- meltdownko
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@meltdownko ちょっと長くなるのと、これは私見であってプロの見方ではないのをご容赦ください。まず、抽象画がうまれたのは19世紀後半から20世紀なのですが、この時に何が起きたかを知る必要があります。
2015-08-16 21:58:38@meltdownko このとき何が起きたか?あの有名な印象派が誕生しました。では、印象派とは何かと言いますと、色彩をバラバラにしながら自由に配置するということでした。モネでもなんでもあのへんの絵を見ると、赤を点描するために、いろんな色を重ねているんです
2015-08-16 22:00:30@meltdownko これはちょうど前近代?だかに発見されたプリズムによる光のスペクトルとかがよく対比され、つまり近代の分析的なものの見方が持ち出されるんです。それなら、印象派の分析とは何かと言うと、もうおわかりのように色彩の分解なんですね。
2015-08-16 22:02:07@meltdownko 分析的なものの見方と言いましたが、あの当時のアーティストは絵画を分解してしまったわけです。その端緒についたのが印象派でありました。では、私たちが絵画を分解するとしたら、他にはどのように分解できるか?
2015-08-16 22:04:24@meltdownko 絵画は何で出来ているのか?色彩と線(面あるいは形すなわちフォルム)ですね。すべての絵画は色彩と線でてきています。ヨーロッパのアーティストたちは、一方で色彩を、他方で線(フォルム)へと絵画を分解したのです
2015-08-16 22:06:15@meltdownko 上述の通り、色彩を分解したのは印象派でした。線あるいはフォルムを分解したのは?かの有名なピカソですね。真正面からとらえるべき絵画の線とフォルムを多面的な視野に分解しました。ピカソはつまらない画家ですが、時代の流れには従っていたわけです
2015-08-16 22:08:31@meltdownko 色彩とフォルムそれぞれは極限まで分解されていきました。また、再び両者を統合しようとする人も現れました(アンリ・マティスのブルーヌードが最たる例、画像参照) pic.twitter.com/RGuZ7m0f9S
2015-08-16 22:11:31@meltdownko ちょっと話がズレますが、印象派impressionismの次に表現主義expressionismが出てきますね。印象派が絵画を主観的に色彩を分解したあとで、画家の主観に対する観者に対するインパクトだけを狙う潮流です(正確な説明にはなってないけど)
2015-08-16 22:15:14@meltdownko 話を抽象画に戻します。抽象画とは何かと言いますと、色彩と線が分解されて、具体を失った、具体から自律してしまった絵画と考えることができると思います。
2015-08-16 22:18:07@meltdownko 具体を失うとは何か?さっきの光のスペクトルを例にしましょう。私たちは白だか透明だか知りませんが、とにかく光を目にしています。この光は意識するしないに関わらず、標準的な光として人間には扱われています。
2015-08-16 22:20:26@meltdownko これを分解した時、私たちは光の三原色を見ることができますが、これら赤や青や緑の光を普通は見ることがありません。この三色あるいはその微妙な混ざり合いが抽象画と言えるのではないでしょうか。
2015-08-16 22:22:21@meltdownko もはや、私たちは同じように色彩とフォルムを分解するだけでは、同じことの繰り返しにしかなりません。そうすると、分解された色彩と分解されたフォルムを、どのようにバランスよく配置するかという試行錯誤の段階になります。
2015-08-16 22:25:47@meltdownko また話がズレるのですが、俳句における取り合わせの妙も似たようなことをしています。 柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺 味覚と柿の色彩と聴覚と時間がないまぜになっています。また、鐘が鳴るという言葉から現在時点での夕暮れまで想像します
2015-08-16 22:29:06@meltdownko さて、サイ・トゥオンブリーは何をしているか?まだ彼の作品を見ていないので、画像だけで判断するしかありませんが、まず目につくのは余白と線ですよね。つまり、色彩よりはフォルムを、同時に空白まで取り入れています pic.twitter.com/uGUQQg5C05
2015-08-16 22:32:22@meltdownko しかし、色の選択がよくないかと言えば、そんなこともないと思います。補色を並べて画面を煩く見せるようなこともしていません。微妙な色合いとしか言いようがない。 pic.twitter.com/ZKNp7bUDlF
2015-08-16 22:37:06@meltdownko 話が戻ります。ピカソが大したことないとは言いましたが、彼はフォルムよりは色彩を評価するべき画家だと個人的には考えています。そこがあのフォルム分解クソ野郎のダメなところですね
2015-08-16 22:39:57@meltdownko 私たちは分解してきた色彩、線を複合的に利用しつつ、新たに余白、時間、空間などを加味して新しい芸術を作り出しきてきました。総合的なデザインといってもいいのかもしれません。分析と総合と両者の統合を繰り返し、抽象画は存在していると言えるのではないでしょうか。
2015-08-16 22:43:38@meltdownko 観者は、その分析的な痕跡、総合的な痕跡を辿ることができるでしょうが、それはその人がどちらを得意とするかにも影響されます。現代美術は見る人次第、というのはそのような意味でもあると思います。
2015-08-16 22:45:40@meltdownko 長くなりましたが、ぶっちゃけると、現代美術は一瞬でわかるか、永久にわからない作品のどちらかに大別されると思います。たくさん見れば、もしかしたらいい作品にも出会えるかもしれません。映画のように。
2015-08-16 22:47:08@meltdownko *参考までに 印象派の分解された色彩が、これだとよくわかると思います。地面や植物に青まで使っています。色彩の分解とはこのこと。 pic.twitter.com/2tvGgrD7Jt
2015-08-16 22:49:59