ばん
@vande1021
夏休みの宿題をしに学院までやってきてその帰り。 急に雲行きが怪しくなり始めた。 「あんなに晴れていたのに……」 「未来、傘持ってきた?」 「ううん。今日は一日晴れの予報だったから」 1
2015-08-12 16:52:36
ばん
@vande1021
「ここまで来たら途中で降り始めても走って帰れるかな」 「えっ」 「よーい、ドン!」 「あっ、ずるい!待って!」 「どうせ汗かいたから服は洗うんだし」 「もう、小学生じゃないんだから」 「走れ走れーッ!」 2
2015-08-12 16:53:23
ばん
@vande1021
そのうちいよいよ雨が降り始めてしまう。 あたりの空は暗く、遠くの空は明るい。 雨の勢いは強く、二人は寮までの道を走った。 「うう、靴の中までびしゃびしゃ…」 「タオル取ってくるから響は待ってて」 「お風呂つけてくるよ」 「それなら靴下は脱いであがってね」 3
2015-08-12 16:54:38
ばん
@vande1021
脱衣所にて。 「ねえ、響。リボンが濡れてほどけにくいから手伝って」 「いやあ、やっぱり雨の中、走ったりするものじゃないね」 「分かってるのに……。でも子供の頃みたいで少しだけ楽しかった」 4
2015-08-12 16:56:04
ばん
@vande1021
「高校生なのにね。はい、リボンほどけたよ」 「ありがとう」 「(寮で暮らして、二人しか知らない出来事が毎日たくさん起きていく。三回しか来ない学院の夏休みにいつもと違う思い出が出来た。響はわざとやっているのか分からないけど)」 5
2015-08-12 16:56:29