2015/08/03のモーリー・ロバートソン氏のツイート

モーリー・ロバートソン @gjmorley

ナチズムを振り返る時、決まってアドルフ・ヒトラーという「悪の天才」が…と論じられることが多い。あるいはヒトラーの「才能」に酔ったドイツ国民の衆愚が歴史上の永遠に記憶されるべき汚点とされる。しかし最近、ナチズムは凡庸な平和運動の中にこそ潜んでいるのではないかと考えるようになった。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

民主主義は透明で、時として無制限な議論に寛容であろうとする。どのような理想主義も排外主義も表現の場を「等しく」与えられれば、国民が考え、吟味し、切磋琢磨の末に最善で万人にとっての穏やかな最適解がはじき出されるものだという信念。しかし、同時に盲点があるようにも思える。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

民主主義であるからこそ国民はないものねだりや実現不可能な解決法、あるいはスケープゴートを見出した排外主義へと流れやすい。言論が規制されていなければ、なおさらだ。かつてはマスメディアが「もうひとつの権力」として衆愚の暴走を食い止めるべく、陰ながら努力を続けた。バットマンのように。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

エリートたる「知識人」の層がいて、政治・メディアの中に吹くさまざまな嵐、言うなれば「オナニー・コナニー」に揺さぶられずに超然と国の指針を示し続け、国民の尊敬を集めているなら、ポピュリズムにも歯止めが効くのかもしれない。しかしグローバリズムの水平化ベクトルはエリートを解体する。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

20世紀の「戦後」に比べ、明らかに状況は変わっている。政治もメディアも、そして大衆のムードも極めて流動化しており、それぞれのグループが、あるいは個々人が自身への疑いをもって検証する煩雑な手続きを経ずに「絶対的な善」を手にし、考えるよりも先に発信・あるいは受け売りできる時代。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

自由なのに、自由のもたらす重荷から逃避したい。こういった矛盾がミクロとマクロの両方で同時進行する時に現れるのが「次なるナチズム」ではないかと思った。動物愛護、弱者擁護、環境保全、伝統防衛、国家アイデンティティー防衛、平和維持、国境維持…どのアングルからでも発生しうる極端な思想。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

誰からも賛同を得られない結論が導き出されそうで、不安だ。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

【打ち直し】今やマスメディアはその存在自体が脅かされているため、24時間タブロイド体制に陥りやすい。「深夜帯は裸を見せて、報道ではきちんとやる」といった住み分けもきかず、権力やスポンサーにすり寄って国威発揚したり、逆にひたすら権力を叩いて「良い子の正義」の仮面を被ったりする。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

@58ystkm 純粋な正義の立場を取って、自分は責任を追うことなく「悪い人たち」を叩けますからね。その叩く相手が、決まって自分よりも金持ちだったり、有名だったり、いい思いをしている人だったりするのもいかにも想像力の半径が小さい。ただ、これは文化大革命でもアメリカでもありました。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

今、ツィッターやフェイスブックでとても気軽に「本当に許せない！」「日本が危ない！」「子供の命が！」「大きな力が！」と文字入力で檄文を発している人はけっこういる。とくに著名人の発言は単純な正義を語れば語るほど、無数のRTが広がる。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

では、RTや「いいね！」あるは賛同コメントの数が多ければ多いほど、その主張は「善」なのか？そもそも前提は正しいのか？騒ぎやにぎわいが加速度的に広がり、飛び込んでコメントする人数が増えれば増えた分だけ、ある種の「達成感」はある。「自分の声が世の中を動かしている」とすら思える。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

しかしジャーナリズムやプロパガンダの歴史をある程度丁寧に追っていくと、とんでもない勘違いや不正確な情報（つまりガセネタ）が拡散して大小の影響が出た事例はありあまる。中世の魔女狩り、19世紀以降のポグロム（ユダヤ人排斥）、現在アフリカ各地で発声する「アルビノ殺害」しかり。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

ソーシャルメディアを新しいと感じる点は、著名人が発信している時でさえ「匿名」に近いお気軽さがあることだ。ましてや匿名だがフォロワーの多いアカウント主、つまり「SNS内の有名人」の立場からすると、誤情報を拡散したり不寛容な見解を社会に浸透させた場合に対する責任感は希薄そのもの。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

ソーシャルメディアを使ってお気軽に参加できる集会・デモ・署名・ボイコットなどが日常的に広がっている。マスメディアの歴史にもかつてなかった速度を持ち、行き先も予測できない。おもしろいし、参加してわくわくするのもわかる。かつてワイマール時代のドイツ国民もさまざまな思想に心酔していた。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

「誰も責任を持たない言論の渦」が次から次へと台風シーズンのように生み出される。大衆がそれを願望しているので、ブレーキは効かない。凋落著しいマスメディアはこうしたネット言論の責任者不在・吟味不在な暴走を諌めるのではなく、むしろ日々の瞬間風速に飛び乗って煽動に加わっている。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

マイクロフォンが音声を拡大し、そのマイクロフォンを拡声装置であるスピーカーに繋いだ時に音量の制御が不可能になる現象をハウリングと呼ぶ。いずれフィードバックを巧みに操り、崇高な価値観を見せてくれる新たなジミヘンが登場するのかもしれない。もしくは衆愚のエントロピーに民主主義が沈む。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

さらに不評を覚悟で予言を発したい。現在、日常的に左派・右派に分かれてオピニオンを発信したり、行動を起こしている人々は、かなりの割合で数年以内に反対側へと「転向」する。なぜ、そう思うのか？それは根無し草である自分を顧みることなく、「やりまくる」快感におぼれているからだ。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

喩え話をする。現在は左派陣営にシンパシーを覚え、戦争法案に反対、歴史修正に反対、人種差別に反対、格差に反対、LGBTライツに賛同してツィッターでは虹のアイコン、原発反対、動物愛護に賛同という信念をお持ちの方がいたとする。その人が数年後に排外主義へと「転向」するシナリオを想像した。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

NHKより：:ミャンマーでサイクロン被害 避難１５万人余　NHKニュース nhk.jp/N4KX4GiW　☆グローバリズムの経済構造により、国と国の貧富の差や個人の自由の差、天然災害への耐久度の差がぐんぐんと開いている。今や貧困な国は支援を受けても回復できない。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

この越えられない格差は貧困な国、脆弱な国、紛争国の国民にとっては絶望を意味する。史上まれに見る数の難民がアフリカ・中東からEUに密航しようとするの根底がこの地球ワイドな格差だ。グローバルな資本主義もかつての先進国がエスタブリッシュした国際的な政治の仕組みも絶望を解決できない。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

被災国で経済も麻痺し、政治も独裁体制、あるいは辺境で紛争が起きている国々は地球の各地にある。EUが「もういっぱいだ」となり、日本を最終定住地、あるいは通過地点として難民・不法移民が目指すという状況は遠くない。北朝鮮が崩壊した場合も同様に大量の難民が日本を目指す可能性は十分ある。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

さて、人身売買組織なども関与した上で大勢の難民が偽装した漁船や貨物船で日本に上陸した場合、日本政府はどう対応するだろうか？おそらく現在のEU諸国が行っているようにフェンスで仕切られた「臨時難民キャンプ」のようなものを設置し、「ここから出ないでください」と言い渡す。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

臨時エリアに隔離されたはずの難民はフェンスを破って日本国内へと流出。国会では難民をどれぐらい受け入れるべきなのかで紛糾する。日本のメディアは問題を的確なバランスで報道するとは思えない。「模範生」の外国人タレントが流暢な日本語で「日本のルールを守れないのなら帰ってもらおう」と煽る。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

政府の対応も遅れ、難民を任された当局者は日夜身を切ってなんとかしようとするも、人員が足りない。次から次へと問題が起きる。「どこどこの国のやつらが集団で街から街へと移動しながら盗みを働いている」との流言飛語が飛び交う。このタイミングで、先の「左派シンパ」の人物は難民排除へと転向。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

はい、これ。ユーロトンネルのフランス側に難民が大量に押し寄せ、テント村が作られる。トンネルを歩いて渡ろうとする難民が絶えず、列車に追突されて死者続出。トンネルのイギリス側では難民を擁護するデモと反対のデモが衝突。もう始まっています。 twitter.com/FRANCE24/statu…

FRANCE 24 @FRANCE24

In pictures: Calais migrant crisis sparks rival protests in #Folkestone by @chebilink f24.my/1Iy1Evr pic.twitter.com/l0lZhLJuvf

2015-08-03 02:08:28