8/8 ミュージカル講座『2.5次元ミュージカル ── どこから来て、どこまで行くのか?』
結局、やっぱりターゲットはヲタ層なんだってことでもある。その子たちに届けるのはいいことだけど、最後にはそれが壁になるんじゃないかとも思った。2次元ものが原作なことや稚拙さが壁なんじゃなくて、そもそもターゲットにしてないことが壁。人気だけど、戦略と作品のどこかがものすごい内向き。
2015-08-08 19:46:29正統なミュージカルどころかミュージカルの一般的なクオリティもおさえない、ミュージカルという名前だけど飾りとしての歌とダンスで、演劇やミュージカルとしての普遍性への指向みたいなものをばっさり切り捨てる戦略は話として聞くともはや清々しくさえあって、(でも私も切り捨てられていて、)
2015-08-08 19:47:292.5次元ミュージカルが国内のヲタ層をある程度開拓した今の段階で、『デスノート』みたいに日本の非ヲタ層に通用する舞台を作る方向と、ネルケみたいに海外のヲタ層にターゲットを広げる方向と、ふたつでてきてるという現在の状況もとても納得がいった。
2015-08-08 19:48:50ただ、ネルケも変わっていくのかもしれないっていう可能性の手触りもあった。テニミュでは登場人物が成長していく架空の物語と俳優が成長していく現実の物語が重なるところがポイントといわれるけど、ネルケの2.5次元ミュージカル(の認識)が成長していくプロセスみたいなものが垣間見えたこと。
2015-08-08 19:49:43キャラクターに似せよう似せようとしたけどそこまで似せなくてもいい(違和感がない程度でいい)と気付いた、大事なのはいわゆる任があっているかだってこととか、かわいい顔の男の子を集めなくてもいい、物語で見せる漫画で作っていきたい、とか。イロモノからふつうの演劇に「成長」していくような。
2015-08-08 19:50:42今日の公開講座のサブタイトルは「どこから来て、どこまで行くのか?」になっていて、具体的にどこから来てどこへ行くのかの話はなかったんだけど笑、2.5次元ミュージカルが今どこかから来てどこかへ向かう途中なんだっていうのがよくわかってそれが面白かったな。いい公開講座だったと思う。
2015-08-08 19:52:43よくわからないけど、そういうふうにしてひとつのジャンルってできていくのかもね?今日の話のとおり日本のミュージカルが停滞していたのは事実で(たぶん私がミュージカルを見始めたときから停滞している)、こういうふうに新しいジャンルが生まれて動いている時代にいるってすごいことだ。ね。
2015-08-08 19:55:57劇作家協会の公開講座、あとはなんかこう、基本的にブロードウェイのミュージカルだと「それはミュージカルには向かない」「無理だ」を覆してきた人々と作品の話になるんだけど、今日の話だと「それってミュージカルに向いてる向いてる」って言葉が何度もでてきて、うん~日本~って感じもしました。
2015-08-08 20:06:13というかそれもまた、ブロードウェイから遠く離れたところで、ミュージカルの慣習を丸無視できる空間があったからこそ2.5次元ミュージカルが生まれ得たという証左なのでありましょう。「2.5次元ミュージカルっていってミュージカルじゃないのもあるんですけど」っていうくらいの無頓着さの国に。
2015-08-08 20:06:52@mayukof_bot 一連のツイート、すごく面白かったです。ありがとうございます!なんか、「ミュージカル」というものに含意できるものが多いんですかね…?私がこの前見た所謂「ミュージカル」と銘打たれたものも全然「ミュージカル」としての劇作法を備えていなかったですし…。
2015-08-08 20:08:41.@2Gsahoko これ、私最近悟りを開いて、日本でいう「ミュージカル」は欧米でいうジャンルとしてのミュージカルではなく「ミュージカル・シアター」のことなんだろうと思う。日本でいう「ミュージカル」はミュージカルとミュージカル以外の音楽劇の両方を指す。と考えるとしっくりくる。
2015-08-08 20:17:25藤原さんが呟いた劇作家協会主催の2.5次元ミュージカルの公開講座から考えたこと。業界の戦略としてとってきた(とらざるをえなかった)或いはとろうとしている道のり、プロダクションやマネジメント主導でコンテンツが先にあって観客の要請に応える、という点だけを拾い上げてみると→
2015-08-08 21:51:01→何だか驚くほど19世紀半ばにまだブロードウェイ・ミュージカルがブロードウェイ・ミュージカルと呼ばれずブロードウェイじゃなくてバワリー通りで上演されていた時代から20世紀に差し掛かるくらいまでのことと重なるよなぁ、と私は思いました。→
2015-08-08 21:52:59→今我々が「ミュージカル」と一括りにするジャンルからはこぼれ落ちる「ミュージカル・シアター」が上演されていた時代から、ミュージカルはここまで姿を変えるのだから、2.5次元ミュージカルも今まさにWait and seeなんだなということが窺えた。
2015-08-08 21:56:27なるほどなあ。私は今日の2.5次元ミュージカルの話でけっこう現在のブロードウェイと通底するところを感じていたんだ。具体的にはジュークボックス・ミュージカル。Mamma Mia!とかJersey Boysとかの。
2015-08-08 23:28:06ジュークボックス・ミュージカルも、普段演劇を観ない観客(お金のあるミドル・エイジの観光客)を劇場に呼ぶ戦略なんだよね。演劇を観ないターゲット層が見知ったものを舞台にのせる。そのためにふつうミュージカルで捨てないものを捨てる。この場合はその作品、物語のために音楽を書くこと。
2015-08-08 23:29:37それからジュークボックス・ミュージカルはスター不在・観客中心といわれてる。人気の音楽(2.5次元ミュージカルの原作にあたるもの)が人を呼ぶからスター俳優がいらない。むしろスターでは作品が取り上げるミュージシャン(キャラにあたるもの)に見えない。新顔を起用するとコストもかからない。
2015-08-08 23:30:55ジュークボックス・ミュージカルの特徴のひとつである作品内のミニ・コンサートでは、劇の構築よりも観客が盛り上がることに主眼がおかれる。つまりタイトな閉じたドラマであることより観客が盛り上がれる開いたエンターテイメントであるように作られる。このへんも2.5次元ミュージカルと似てる。
2015-08-08 23:32:01実際、今日の講座で2.5次元ミュージカルが孕む「着ぐるみを着ていない着ぐるみショウ」になる危険性の話が何度も出たけど、ジュークボックス・ミュージカルも物真似ショウに陥る危機は常にある。そして音楽の人気頼みの物真似ショウはやっぱり短期間の公演で赤字で終わっていく。
2015-08-08 23:33:31普段演劇を観ないターゲットに劇場に来てもらえるように彼らの見知ったものを舞台に乗せながら、見知ったものの物真似に陥らずに自立した劇として成立する舞台を作れるか。こうして書いてみると驚くほど同じ発想で制作されて、同じ課題を抱えているねえ。同時代的でもある。ブロードウェイと。
2015-08-08 23:36:35