政治運動としてのSEALDs

安保法案反対デモを論じても得るものは少ないのでやめておきましょう
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SEALDs @SEALDs_jpn

【大拡散】今日、この金曜日は強行採決に向けた最初の重大局面になります。オール野党の結束が急速につくられつつあり、それに運動が呼応するという最初の重要シーンになります。明日は晴れ。7時過ぎから国会前に集まりましょう。 #本当に止める pic.twitter.com/Izn0kzZrZr

2015-07-10 01:43:57
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竜の落とし子 @FunkySeahorse

さて、まもなく安全保障関連法案が成立するものと思われる。このいわゆる「安保法案」に関連して、一般人の間でもさまざまな議論、論争、ツイッター上での罵倒、さらには社会運動が巻き起こった。それらはSNSで拡散され、メディアに取り上げられ、多かれ少なかれ政治に影響を及ぼした。

2015-09-16 17:04:32
竜の落とし子 @FunkySeahorse

安保法案に反対する一連の運動を象徴するのが「SEALDs」である。彼らは近年としてはかなり多くのデモ参加者を動員した。 なぜ彼らは多くの人に受け入れられ、支持され、日本社会を巻き込めたのか。また彼らを含むデモ参加者の行動原理は何だったのか。

2015-09-16 17:04:52

「SEALDs」の現状

竜の落とし子 @FunkySeahorse

SEALDsは政治運動として疑問が多い。彼らの特徴として挙げられるのは、その実体の無さである。 目標、落とし所が分からない。イデオロギー、哲学が分からない。議論、身内批判が無い。手法、戦略、計画に乏しい。

2015-09-16 17:05:30
竜の落とし子 @FunkySeahorse

彼らは何のために活動しているのだろうか。

2015-09-16 17:06:09
竜の落とし子 @FunkySeahorse

まず、運動としての根本である「(理想的な)目標・(現実的な)落とし所」が設定されていない。スローガン等を見る限り、「法案廃案・政権打倒」を目標にしているとみてよいだろう。しかし、どのような手段で、どのような過程・手続きを経てその目標を達成するのかがまったく示されていない。

2015-09-16 17:06:28
竜の落とし子 @FunkySeahorse

組織としてのイデオロギーも不明瞭である。SASPL→ex-SASPL→SEALDsの流れを見ると反政権なのは分かる。メンバーも反自民/反原発/護憲/弱者救済などいわゆる左派であるが、統一されておらずバラバラである。

2015-09-16 17:07:06
竜の落とし子 @FunkySeahorse

そのため、SEALDsに協力する政党や諸団体もバラバラであるが大枠では左派である。それらとの繋がりもあるのだがどこかの系列に属しているわけではない。左派のごった煮で、母体がないのである。

2015-09-16 17:07:29
竜の落とし子 @FunkySeahorse

組織内あるいは運動内で議論・身内批判をしようという空気が感じられない。それどころか、それらを許さないあるいはそういった行為をした者を排除しようとする風潮さえ感じられる。

2015-09-16 17:07:51
竜の落とし子 @FunkySeahorse

手法もワンパターンである。彼らは「デモだけやっている訳ではない」と言うが、ほとんどデモだけである。「あらゆる手段を用いて法案を止める」という気概が感じられない。戦略性も無く、行き当たりばったりである。

2015-09-16 17:08:10
竜の落とし子 @FunkySeahorse

これらを見るに、SEALDsと周辺の運動はもはや運動の体を成していないことが分かる。「集合」と言った方がよいくらいだ。何かを変えようと抵抗する政治運動としてはあまりに不明瞭・不誠実・不健全である。 それにも関わらず、なぜ政治運動として拡大し多くの人々に支持されたのだろうか。

2015-09-16 17:08:40
竜の落とし子 @FunkySeahorse

結論付けるならば、「それは政治運動ではな」く、「人々が欲した」からである。詳しく説明していく。

2015-09-16 17:09:00

「SEALDs」が政治運動でない理由

竜の落とし子 @FunkySeahorse

先に述べたように、SEALDsとその周辺は、運動としては不適切である。政治的な目標を達成するために、より方針を明確にし、一致団結して行動しなければならないことは自明である。彼らも気付いている。内外からの批判もあるのになぜ体制を改めないのか。

2015-09-16 17:09:29
竜の落とし子 @FunkySeahorse

目標を達成するために運動しているのではなく、運動それ自体が目的だからである。

2015-09-16 17:09:52
竜の落とし子 @FunkySeahorse

彼らは「法案廃案・政権打倒」を(暗に)目指している。現状変更を目標としている。しかし、現在の日本の制度を考えると廃案は限りなく不可能に近い。

2015-09-16 17:10:20
竜の落とし子 @FunkySeahorse

今回の法案を軸に、政治制度の問題点・市民参加の手段・民意の汲み取り方や、さらには民主主義そのものについて議論がなされてきた。 しかしそれらをいかに論じようとも、現段階では法案成立を阻止できないことはほぼ分かっている。

2015-09-16 17:10:45
竜の落とし子 @FunkySeahorse

それでも、何か行動せずにはいられないのである。同時に、その行動が政治的決定に影響を及ぼさないだろうことも理解している。 彼らは現実を見ずに行動しているのではなく、現実を知りつつ運動を行っているのである。

2015-09-16 17:11:13
竜の落とし子 @FunkySeahorse

現状変更には二種類しかない。ルールの中で変えるか、ルールそのものを変えるか、どちらかである。 当然にSEALDsは前者である。SEALDsは現実を肯定しているのである。

2015-09-16 17:11:41
竜の落とし子 @FunkySeahorse

彼らは、議会制民主主義・代議制民主主義に対する不信感を持ち、主権者でありながら政治的な意思決定から疎外されていると感じている。 日本の政治・社会に失望しているが、しかし現実的な解決策はないと知っている。 私的に解決を試みようとするが、革命を考えている訳ではない。

2015-09-16 17:12:19
竜の落とし子 @FunkySeahorse

何も出来ないと知りつつ、何かをしたいと望む。それは、理屈ではなく感情の問題である。

2015-09-16 17:12:44
竜の落とし子 @FunkySeahorse

つまり、抱え込んだフラストレーションの発露としての手段が、デモなのである。

2015-09-16 17:12:59
竜の落とし子 @FunkySeahorse

彼らの言動は一見すると矛盾に満ちている。 権力に抵抗しながら権力に従う。 ルールを批判しながらルールを受け入れる。 民主主義に不信感を持ちつつ民主主義を叫ぶ。 政治に失望しながら政治に希望を持っている。

2015-09-16 17:13:43
竜の落とし子 @FunkySeahorse

実は矛盾は無い。なぜなら、彼らは現実を理解しており、かつ自分たちの言動がフィクションであると自覚しているからだ。

2015-09-16 17:14:01
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