安保法案地方公聴会公述人 水上貴央弁護士による「強行採決は民主主義ではない」解説
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karitoshi2011
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「この状況で法案を強行採決することは 単なる多数決主義であって、民主主義ではありません。」 私のこの発言は、結構物議を醸しだしているようです。 ごく常識的な見解を述べたつもりだったのですが。lite-ra.com/2015/09/post-1…
2015-09-17 00:53:45本と雑誌のニュースサイト/リテラ
強行採決は単なる多数決主義で、断じて民主主義ではない! 安倍独裁政権が持ち出す「多数決」「民意」の論理を疑え!
多くの方々は、当然ご案内かと思いますが もう一度、ちょっと丁寧な言い方をしておきましょう。 (実は質疑の中でこの補足はしてありますが)
2015-09-17 00:54:26
ある法案を通そうとする場合、十分な審議に基づいて国民の理解が進み、合憲で、立法事実があり、法案全体の整合性もとれているとき、すなわち、最後の最後、価値判断の問題になったときに、国会の多数決によって間接民主主義の意思決定を下すことは民主主義のルールとして当然です。
2015-09-17 00:54:52
しかし、国会審議において、現在の本法案が、違憲なだけでなく欠陥法案であり、政府の説明が法文の内容とかい離し破綻しており、不当な結果を招くだろうことは、既に明確になっているのです。これは、価値判断ではなく論理の問題です。
2015-09-17 00:55:30
したがって、今この状態で、本国会で、この法案を強行採決して通すことは、単なる多数決主義であって、決して民主主義ではありません。
2015-09-17 00:56:05
その1の1) 本日行われた安保特の委員会審議において、鴻池委員長の不信任動議が審議され、午後16時28分頃に、本動議は否決されました。その後、鴻池委員長が委員長席に着席するや否や、突然、与党の(同委員会所属議員以外の)議員が委員長を取り囲み、それに端を発して議事は騒然としました。
2015-09-17 21:04:53
その1の2) 野党の委員は、委員長が与党所属の(委員以外の)者に取り囲まれてしまったため、委員長の発言等を聞くことができず、そこで何が行われたのかを全く把握できなくなりました。
2015-09-17 21:05:10
その1の3) その直後、与党の同委員会所属の委員が起立したり座ったりするなどし、その後、与党委員は、本委員会に置いていわゆる安保関連法案が採決されたなどと称するに至りました。
2015-09-17 21:05:23
その2の1) これは、会議体として、決定的な瑕疵があります。 会議体には、会議体の持つ、当然のルールがあります。それは、会議体の参加者が、会議で何を決めるかを知ったうえで、自らの議決権を行使するということです。これは、学級会でも、町内会の会議でもどこでも同じです。
2015-09-17 21:05:47
その2の2) また、会社の場合には、会議が外形上行われていたような場合でも、その瑕疵が大きすぎて、決議があったと認められない場合などには、株主総会決議の不存在として、決議内容は当然に無効となります。
2015-09-17 21:06:03
その3の1) 本件においては、委員会所属の委員が、この手続きの中で、何が行われたのか、すなわち、①委員会審議は再開されていたのか、②動議は出されたのか、その動議の内容は何か、③その後本法案の採決は宣言されたのか、④採決は可決されそれが宣言されたのか、全てわかりません。
2015-09-17 21:06:17
その4の1) 参議院規則、第49条には、「討論が終局したときは、委員長は、問題を宣告して表決に付する」とあり、今回はこの「問題を宣告して」が行われていないことが明らかです。
2015-09-17 21:06:34
その4の2) 与党の議員にも、野党の議員にも、表決に参加する権利はあり、これは、委員会所属の議員固有の権利です。そして、それが一方的に奪われている場合、それはもはや議決が行われたとは認められません。
2015-09-17 21:06:45
その5の1) 国会法第48条により、委員長には「委員会の議事を整理し、秩序を保持する。」権能が認められています。しかし、この権能は、あくまで議事の運営に関する権限であり、委員の表決権を一方的に奪う権利が認められているわけではありません。
2015-09-17 21:07:10
その5の2) 特に、本件では、委員長を与党所属の(委員外の)議員が取り囲み、野党議員は、全く委員長の発言を聞くことができず、それに関しては、野党議員には何らの原因が無いのであって、野党が委員長を取り囲んだという場合とは、全く異なる状況であると言えます。
2015-09-17 23:48:23
その6の1) 以上より、本件の表決と称されるものは、委員会の議決とは全く認められないのであって、委員会の採決を前提とした本会議の開催も全く正当性が認められません。
2015-09-17 23:48:46
その7の1) 国会には、高度な自治権が認められ、司法権による介入が制限されています。国会にこのような特権が与えられている反対の義務として、国会には、たとえ多数派であっても、会議体の基本的なルールを尊重する義務があります。
2015-09-17 23:49:09
その7の3) それにもかかわらず、今回政府与党は、会議体の運営としておよそ考えられないような運営をし、採決がされたと称して、この法案を無理やり通そうとしています。
2015-09-17 23:49:41
その8の1) 今回のような、会議体のルールを踏みにじり、三権分立の下で認められる国会の自治権の裏側にある当然の義務を放棄したあまりに正当性を欠く委員会運営は、決して認められるべきものではありません。
2015-09-17 23:50:14
8-2) 今回見誤ってはいけないのは、いきなり与党の議員(動員された一年生議員)が委員長を囲んだということです。正常な議決を与党がしようとして、野党が実力でそれを阻止しに行った、という事案とは、全く異なる状況です。
2015-09-18 00:16:14
8-3) それに対して、一部の野党議員がエキサイトして、問題のある行動を採った者がいましたが、これは、これで責めを負うべきことであって、そういうものが居たから議決が有効になるという関係にはなりません。
2015-09-18 00:18:38
9-1)とにかくポイントは、与党の側の議員が委員長を取り囲み、正常な議決ができない状況を作出し、それによって生じた混乱状況において、議決内容の特定等が為されないままに、人が立ったり座ったりした。これは、手続き的に、有効な採決と認められる基礎を欠くということです。
2015-09-18 00:20:37