[コトブキ探偵と黄昏町の怪物] 26日目~29日目 実況付き

26日目・怪物の謝罪 27日目・狐と銭湯 28日目・冷凍探偵
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コセン・ニンジャ @kosn_ninja

【コトブキ探偵と黄昏町の怪物 26日目】 #kstsgr

2015-08-11 22:46:05
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「肉が食べたい」いつものように町を歩いている時、俺はぽつりと呟いた。無性に肉汁したたる肉が食べたくなった。「師匠…もしかして僕の肉を!?」ミナセがわざとらしく怖がるフリをした。「そんなわけあるか。普通に鶏とか、豚とか、牛の肉だ。ああ、食べたいな」 #kstsgr

2015-08-11 22:59:28
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

血がしたたるくらい新鮮な肉を、そのままじっくり揚げたフライドチキンや、熱した鉄板の上で、お好みの焼き加減になるまで焼いた焼肉の味を思い出し、口に涎が溜まる。「肉か…怪物の肉なら、なんとか手に入りそうだけどね」ミナセが言った。怪物の肉で焼肉は、流石にぞっとしない。 #kstsgr

2015-08-11 23:00:55
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

そんな事を話していると、「助けて!」という叫び声が通りに響いた。俺は刀を抜いて構える。静寂が辺りを支配する。しばらくすると、Tシャツに短パンのいかにもやんちゃ坊主といった少年がこちらに走ってきた。「なんだ、ただの子供か」「……」俺は刀を収めた。 #kstsgr

2015-08-11 23:03:23
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

少年はこちらに走ってくると、「怖かったよ!」といって俺に抱きつこうとして…「はい、ストップ」ミナセが少年の首根っこを掴んで止めた。「え?」少年が素っ頓狂な声を出した。「ねえ、口をイー。ってしてみて」ミナセが油断のない目で言った。 #kstsgr

2015-08-11 23:05:08
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

[ハンドアウト]気が付くと、君は古びた銭湯の脱衣所にいる。大型の扇風機は、一度スイッチを切ると、もう動く事はなかった。《開始地点[町]shindanmaker.com/541547#黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541552 #kstsgr

2015-08-11 23:05:46
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

[町]「助けてぇっ」君の懐に小さな少年が飛び込んだ。「…なーんちゃって」首に鋭い痛みが走る。噛み付かれた!《力3以上で勝利【魂+1】、力2以下で死亡【魂-1/異形『牙(力+2)』を入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 #kstsgr

2015-08-11 23:06:56
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「…嫌だ」「黙れよ」ミナセの目が血のように赤く染まり、少年の首根っこを掴む手に力が入る。「僕がまだ優しいうちに従った方がいいよ。歯医者に見せる時みたいに、イー。ってするんだ。わかる?」「……」「わかるよね?」「わ、わかります」 #kstsgr

2015-08-11 23:08:59
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

少年が震えながら、イー。と歯を見せると、そこには剃刀みたいな牙がずらりと並んでいた。これで首を噛まれたら、肉ごと持っていかれるだろう。「この牙で何をしようとしたのかな?」ミナセが『優しく』言った。「えっと…」「何をしようとしたのかな?」ミナセが少年の目を覗き込む。 #kstsgr

2015-08-11 23:12:22
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「あの人の首を齧ろうとしました」少年は俺を見て言った。なんてこった。俺はこの少年に殺されかけたのだ。首根っこを掴むミナセの手に、更に力が入る。少年が苦しそうに呻いた。「おいミナセ。子供相手にやりすぎじゃ…」「師匠も不用心だと思うよ。こんな怪物に殺されかけるなんて」#kstsgr

2015-08-11 23:13:35
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

それを言われると言い返せない。ミナセは少年を見て言った。「それじゃ、正しく言おうね」「はい、あの人の魂を食べようとしました!ごめんなさい!許してください!お願いします!」ついに少年は泣き始めてしまった。だが、ミナセは首から手を離さない。#kstsgr

2015-08-11 23:15:53
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「助けるのは僕じゃないし、謝る相手も僕じゃないよね?それにあの人じゃなくて、コトブキさんだから」「はい!」少年は失禁寸前だ。「きちんと謝れるよね?」「はい!謝れます!」ミナセが少年の首から手を離した。 #kstsgr

2015-08-11 23:17:17
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

少年はゴホッ、ゴホッ、と何回か咳き込むと、俺の方を向いた。その顔は涙と鼻水でグチャグチャだ。がんばれ少年よ。俺も、今のミナセは怖い。「コトブキざん!魂をだべようどじで、ずみまぜんでした!」少年は深々と頭を下げて謝罪した。よく頑張った。 #kstsgr

2015-08-11 23:20:51
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「俺は大丈夫だし、もう許したから早く行け」これ以上は少年の心が死ぬ。トラウマになる。俺の言葉に喜んで、少年が駆け出そうとした時。ミナセがまた、その首を捕まえた。その目に油断と妥協は無い。「コトブキさんにお礼は?」「あ、ありがとうございます!」 #kstsgr

2015-08-11 23:23:37
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

ミナセがやや不満げながらに手を離すと、少年は一目散に逃げ出し、あっと言う間に通りの向こうへと消えていった。 「ミナセ、やっぱりやりすぎじゃないか?」「これ以上、師匠の魂が他の怪物に喰われると思うと、つい…」ミナセの目は、深い蒼色に戻っていた。 #kstsgr

2015-08-11 23:25:33
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「本当は、挽肉にして川にばら撒いてやりたかったんだけどね…」ミナセがボソリと言ったが、俺は何も聞かなかった事にした。 #kstsgr

2015-08-11 23:27:40
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

少年との一悶着からしばらくして、俺たちが通りを歩いていると、地面に屍体が落ちているのを発見した。全身の数カ所に、何かでえぐられた跡があり、杭のようなもので刺された跡もいくつかある。だが、基本的に全身は元の形を成していない。 #kstsgr

2015-08-11 23:31:21
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「…どう思う?ミナセ」ミナセは少し考えて言った。「何かすごい力に巻き込まれたような、そんな感じだね。それに死んでからまだ時間が経っていない…」ミナセがそこまで言った時だった。 #kstsgr

2015-08-11 23:33:44
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

__生暖かい風が吹いた気がした。 #kstsgr

2015-08-11 23:35:16
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

その後、前方から圧倒的な力の気配。さほど遠くない場所だ。どんどんこちらに近づいてくる。「ミナセ、後ろにいろ」「…わかった」気配が近づくにつれ、その力の主の姿が見えてくる。悠々と強者の余裕を見せながら、通りを歩く者は一人の少女であった。 #kstsgr

2015-08-11 23:35:59
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

[町]「君は人?怪物?」竜尾を揺らす女に隙はない「私は怪物」《力3以下は見逃され力9以上は勝利【魂+1】、その他は死亡【魂-1/異形『複口』『三ツ目(力+1、探索+2)』どちらか入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 #kstsgr

2015-08-11 23:37:04
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

黒いセーラー服に赤いネッカチーフ。まだ学生なのか、学生の振りなのか。「あら」少女はこちらを見て言った。「これは意外な収穫ね」俺を見て言ったのではない。後ろのミナセの事だ。「こいつがどうかしたのか?」 #kstsgr

2015-08-11 23:38:15
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「だって、可愛らしいじゃない。前の子より可愛いわ」少女が妖艶な笑みを浮かべて、口端を舐める。俺は理解した。こいつは嫌いなタイプだ。「やらんぞ。大事な相棒だ」「別に関係ないわ。だって…」メキメキメキ、と。少女は、先ほどから感じていた重圧感の正体を存分に見せてくれた。 #kstsgr

2015-08-11 23:39:40
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

長い竜の尾。それが少女の背中から生えている。次に姿を現したのは、額に付いた三つ目。以上だ。だが、それで全部ではないと直感が知らせてくれる。長い竜尾を所在無さげに振りながら、少女は言った。「欲しいものは力づくで奪うのが、この町のルールでしょ?」 #kstsgr

2015-08-11 23:41:55
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