公開シンポジウム「終戦から70年 ドラマ『カーネーション』に見る私たちの過去・現在そして未来〜脚本家・渡辺あや氏をお迎えして」の感想まとめ

2015年8月27日立教大学にて行なわれた脚本家・渡辺あやさんの講演会に参加された皆さんのレポと感想をまとめさせてもらいました。素晴らしいレポばかりです!まとめに問題があればご一報ください。
14
きぬ @sak165

立教の渡辺あやさん講演会、大学夏休み中にも関わらず、収容人数500人の大教室にいっぱいの人。糸子が舌打ちするたびに皆さん笑w

2015-08-27 22:48:15
nao @kikikinao

立教大学公開シンポジウム、全体はTwitlongerにまとめるが、一部を。1)どう戦争を書いたのか。「亡くしたその人のことを知らないと、悲しいものとして感じられない。戦争で死んでしまう人のことを、身近な人物として知ってもらえる、その人が死ぬということが体験として積み上げられる。」

2015-08-27 23:03:05
nao @kikikinao

2)「お昼にしようけ」について。「私たちが過去をふりかえった時、過去はぺったんこなのだと思った。戦争に対して、抵抗感がなかった人たちが、もう二度と繰り返してはいけないと口を揃えて言う、そう思うに至ったプロセスが生々しくちゃんと伝わることが大切だと思った。」

2015-08-27 23:04:02
nao @kikikinao

3)(続き)自分にとって好きだった人がいなくなっていくことがどれだけ辛いか。そんな中で「終わりました」と言われたらあんな感じかと思った。

2015-08-27 23:04:59
nao @kikikinao

4)最後の奈津の場面を描きたかったとおっしゃっていた。「後頭部の、おじいちゃんかおばあちゃんか分からない、私たちが見慣れたあの後頭部、その頭の中に、一人残らず戦争の時期が入っている、と思ったら、ぺったんこだと思っていた過去をちゃんと描かないと、と思った。」

2015-08-27 23:05:12
nao @kikikinao

5)物語を都合よく動かさない、ということについて。「登場人物に「こう動いてほしい」と思わないようにしている。登場人物の尊厳というか、反省したくない人はしないから、そちらの方を大事にする。

2015-08-27 23:05:45
nao @kikikinao

6)勘助の最初の出征、安岡家のご主人も、実は勝ち続ける戦争の中で死んでいたが、そのあたりについて。「安岡のおばさんは、ドキュメンタリーか何かを見て、日本軍が何をしたかを見てしまった。それを報道するのは悪いことではないが、それに傷ついた人もいたはず。それも描きたかった。」

2015-08-27 23:06:14
nao @kikikinao

7)洋服は人に誇りと品格を与える、平和の象徴でもあるが。「本当に辛いときは好きな服も着ていられない。好きなものを着ていられるように、自分を管理していくことが普段の生活でも大切だと思っている。」

2015-08-27 23:06:35
nao @kikikinao

8)『カーネーション』はミャンマーでも放送された。一昔前は、日本のドラマというと『おしん』だったが。「単純に、それだけ豊かになったのだということだと思う。人生にどんな意義を求めるかが反映される。」

2015-08-27 23:07:12
nao @kikikinao

9)デモをする若者が「言葉を持っている」とおっしゃっていたが。「私たちの世代は、納得がいかないことを表現するヴォイスを持っていない。言いたいことを伝えるスキルを学んでこなかった。若者がそれをやすやすと乗り越えて伝えられることがすばらしい。」

2015-08-27 23:07:21
nao @kikikinao

10)娘が小さい頃、いとこが花火に連れて行ってくれた。それが原爆の日の辺りで、帰りのタクシーの中でラジオがずっと原爆の話をしていていやだったと言った。いとことその友人は、同じラジオを耳にしていたはずなのに、その話を聞いていなかった。私もそこに乗っていたら聞いていなかったと思う。

2015-08-27 23:08:28
nao @kikikinao

11)(続き)「平和教育をしっかり受けたことに安心していて、戦争の話を風物詩としてしか受け取っていないと思わされた。これが繰り返されたら、伝わらなくなる、という危機感を覚えた。」

2015-08-27 23:09:03
nao @kikikinao

12)講演はあまり受けない、脚本以外の文章は書かない、と聞くが。「自分の考えは、汚いままで置いておかないと伝わらないのではないかという気がして。きれいな言葉にして、人前に出せるものにしてしまうと、脚本としては伝わらない。

2015-08-27 23:10:09
nao @kikikinao

13)聴衆からの質問1)なぜ脚本家になったか。「直接のきっかけは、子どもを二歳まで育てて、狭い世界の中にいたことがあまりにもつまらなくて、頭の中で話を作り始めたこと。セリフだけを書いていたら脚本らしきものができた。」

2015-08-27 23:10:26
nao @kikikinao

14)質問2)東日本大震災のあとの放送だが、戦争を書くことに影響はあったか?「あったと思うが、なるべく「ない」と思って書こうとした。その方が見てもらった時に力になると思った。普遍的なものを書こうとしているので、そこから伝われば、と思った。」

2015-08-27 23:11:10
nao @kikikinao

15)質問3)ドラマを書いたあとの変化は?「あまりない。書き終えたら忘れたい。放送も見なかった。今回、シーンを選ぶにあたって総集編を久々に見た。尾野真千子、すごいなあと思った。『火の魚』の幸薄いイメージがあったのだが、本人がそういう人ではなかった。

2015-08-27 23:11:33
nao @kikikinao

16)(続き)(尾野さんが)『火の魚』の打ち上げで、山にいるオスザルの真似をした時に、ドスを利かせてしゃべったので、その時に「この子は極妻もできるな」と思った。とにかく、「このこは何でもできるんだな、書いたことをそれ以上に見せてくれる」と思った。

2015-08-27 23:11:56
nao @kikikinao

17)ドラマを見ながら「とんでもないものを目撃している」と思っていた。「作り手としては失敗しているところも反省もあるが、尾野真千子がすごいのは、現場という場を守り抜いたこと。場の中心にいる彼女が要だったので。」

2015-08-27 23:12:21
nao @kikikinao

18)質問4)スタッフの言葉に、「渡辺さんは作中の人物に自分を投影しない」とあるが、では自分はどこにいるのか?「自分が好きになれる人物を描く。一瞬浮かび上がる尊いものを書きたい。」

2015-08-27 23:12:40
nao @kikikinao

19)質問5)『カーネーション』の好きなセリフは?(長先生:私は「宝抱えて生きていく」とか、あと「ヘタレ」も好き。)「尾野真千子が退場するところなので、何度も書き直して、自分でこれでいいのか分からなかった。」

2015-08-27 23:13:00
nao @kikikinao

20)最後に流す映像について。「これ(渡辺さん自身が選んだ回)が今の私たちに一番つながっていると思う。小さい女の子が出てきて、今75歳くらいになっているが、この方が見てこられた景色は、自分が見た景色とは全然違うと思う。

2015-08-27 23:13:38
nao @kikikinao

21)(続き)これだけの大きな出来事が、今の私たちにつながっているのではないかと考えながら書いた。この回を書いた時に、現在の闇や歪みの正体が少しわかるような気がした。

2015-08-27 23:14:00
nao @kikikinao

22)死をどうとらえられているのか?「死は怖い、重い石として心の中にあるが、本当に重いものなのかどうか、それも考え方だと思うようになった。」決めたもん勝ちや、というセリフがあるが?「本当に、思ったもん勝ち」。

2015-08-27 23:14:13
nao @kikikinao

23)今後について「平和国家であることを謳歌する。胡座をかくのではなく、だからこそできること、思えること、受けられる恩恵を大切にしていきたいと思う。すばらしい映画やドラマは、そのテーマを謳歌している。できる限りのことをそこでしつくしていれば、陰惨な話でも豊かなものが伝わってくる。

2015-08-27 23:15:48
nao @kikikinao

24)今日のテーマはこちらからもいくつか提案したが、「過去、現在、そして未来」という、「未来」を含んだものを選んで下さったのは渡辺さん。「終わったあとで語ることは好ましくないと思うので、ここで失礼させていただきます。」上映:第79回、戦争孤児の回。(以上)

2015-08-27 23:17:02