[コトブキ探偵と黄昏町の怪物]　26日目～29日目　実況付き

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「まあ、な」確かにその通りだ。「それに、今までの子はみんなすぐに壊れちゃうんだもの。怪物の子なら少しは丈夫でしょ？」少女は物憂げに言った。それは、手篭めにした少女が死ぬのが悲しいというより、自分の所有物が壊れて悲しい。というような顔だ。反吐がでる。 ＃kstsgr

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「なるほど、確かに理にかなっている」俺は両腕に力を込めて、鬼の腕を顕現させる。こいつは強い。「さて、そろそろ始めま…」キン！キン！俺が、少女の顔に放った棘が竜尾に弾かれた。「何言ってるんだ？」少女との距離はおよそ10歩。力の差は互角。 ＃kstsgr

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「もう始まってるんだぜ？」俺はミナセを守らねばならない。刀を抜いて中段に構えた。 ＃kstsgr

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「早い男は嫌われるわよ」長い竜尾が、鞭めいてしなりながら襲いかかる。速い。「はッ！」咄嗟に、頑丈な鬼腕で受け止める。骨が軋む感触と、鱗に肉を持っていかれる感覚。「遅い」竜尾が急に跳ね上がると、今度は槍めいて鋭利な先端が頭上から襲いかかる！ ＃kstsgr

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「はっ！」横に飛んで避けると、俺の居た場所の地面に深々と竜尾が突き刺さった。なんという破壊力だ。「まだまだ」蛇のようにうねりながら、またしても槍めいた刺突。咄嗟に伏せて躱す。頭上を死が通過した。「が、残念ね」竜尾が振り下ろされた。 ＃kstsgr

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「グハァッ！？」 頭をハンマーで殴られたような衝撃が走る。口の中に血の味が満ちる。そんな…いきなり攻撃を変えてくるとは…「はい、おしまい」軽い口調で少女が言うと、竜尾の刺突が俺の腹を貫いた。次に、そのまま持ち上げられ、最後にしたたかに地面に叩きつけられた。 ＃kstsgr

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なるほど、あの屍体もこんな風にやられたのか。納得した。「さーて、子狐ちゃん。邪魔者は片付いたし、私と楽しい事をしましょ」少女が実に楽しげな口調で言った。だが、俺はまだ死んではいない。「ふーう…」立ち上がって、大きく息を吐く。少女が再び竜尾を伸ばす気配。 ＃kstsgr

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「なかなか丈夫ね」少女は驚いたような声で言った。「まあな。それよりも」血反吐を吐き捨てて、鬼の腕を引っ込める。これは必要ない。「俺は、お前の力を見誤っていたようだ」棘も必要ない。引っ込める。「お前は雑魚だ」必要なのは、この身に染み込んだ剣の技術だけだ。 ＃kstsgr

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「なんですって？」少女は先程と変わりない立ち位置で言った。だが、少し口調と気配が激しい。キレたようだ。「雑魚だよ。お前は雑魚だ」「死に損ないが！」竜尾の槍めいた刺突が襲いかかる。速いが…真っ直ぐだ。「せいッ！」鱗の向きと逆に、刀を沿わせて振るうと竜尾が切れ飛んだ。 ＃kstsgr

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「え？」少女が信じられぬ。と言うような目で切れ飛んだ竜尾を見た。今まで、一方的に敵を殺してきた自慢の異形だ。斬られるなんて考えもしないだろう。「真っ直ぐな攻撃だからこそ、鱗の隙間に刃を通しやすい。どうした、もう終わりか？」俺は少女に向かって歩き始めた。 ＃kstsgr

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「舐めるな！」三歩歩いた時、少女が棘を飛ばしてきた。慣れない動きで放たれた棘は俺に当たらず、後ろの電信柱に刺さった。また三歩歩く。今度は竜尾の切れ端が、鞭のように真っ直ぐ振り下ろされる。が、少し横に動いただけで躱し、竜尾を踏んで動きを止めた。 ＃kstsgr

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ビクビクと、竜尾がひくついて抵抗しようとする。無様だ。俺はまた三歩歩いて、少女の目の前に到着した。「お前は」正直に言う。「今まで怪物に殺されて手に入れた異形を、使いこなそうともせずに力任せに使って、自分は最強なんだ。と気取って慢心しているだけの、ただの小物だ」＃kstsgr

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「……」少女は怒りと絶望混じりの表情で、何も言わずに爪を構えた。「見るからに素人の構えだな。ろくに使ってもいないんだろう」「だまれェ！」少女が爪を振るう。ため息が出そうになる。「遅い」刀を振るう。少女の両手首が切断され、地面に落ちた。「あ……」「お次はなんだ？」 ＃kstsgr

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穴の空いた腹が痛んでムカムカする。「早くしろよ。こっちは暇じゃないんだ」「アアアアアアアアア！！！」少女が頭突きを繰り出した。その頭頂部には大きな口が。俺の不意を打ったつもりなのか。「が、残念」俺はその大きな口の中に刀を突っ込んで、かき混ぜてやる。 ＃kstsgr

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ぐちゃぐちゃという音と、濃厚な血の匂いが住宅地に漂う。「あ…あ…」「次はなんだ？」「無い…わ…」少女が体を震わせて言った。俺は首を掴んで、少女の濁った目を覗き込んだ。「そうか。なら、今から俺が言うことを復唱しろ」「そしたら…たすけてく」「駄目だ」少女は失禁した。 ＃kstsgr

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こほん。と咳払いを一つ。「それじゃ、言うぞ。『私は今までなぶり殺しにしてきた女子達に謝罪します。ごめんなさい』」「わたしは…今までなぶりごろしにしてきたじょしたちにしゃざい…します…ごめん…なさい」「もっとハッキリと！」刀をぐちゃぐちゃとかき回す。 ＃kstsgr

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「アアアアアア！ごめんなさい！ごめんなさい！」少女が暴れながら叫ぶ。「謝る相手が違うだろ？もう一回」「今まで欲望のままになぶりごろしにしてきた女の子達にしゃざいします！ごめんなさい！」少女が叫んだ瞬間、懐から何かが落ちた。 ＃kstsgr

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それは、ポラロイドカメラの写真だ。拾い上げると、教室で凄惨な拷問を受けている少女の写真だった。余計に胸糞悪くなる。「『私もすぐにそちらにいくので、よければ好きにして下さい』」「やだ…しにたく…」「復唱しろ」俺は少女の目を見て言った。 ＃kstsgr

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「わたしもすぐにそちらに…いくので…よければすきにして…ください…イイイイ！！」少女は俺の手を振り払って逃げ出した。が、三歩も歩かないうちに止まった。「俺が尻尾を踏んでるの忘れたか？」俺は右足で竜尾を踏みながら、少女に近づいた。「言い残すことは？」「た、たすけ…」＃kstsgr

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俺は少女を唐竹割りのように、真っ二つにした。 ＃kstsgr

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26日目 リザルト 【魂 14→16 力9 探索 3】 所持異形［棘、鬼腕、巨躯、獣皮（ミナセ）、獣足］ ロスト異形 【なし】 アイテム【（刀）】 （）内はフレーバー #kstsgr

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【コトブキ探偵と黄昏町の怪物 27日目】 ＃kstsgr

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[町]住人たちに追われ、逃げた先は行き止まり。君が背にした壁の上で傾いたのは2tトラックだ。《所持異形1つ以下なら保護【魂+1】、異形2つ以上で圧死【魂-2/異形『石肌(火耐性、力+1)』を入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 ＃kstsgr

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日付と時間をつけたいが、時計は止まっているしカレンダーも無い。過ぎた日にちを数えようにも、太陽は動かない。仕方ないから、眠くなったら寝て、起きてしばらく町を探索して、また眠くなってきたら1日過ぎた。という事にする。その法則で行くなら、今はだいたい27日目だ。 ＃kstsgr

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今日は、壁の上から2tトラックが降ってきた。ミナセを守りながら自警団と戦うために、逃げ込んだ路地裏の先が行き止まりで、そこに仕掛けられた罠にはまったのだ。幸い、俺が鬼腕でトラックを受け止めたわずかな時間でミナセは逃げだせたが、俺はミンチよりひどい事になった。 ＃kstsgr