稲川淳二のつぶやき怪談　2015年8月17日投稿分

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「じゃあ帰りに、すいません、寄らせてください」 と言うと、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「はいはい、で、今どちら方面です？」 「今ですねえ、さっき話を聞いた例の西洋館のところへ来てるんですよ。 心霊スポット撮ろうと思って。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そうしたら、携帯がないのに気がついて」 「ああ、そうでしたか。で、じゃあ西洋館のあたりに？」 って聞かれて、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「そうですね。そうそう、前のほうにトンネルが見えてますね」 って言いながら目をやると、あれ？

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ちょうどトンネルから人が出てくるのが見えた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

だいぶ暗くなってるのに、 明かりを持ってない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

かすかな薄明かりで、それが女だってことはわかる。 あんなところから、なんだろうな。 どうしたんだろう？

稲川淳二 @Junji_Inagawa

女がひとりトンネルから出てくるなんて珍しいこともあるもんだな。 と見てて、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「ええ、それで今、そこにトンネルがあって」 って話していたら、向こうで、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「えっ？　それ、トンネルって、 それじゃあトンネルの近くの公衆電話ですか？」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「ええ、そこでかけてますよ」 するとご主人が、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「お客さん、それ、まずいや-----。 あのねえ、お客さんねえ、 心霊スポットっていうのはその電話ボックスなんですよ」 と言うんで、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「ええっーっ！」 これには驚いて、一瞬、言葉を失った。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「そこなんですよ、心霊スポットって！ トンネルの中で車にひき殺された女が、 その電話ボックスへ来て、電話をするって-----、 もう何人も見てるんですよ」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ちょっと待てよと-----。 今、確かにトンネルから女がひとりで出てくるのを見てる----。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ウソだろうと思ってひょいっ、とまわりを見たら-----、 「うわーっ！」 自分の左肩の辺り-----！ 公衆電話ボックスの、ガラスに！

稲川淳二 @Junji_Inagawa

血に染まった女の顔がべたんと張りついて、 こっちをじーっとにらんでた-----！

稲川淳二 @Junji_Inagawa

受話器持ったまんま腰が抜けちゃった----。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その後は何を見たのか聞いたのか、自分でもわからない。 我に返ると、心配した店の主人が助けに来てくれたそうですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「つぶやき怪談」いかがでしたか？ 怖・楽しい時間を、楽しんで頂けましたでしょうか？ 喜んで頂ければ、何よりです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

不定期なんですが、また「つぶやき怪談」やりますんで、よかったら遊びにきて下さいね。 皆さん、節電には気を配って下さい。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そして、何か、自分が出来ることを、試してみて下さいね。 体調にはくれぐれも気を付けてくださいね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

私の情報は、ＨＰで公開してますので、よかったらこちらで確認してみて下さいね。 j-inagawa.com もっと怖い噺が見たい方は、こちらから、 mag2.com/m/P0007994.html

稲川淳二 @Junji_Inagawa

今日は、何もなかったですか？

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それじゃまた。