【鬼の章:第1幕「暗夜異変〜Kingdom at night】#2

東方鬼翔天血の【鬼の章:第1幕「暗夜異変〜Kingdom at night】#2 のまとめです
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東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

鬼の章:第1幕「暗夜異変〜Kingdom at night」】#2

2015-08-24 20:02:01
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

(あらすじ:幻想郷全体が夜だけに包まれるという恐るべき異変が始まった。この混乱に乗じて幻想郷崩壊を目論む上級悪魔四人が幻想郷に乗り込んできた。一つは皐月の中に眠る悪魔の水蛇「ヨルムンガンド」目覚めさせる為にイダテンとツラナギを派遣する。しかし、皐月はそれを拒否したのだ)

2015-08-24 20:02:09
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

(皐月の中のヨルムンガンドが目覚め、イダテンとツラナギを追いつめる。一方、虹夢邸に向ったアルマは圧倒的な戦闘能力をもって虹夢邸の戦力を潰滅させる。しかし、一時の油断が招いたミスを突かれ、くろがね屋の女将「錦つばさ」率いるくろがね五人衆によってアルマは撃退された)

2015-08-24 20:02:14
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

(それでは、視点を幻想平原に移そう。圧倒的な力によって油断していたイダテンとツラナギを追いつめるヨルムンガンドの姿に着目せよ!)

2015-08-24 20:02:20
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「どぅどぅどぅどぅどぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」「ぐわああぁっ!」ヨルムンガンドが投げる手斧は、突如消えたり突如現れたりと、不規則な軌道が見える。そのパターンを掴めず、イダテンとツラナギは追いつめられつつあった。そんな中、イダテンの元にある連絡が入る。「……なんだと!?」 1

2015-08-24 20:02:26
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「……カンナギ殿よ、それは真の事実かね?」<<ああ……アルマが撃退された。魔力の波動が乱れている>>「だが、それを聞いて其方に行ける状況でもなくてなァッ!」「そういうわけだカンナギ殿よ。ザ・パワーの行方は貴殿が見つけるといい」<<了解した。死ぬなよ>> 2

2015-08-24 20:02:31
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「余所見すんなよノロマッ!」「クソがッ、大人しく俺達に従ってりゃあいいものを!ディストスピアー!」イダテンが作り出したルビー色の槍が発光して襲いかかる。「単調だねえ!」ヨルムンガンドは手斧でそれを受け止める。「ハッ!単調はそっちだぜ!うおおおぉぉっ!」イダテンは走り出した!3

2015-08-24 20:02:37
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「ッ……!コイツ」イダテンは恐るべきスピードでヨルムンガンドを押さえつけたまま幻想平原を駆け抜ける。そして、一直線に突き抜ける其の先には、同じく槍を構えたツラナギの姿が。「!」「やっちまえ旦那ァ!」「安定した速度、流石よな……落ちてもらうぞ、水蛇!ギーグランサー!」4

2015-08-24 20:02:42
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

生々しい音ともに、ツラナギの構えたギーグランサーがヨルムンガンドの胸を貫いた。「ごふっ……!」「決まったな、ばっちりだったぜ旦那」「そういう貴様もだイダテン。良く此方へと軌道変更できた」ヨルムンガンドはぐったりとうなだれている。「? おかしいな、元に戻らないぜ」5

2015-08-24 20:02:48
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「下がれイダテン!」「あ?」項垂れていたヨルムンガンドがいきなり顔を戻す。見開いた目から溢れ出る血と共に、手斧が振るわれた。「がああぁっ!?」手斧はイダテンの胸部を痛々しく切り裂いた。「此奴、まだ息を!」「私、を、誰、だと思っていやがるガキ共が!」6

2015-08-24 20:02:53
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

ヨルムンガンドが口を開いた。「や、槍が抜けんッ……!」「私に対して!不容易に!近づくと!どうなるか!教えてやらぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!!」鈍い音が鳴り響く。ヨルムンガンドの右の拳が、ツラナギの顔面にめり込む。地面へ勢い良く激突し、そこにクレーターを生んだ。7

2015-08-24 20:03:00
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「魔界のッ!」「がぁぁっ!」「主に!!」激高しながらイダテンを切りつけてゆくヨルムンガンド。「反逆するだぁ!?そんなのは愚かすぎるんだよクソガキ!」「がっ、うるせェッ!現にテメェらは魔界を滅ぼしかけただろうが!」「ハハハッ!そんなこともあったよなァ!」8

2015-08-24 20:05:45
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

ヨルムンガンドが切りつけるたびにイダテンから流れ出る血は、ヨルムンガンドの手斧に吸い込まれてゆく。「あァ、ごめんなァ。この手斧、吸血鬼の骨から出来てるんだ。やっぱ血を吸いたくなっちまうのかねぇ?あはははははははは!」「く、くそォォォォっ!俺が!俺が!」9

2015-08-24 20:08:33
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「死ね——ディス・ヴァイターゼン!」「俺がァァァァァァァァァーッ!!!!!!」吸い込んだ血を一気に魔力として吐き出し、イダテンを両断する。肉体は魔力に還元され、瞬間。ヨルムンガンドの肉体が変身し、巨大な化物となって、ツラナギごと—— 10

2015-08-24 20:16:02
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

イダテンとツラナギは死んだ。11

2015-08-24 20:16:17
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「イダテン……ツラナギ……どうした、どうした!?」生命反応が消えた。カンナギは焦り始めた。まさか地上に出て一時間も経たず殺されただと?ヨルムンガンドとはどれだけ恐ろしい者なのだ。カンナギは妖怪の山を駆け上がりながら考えた。ヴァナルガンドと呼ばれる、もう一人の獣を見つける為に。12

2015-08-24 20:19:47
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

(((イダテンとツラナギが殺されるとは……奴らは泰西に次ぐ魔界の中でも名が知れる実力者だったというに。それが何故)))「おっと、ここを通りたいってんなら命っていうお駄賃を払わないといけないぜ、お客さん」カンナギの前に立っていたのは黒い羽根を持ち、刀を手にした、鴉天狗の姿。13

2015-08-24 20:24:25
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「……」「カンナギ、テメェがこんなことするとはな……創造主さまさまだったじゃねーかよ、えぇ?」「……ヴィルダーク、いや、今は鬼導丸と名乗っていたか?」「寄せよ、ヴィルダークは俺の親父の名前だ……さぁ、通りたいなら俺を殺してけよ、カンナギ……いや、グレゴリさんよォ!」14

2015-08-24 20:27:43
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「……手負いだろうと容赦はしないぞ、ヴィルダーク、貴様の命、貰い受ける!」カンナギが剣を構える。同じく鬼導丸もまた、刀を構える。二人の得物がぶつかり合い、妖怪の山の木々は激しく揺れた。15

2015-08-24 20:29:15
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「本当にヨルムンガンドを置いてきて良かったんですか?」「いいか、拓海の坊主。アレは俺達で扱え切れる獣じゃあねぇんだ。とっとと舞姫の屋敷に行くぞ」「行くつっても場所がわからなかったら……」そう言えば。槙治は果たしてどうしたのだろうか。拓海はそれが気になって仕方が無かった。16

2015-08-24 21:59:37
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「! 拓海、伏せろッ」「えっ!?」槙冶が強引に拓海を押しのけ、何者かによるエネルギー弾を受ける。「ぐうッ……!」「槙冶さん!誰だ!」闇の中から襲撃者は姿を現す。その正体に、拓海は絶句したのだ。「……槙治……さん……!」「…………受け止めたか、やはりな」17

2015-08-24 22:05:29
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「おい坊主。こいつァどういうことだい……」「……見れば分かるだろう?俺はお前に攻撃した、それだけなんだよ」「ふざけるな!テメェ、状況を分かっているのか!」槙冶が激しく責め立てる。「……黙れ。無造「嵐華爪・魔」」スペルカーソが変化し、どす黒いかぎ爪が作られる。18

2015-08-24 22:08:14
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

「槙冶さん、あの人は……槙治さんは俺がやります」「しかし拓海、手前……」「……大丈夫、負けませんよ」拓海が雷神刀を構える。「拓海か……だが容赦はしない、例えお前だろうと殺す」「殺せるものなら。あなたを倒して、なんでそうなったか洗いざらい吐いてもらう……!」19

2015-08-24 22:10:57
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

槙治がぐっ、と構える。「……創造と言うものは頭で考えたことを現す力……前の俺にはそれが足りなかった。だが今は前よりは可能だ……」「確かに考えが180度変わってますね。前の槙治さんの方が良かったことに変わりはありませんがッ!」拓海が駆け出す。槙治は黒い柱を生み出し投げつける。20

2015-08-24 22:16:10
東方鬼翔天血 @ki_syo_ten_ketu

拓海は雷神刀で漆黒の柱を切り裂く。切断面から雷光がほとばしる。「……そうか。お前がどう思うが勝手だが……雷の如くスピードが速いな」だが大体は想定内だ、と呟いて、槙治は黒と灰色の嵐華爪・魔を構え直して迎え撃つ。「お褒め頂き光栄……だけどこれはまだ序の口!」21

2015-08-24 22:17:28