昨日発生していたサイトログインできない不具合は修正されております(詳細はこちら)

艦これ✕鋼鉄の咆哮 最終章『限り無き蜃気楼』

シリーズ最終章。
4
前へ 1 ・・ 9 10
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

と言っても、現在明石はメンテナンスのため機関部に篭もりきり。超兵器の技術を応用した船体を持つとは言え、普通の艦であるため修理には人の手が必要なのだ。司令部に現在居るのは大淀、あきつ丸と村雨。 「普通に釣れたんですけどぉ……隣の曙ちゃんの竿にもかかってたし」

2015-10-20 23:24:46
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

そして、その横には……メダカほどのサイズの、イ級のような生き物が金魚鉢の中を泳いでいる。これが問題の深海棲艦の稚魚?らしき何か。 「通常、深海棲艦はその名の通り海底で育つと言われています。しかし、その生態には謎が多く……」「講義はまたの機会にお願いするであります」

2015-10-20 23:30:11
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「つまり、誰も見たことが無いんです。多分、深海棲艦が海底から『避難』を始めてるせいだと思いますけど。本物なら大発見ですね」「育ててみるでありますか」「取り敢えず、明石さんを呼んで詳しく調べましょう。あ、村雨さんはもう大丈夫ですよ。また上がったら届けてください」「はーい」

2015-10-20 23:37:12
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

退室する村雨。「機関室の電話番号は……と」大淀は受話器を取り、機関室を呼び出す。現代の軍艦は伝声管ではなく、一種のIP電話が艦内連絡用に用いられているのだ。「あれ、繋がらない……?」だが、それが今は繋がらない。「突貫工事だと、こういう所で粗が出るものでありますな」

2015-10-20 23:41:02
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

この艦はそもそも、南極遠征用に強奪同然でドックから確保した艦だ。一応完成はしているとはいえ、本来必要な日程も工程も大幅にカットしている。そのツケが細かな部分に回ってきただけだろう、とその時の二人は考えていた。「では、自分が行ってくるでありますよ」あきつ丸が金魚鉢を抱えて席を立つ。

2015-10-20 23:51:10
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「あ、一応もう一度だけ……」あきつ丸が部屋を出るか出ないかというところで、大淀は念の為に再び受話器を取る。「あれ、繋がりましたよ……」『こちら機関室、明石です』「本当でありますか」駆け寄るあきつ丸。『修理なら、まだザザッ間がザザッ……ブチッ』「あれ……切れました」

2015-10-21 00:02:07
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「……もしかして、これでありますか?」あきつ丸は、手元の金魚鉢を見下ろした。 ---------- 「……うーんこれ、ノイズ出てますね」測定器を睨みながら、明石は言った。「ノイズ?」「超兵器と似たようなパターンです」「何故深海棲艦から超兵器のノイズが出ているでありますか」

2015-10-21 00:13:34
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「つまり、もしかすると。深海棲艦の正体は超兵器と何か関係があるのかも……例えば、魚の稚魚に超兵器機関が付着するとこうなるとか……」「あの『イカ』みたいに、ってことでしょうか」「それとも、単純に超兵器の影響で変異した個体なのか。サンプルを集めないと詳しいことは」

2015-10-21 00:17:51
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

キョウフノダイオウイカ。嘗て横須賀鎮守府が交戦した、超兵器機関と融合した『生物』。イカと融合するならば、他の生物と融合したとしても不思議はない……のだが。「最悪、海の生態系が丸ごと超兵器機関で汚染されている可能性も……」「なら、調べればいいであります」

2015-10-21 00:24:39
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「調べる……?」「海流が変わったせいか、秋刀魚がよくかかるそうで。先程超兵器の方々が焼いて食べておりましたな」「また妙なことを……」「汚染されていても、超兵器なら大丈夫でしょうけど……」「ここは、秋刀魚祭りと洒落こむでありますよ」

2015-10-21 00:29:02
前へ 1 ・・ 9 10