- yubarisamidare
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秘書艦の五月雨ちゃんに部屋に呼ばれた。 「夕張さん、そこに座って目を瞑って下さい。」 言われたようにベッドに腰掛け目を瞑る。 「そのまま動かないで下さいね。」 五月雨ちゃんはそう言って、私の髪のリボンをゆっくりと解く。そして、解いたリボンで私の目を覆う。
2015-09-11 21:52:32「五月雨ちゃん?何をするの?」 「何って、罰ですよ。」 そう、これは罰なのだ。深夜テンションで開発しまくって資材を浪費した…。 「提督を誤魔化せないくらい浪費しちゃって。どうするつもりだったんですか?」 五月雨ちゃんはそう聞きながらも手を止めない。今度は胸のリボンを解き始める。
2015-09-11 21:53:20「各資材を最大限まで使ったら何が出来るか気になっちゃたのよ。」 「はぁ。」 胸のリボンで、私の手を後ろで縛る。五月雨ちゃんは私の正面に立ったままだったので、抱きつかれるような格好になった。 「そんな理由で20回もやったんですか?悪い子ですね。」 耳元で五月雨ちゃんが囁く。
2015-09-11 21:53:50「…ごめんなさい。」 密着したまま数秒間の沈黙が流れる。 「それじゃあ始めますね。」 そう言うと、五月雨ちゃんは私のセーラー服に手をかける。 「ちょっと待って!」 胸のあたりまでまくられたところで五月雨ちゃんの手が止まる。 「あぁ。私ってやっぱりドジですね。」
2015-09-11 21:54:12止めてくれた…ってドジ??? 「先に手を縛ったら脱がせられないですもんね。」 「いや、そういうことじゃなくって!」 「しょうがないので、今日は脱がさずにしましょうね。ゆ・う・ば・り・さん?」
2015-09-11 21:54:48~翌朝~ 「うーん、身体が痛い…。ってかここどこ?」 寝汗が酷く、制服もびしゃびしゃだ。なんで制服のまま寝たんだっけ?…………思い出した。昨日、秘書艦の仮眠室に呼ばれた後に… 「五月雨ちゃんは!?」 いない。 「これ、本当に寝汗かな…。」 ともかく、着替えないと風邪をひきそうだ。
2015-09-11 22:12:59お風呂と着替えをすませて食堂に向かう。 「お風呂に川内が刺さってたけど誰にやられたのかしら…」 朝食には少し早いせいか食堂に他の娘の姿はない。今日の朝食当番は由良と夕立ちゃんだっけ。 「ゆ~ら~、お腹すいた~」
2015-09-11 22:28:00机に突っ伏しながら奥に向かってそういうと 「今おもちします!」 と返ってきた。あれ?この声は…。 奥から出てきたのは五月雨ちゃんだった。
2015-09-11 22:48:10「えっ?由良は?」 あ、しくじった。五月雨ちゃんは明らかに不機嫌になり、少し乱暴に配膳し始める。 「由良さんじゃなくってごめんなさい。」 そう言うと、奥に戻ってしまった。お味噌汁こぼれてる…。
2015-09-11 22:58:04朝食後、執務室に呼ばれた。 執務室にいたのは雷ちゃんだった。 「対潜装備でリランカにいくわよ。」 編成は旗艦雷、鳥海、摩耶、飛龍、蒼龍とわたし。 「…なんで雷ちゃんが旗艦なの?」 「そういう任務なんですって。」 「ふ~ん。」
2015-09-11 23:18:49最深部での深海棲艦を殲滅。鎮守府への帰り道。 「ねぇ雷ちゃん、なんで今日は秘書艦なの?」 「え?夕張、聞いてないの?」 「うん。」 雷ちゃんが言うには…
2015-09-11 23:35:50昨日五月雨ちゃんが32号水上電探を1つなくしてしまい、 開発して元の数に戻せたものの資材をたくさん使ってしまった。 だから、罰として一週間食事当番をすることになった、と。 「どうして…。」
2015-09-11 23:35:59夕食時の鎮守府に帰投し、すぐに食堂へ向かう。 食堂に近づくに連れ、カレーの匂いがお腹を刺激する。 「あら夕張、おかえりなさい。そんなに急いでどうしたの?」 食堂には由良がいたが返事もそこそこに奥へと向かう。 「五月雨ちゃん!!!」
2015-09-11 23:41:48「夕張さん?おかえりなさい。今用意しますから座っててくださいね。」 いつもと変わらない笑顔を見せてくれた。 「五月雨ちゃん、なんでこんなことしているの?」 「急にご飯を作りたくなったんです。」 「雷ちゃんに聞いたよ?これは私がやるべき仕事よ。」
2015-09-11 23:53:03「夕張さん、罰なら昨日受けたんじゃないですか?」 「それは…」 「足りないんですか?」 耳が赤くなるのが自分でもわかる。それを見てか五月雨ちゃんは少しニヤッとした。 「それに、提督は私には甘いんです。だからこれで正解なんですよ。」 う…、さすがは初期秘書艦。
2015-09-12 00:04:38「それでも納得出来ない。」 そう言うと、五月雨ちゃんは少し考えこむ。一瞬どこかを見た後、 「それじゃあ、明日から一緒にやりましょうか。それと、」 ご褒美にほっぺにチューしてください。と、耳元で囁かれた。 「ええっ?」
2015-09-12 00:18:10してくれないんですか?と言わんばかりに五月雨ちゃんが小首をかしげる。 意を決してほっぺにキスをする。やわらかい。 「ありがとうございます。」 と、五月雨ちゃんは天使のような笑顔で囁いた後、大声で 「皆さん、おまたせしてごめんなさい!」 と言った。……へ?
2015-09-12 00:22:35振り返ると、厨房の入り口から覗いてる艦娘が多数。あっ、やば、青葉もいる。 「青葉、見ちゃいました!」 「ちょ、青葉!待ちなさい!」 青葉を追いかけて食堂を後にする。 「五月雨さんは気付いてましたよ!」 と、走りながら青葉。 うう、五月雨ちゃんには敵わないな。 ~完~
2015-09-12 00:22:55