国債価格・インフレ予想 - 池尾先生の発言まとめ

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池尾和人 @kazikeo

国債価格はストック価格(資産価格)の一種で、物価は財・サービスというフローの価格です。ストック価格は予想で決まるといっても過言ではなく、それゆえ予想が変われば、国債価格の暴落(長期金利の急騰)もあり得ます。他方、フローの価格は実際に超過需要が生じないと上昇しない。(続く)

2010-03-04 14:13:55
池尾和人 @kazikeo

インフレ予想が生じると、値上がりする前に買っておこうとか、売り惜しみとが生じるので、財・サービスに対する超過需要につながる効果がある。ただし、こうした効果だけでインフレの加速が生じるとは私は思わない。資産価格の話(国債の暴落)と財・サービス価格の動向とは慎重に区別すべき。

2010-03-04 14:14:41
池尾和人 @kazikeo

昔は、「冷凍の数の子」を投機の対象にしたこともあるけれども、いまは、そんな持ち越し費用のかかるものを手段にしなくても、先物を買っておけばいい。ただし、商品の場合には、実需というアンカーがあるから、期待の自己実現だけで上がっていくということは相対的に生じにくい。(続く)

2010-03-04 14:58:22
池尾和人 @kazikeo

例えば、原油の先物価格が上がって、それを基準にガソリン価格が上昇したとする。その結果、ガソリン需要が減少してしまえば、修正する力が働く。将来におけるガソリン価格の上昇をもたらす実需面の要因を先取りしたものでないと、インフレ予想の持続・加速はあり得ない。 @shishin51

2010-03-04 14:59:37
池尾和人 @kazikeo

貨幣需要というのは、もちろんストック概念で、その大きさは他の資産の期待収益率と逆相関する。国債などの金融資産との関連では、ケインズが論じたように、名目金利が著しく低くなると(あとは上がる可能性しかなく、その場合には国債は評価損を被るので)貨幣にシフトする。(続く)

2010-03-04 15:40:44
池尾和人 @kazikeo

実物資産との関連では、全般的なインフレ予想が生じて実物資産は持っているだけ儲かるということになれば、貨幣需要は縮小する。そのとき貨幣供給量が変わらなければ、あとは下がるしかないという期待が生まれるところまで実物資産価格のオーバーシューティングが起こるということかな?(続く)

2010-03-04 15:41:10
池尾和人 @kazikeo

他方、その実物資産価格は、その資産が生み出すキャッシュフローの現在価値合計に見合っていなければならない。ということで、ベンチマークとしての合理的期待均衡の状態をきっちりと考えるのは難しい。どう理解すればいいのかな?(一般物価は粘着的でジャンプできないとする)> @iwmtyss

2010-03-04 15:42:07