- suzumiya_bot
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息がアwアwとなりながらも、まあ落ち着けわたしの方がわんちゃんヒール履くとデカイしまあ恋になぞww恋なんてwwwもう二度としないwwwwwと元カレの黒歴史絵巻を固く巻き閉じてわたしは深呼吸しながら飲み会会場へ
2015-08-06 02:01:08女子大に通っており男性から手をどうこう言われることに馴れていないすずむし、一気に心拍数が上がり、そしてピアノをすでに褒められたような気さえして心中はヘドバン脳溢血状態に
2015-08-06 02:03:52そのあとはもう何をしゃべったのか覚えていない。とにかくしゃべり倒した。わたしは緊張するとしゃべり過ぎてしまうのだ。しゃべり過ぎた。
2015-08-06 02:05:16でも一つだけ覚えていたのは、食事中、みやりんがそれはそれは気持ちよくパクパク食べ、水色のハンカチでこまめに口元を拭いている姿だった
2015-08-06 02:06:31『第3話予告』 恋なんてもう二度としない……そう誓っていたはずのすずむし。しかしその翌日から吐き気が止まらなくなり、食べ物を受け付けなくなる。「あんなことで、絶対好きになんかならないんだから」。しかし運命の歯車はすでに動き始めていたーー。 次回、ついに2人の音楽が交わる!!!!
2015-08-06 02:10:37あの、この馴れ初め次回3話が時系列的には12/21になるんですけど、くっつくの5/6ですからスラムダンク並みの長期連載になる可能性が
2015-08-06 02:16:36その日は初めての合わせ練習だったが、大した譜読みもして来なかった。12月の下旬、フルートの小品の伴奏だ。原曲がオペラ曲ともあって、決して難解ではない。
2015-08-06 02:35:06いつも一緒にアンサンブルを組むおしとやかも案の定、約束の14時になるまで余裕しゃくしゃくに練習スタジオの外をほっつき歩いて、そしてもう1人のフルート奏者、「みやりん」を連れてスタジオに戻って来たのだった。
2015-08-06 02:35:44「着いた」とつっけんどんにLINEのメッセージを寄越してきたかと思うと、ほどなくして、およそ年頃の女性らしくない骨と皮のようなおしとやかが練習室のドアを開けて入って来る。
2015-08-06 02:36:14「ア、よろしく」。間延びした声に顔を上げると、その後ろから、ひょっこりと色白のみやりんが福々しい顔をのぞかせた。顔を合わせるのは二度目。演奏を聴くのは、その日が初めてだった。
2015-08-06 02:36:43結論から言えば、練習の間のことは正直、何も覚えていなかった。ただ、ピアノを弾く私の背中に向かってみやりんはフルートを吹いていて、私が一度も彼を振り返らなかったことだけは確かだった。
2015-08-06 02:37:20理由は自分でも分からない。帰りの電車の中、独りでやたら気まずくなりながら、私はふとiPhoneで練習を録音したのを思い出してイヤホンピースを耳にねじ込んだ。
2015-08-06 02:37:35安物のイヤホンが震えていた。自分の両耳で、イヤホンを介して聴いている感覚すらないほど、みやりんの音が自分の身体全体を包み込んでいた。もはや金属の冷たい楽器を介している音とも思われない。
2015-08-06 02:38:46豊かで、深くて、手を伸ばして触れたくなるほどの温もりに満ちたアリア。おおらかなビブラートの響きに、少しだけふくよかな本人の、おっとり笑う端正な顔を垣間見た気がして、電車の中でだらしなく上がりかけた頬の肉を慌てて手で隠す。熱い。
2015-08-06 02:39:01家に帰ってからも何度となく巻き戻して聴くうちに、ぼうっとして演奏し終えた後の雑音まで再生しっぱなしにしてしまっていた。だが音が消えて数秒したその瞬間、息が止まる。
2015-08-06 02:39:32ほっとしたような疲れ果てたような、掠れた溜め息は、私のものでもおしとやかのものでもなかった。とっさに、早く明日になれ、と思った。早く練習がしたい。1日でも早く、またあの優美な音楽に触れたかった。
2015-08-06 02:40:20