。
2015-08-04 19:14:5516. 琢磨「まあ見てのお楽しみな。」 響「…??」 言われるがままに着いていくと赤の暖簾にはBARの文字、中に入れば人は1人も居なかった。 琢磨「マスター、話してた通り今日も借りるよ。」 「ああ、暖簾は下げておくからゆっくり使ってくれ。」 響「ここって……」
2015-08-04 19:15:0017. 琢磨「見ての通り飲み屋…というかはBARかな」 響「でも…、BARと飲み屋なら和洋どちらなのか分からないんじゃないかな?」 思ったままの疑問を彼にぶつける。 琢磨「というのもここはワインや日本酒だって扱ってるからな、和洋折衷みたいなものだな」
2015-08-04 19:15:0718. 響「そうなんだ…、でも自分はまだお酒は飲めないよ?」 琢磨「なあに…普通の飲み物だって置いてあるから安心しな」 「あー…お二人さん、話に水を刺すようで悪いんだが到着の様だぞ?」 マスターの指さす方向にはどうやら2人の男が既に到着していた様だ。
2015-08-04 19:15:1219. リカルド「おう、今日も飲みに来たぞー…」 ザハ「いやいや、今日は2人と話に来たんだろ(ザハ´Д`)?」 既にリカルド提督は飲む気は満々なのか口調とは裏腹に陽気な様子でマスターと会釈をする。 それにツッコミを入れる様にザハ提督は言葉を返す。
2015-08-04 19:15:1720. リカルド「まあ聞きたい事って言っても1つだけだけどな…これは俺もザハさんも気になってたみたいだし。」 琢磨「とりあえず募る話は置いて…、こっちで飲みましょうか。」 2人を先導する様にあるけば奥の掘りごたつの部屋へと導く
2015-08-04 19:15:2321. 奥に彼と響、手前にザハ提督とリカルド提督を腰掛けさせればマスターがお通しにとウイスキーと日本酒を1つ丸ごとテーブルに乗せる。 そして響の前にはオレンジジュースを置けば愛想の良い笑顔で奥へと姿を消していった。
2015-08-04 19:15:3022. リカルド「相変わらずここは気前がいいねぇ、通いたいくらいさ。」 ザハ「そうそう、周りの気遣いも丁寧だしね。」 琢磨「ま、ここは年下の私がお酌をね…」 そう言って彼はリカルド提督のグラスにウイスキー、ザハ提督のグラスに日本酒を注げば最後に自分のグラスに日本酒を注ぐ。
2015-08-04 19:15:3523. 琢磨「それじゃ、再開を祝して…」 (*´磨`*)(▼Д▼)(ザハ´∀`)「かんぱーい!」 響「…かんぱーい」 彼女はこう言った雰囲気に慣れていないのか少し控えめの声で呟く。 それぞれのグラスを軽くぶつけて音を鳴らせば挨拶代わりにと全員でグラスの中を飲み干す。
2015-08-04 19:15:4024. リカルド「全く…こういう時にしか羽目を外して飲めないんだよ。 」 ザハ「大淀さんそういうのは厳しそうだしねぇ…、かくゆうウチも榛名が酔うと手が付けられなくてさ…お酒そんなに強くないのにねぇ(;´Д`)」 2人の話を酒のつまみにしつつも時はあっという間に流れていく。
2015-08-04 19:15:46