法律家・高嶌先生による“「都営・霞ヶ丘アパート」立ち退きを迫られた住民、国に要望書を提出”への解釈
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【新国立競技場の余波・・・「都営・霞ヶ丘アパート」立ち退きを迫られた住民、国に要望書を提出】bengo4.com/fudosan/1110/1…(弁護士ドットコム)
2015-09-02 00:31:57都営住宅の利用関係にも借地借家法の適用があるとするのが最高裁の判例です。 そして、借地借家法28条によれば、貸主からの立ち退き請求が認められるには「正当の事由」が必要です。@1691S @iwakamiyasumi
2015-09-02 00:38:23先の記事にあったように、「東京都から一方的な移転通知と移転先の説明があっただけ」では、とても正当な事由に該当するとは評価できません。@1691S @iwakamiyasumi
2015-09-02 00:42:11また、貸主が自分で使う必要性があるというだけでは、正当な事由に当たらないとする判例もあります。
2015-09-02 00:46:07これらの法律及び判例からすれば、正当な事由に当たるとの根拠を示さずに一方的に立ち退きを請求する東京都の行為は、とても適切とは評価できません。
2015-09-02 00:48:51最高裁昭和59年12月13日判決:東京都が、都営住宅の使用者に対し、割増賃料の不払い及び無断増築は公営住宅法及び都営住宅条例の定める明渡し事由に当たるとして当該住宅の明渡を求めたところ認容されたため、当該使用者が最高裁に上告した事案。
2015-09-02 00:57:31本判決は,公営住宅の使用関係については、公営住宅法及びこれに基づく条例に特別の定めがない限り、原則として一般法である民法及び借家法の適用があるとしています。
2015-09-02 00:58:07なお公営住宅法には、「公営住宅建替事業の施行に伴い、現に存する公営住宅を除却するため必要があると認めるとき」には、入居者に期限を定めて明渡しを請求できるとの規定がありますが(同法38条)、今回の事案は建替事業とは関係しませんので、この規定の適用もないはずです。
2015-09-02 01:06:25なぜなら、公営住宅法35条は、「地方公共団体は、公営住宅の整備を促進し、又は公営住宅の居住環境を整備するため必要があるとき」に、公営住宅建替事業を施行するように努めなければならない、と規定しており、オリンピック会場の建設は、そもそもこの目的に該当しないからです。
2015-09-02 01:14:34公営住宅の利用関係には公営住宅法以外にもいくつかの法令が適用されますので、私が何らかの特別規定を見落としているのかもしれませんが、仮にそのような特則があるとしても、生活の場である住居から一方的に理由も示さず立ち退かせることができるというのは、常識から考えてもおかしいでしょう。
2015-09-02 01:17:49いずれにせよ、東京都は、立ち退き請求を正当化する理由(借地借家法における「正当な事由」)が仮にあるとすれば、その事情を住民に説明するのが適切ですし、また、一方的な立ち退きを認める特別規定が仮にあるならば、当該根拠規定をきちんと示して説明すべきでしょう。
2015-09-02 01:23:17もちろん、仮に古い住宅だった場合には、耐震性の問題などがありますが、その場合でもやはり住民への説明はすべきでしょう。
2015-09-02 01:36:22建替事業の場合ですら、公営住宅法41条において、「事業主体は、公営住宅建替事業の施行に関し、説明会を開催する等の措置を講ずることにより、当該事業により除却すべき公営住宅の入居者の協力が得られるように努めなければならない。」とされています。
2015-09-02 01:37:03今回、東京都によって、このような住民への説明会などの措置がまったくとられていないことは、明らかに不自然です。
2015-09-02 01:41:06本来、公営住宅の利用関係は、通常の賃貸借契約よりも適切なものでなければならないはずですが、今回のケースではこれがまったく逆転しています。 国家事業だからという理由で特別扱いされたのでなければ良いのですが。
2015-09-02 01:46:11