『アイスを食って死ぬ男達』牛野小雪と隙間社とのリレー小説~時々愉快な仲間たち~
- cowfieldtinysno
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@pcu28770 @sukima_sha 単純に書けるようになったと私は予想していた。でもそれは勘違いで、もっと他に大きなきっかけがあるのかもしれない。結局私と彼は一心同体では無いのだから分かるはずがない。きっとこれからもそうだろう。私はそんなことを考えていた。
2015-09-18 20:12:22@cowfieldtinysno @pcu28770 牛野さんまで海外の翻訳調のしゃべり方に…!弊社はそう思いながらもやわらかくなったアイスクリームを食べ続けた。そう、それがなんだというのだ。今日も世界中の人々は、その数だけすれ違い続けている。
2015-09-18 20:15:15@pcu28770 @sukima_sha こんな時期にアイスを食べる男がいる。それは私に微かな衝撃を与えた。9月とはいえ吹く風はもう冷たさを帯び始めている。お茶は熱いものがいい。私は冷凍庫を開けた。アイスシュークリームを食べた。やるじゃないか隙間社という男。アイスが美味かった。
2015-09-18 20:30:40@sukima_sha @cowfieldtinysno というリプライを読みながら、私は読書をしている。お茶をすすると、ぬるくなっていた。
2015-09-18 20:17:05@cowfieldtinysno @sukima_sha お腹の弱い私は、そんな彼らを羨ましく思った。外では鈴虫が鳴いている。
2015-09-18 20:32:52@pcu28770 @sukima_sha そうか。ゆきなさんのところでは鈴虫が鳴いている。私のところでは近所の子供が泣いていた。同じ言葉を連呼していつも怒られているのがちょっとかわいそうではある。でも言葉を使うんが楽しいのだろう。きっと明日も同じ言葉を連呼するに違いない。
2015-09-18 20:37:20@cowfieldtinysno @pcu28770 私は牛野という奇妙なアイコンの男のツイートを見て微笑みながらも内心の動揺を隠せないでいた。この時期の冷凍庫にシューアイスを常備しているなんて…私はその事実を忘れようとラスクに手を伸ばしたが手の震えまでは止めることが出来なかった
2015-09-18 20:38:17@sukima_sha @pcu28770 馬鹿な、そんなはずはない。今までの言動から理知的な雰囲気は窺えた。だが全てにおいて人は賢明であるとはいえない。もしかすると隙間社はアイスを食べたせいで寒さに震えているのかもしれない。私は彼のツイートに生暖かい視線を送ると風呂に入った。
2015-09-18 20:43:24@cowfieldtinysno @pcu28770 確かに男のいう通りだった。室内とはいえアイスクリームを食べ過ぎたのかもしれない。そう思い足湯に浸かることにした。だがいくら足湯をしても体の震えが収まることはなかった。根源はもっと深いところにある。そう思い私は鈴虫に手をかけた。
2015-09-18 20:55:21@sukima_sha @cowfieldtinysno @pcu28770 (何となくNYの裏路地で繰り広げられるラップ勝負を見ているような気分になる。いやNY行ったことないですけど)
2015-09-18 21:03:08@libertyworks_cy @cowfieldtinysno @pcu28770 (KDPの歴史は元を辿るとNYギャングスタがかっこよく自伝を書きたいけど紙で出版するとお金がかかるからといってAmazonに相談したところから始まったとされていますからね。無理もありません)
2015-09-18 21:06:42@sukima_sha @cowfieldtinysno @pcu28770 Σ(;;゚д゚)ソウダッタノカ!!
2015-09-18 21:10:44@libertyworks_cy @sukima_sha @cowfieldtinysno 経緯を知って、私は愕然とした(楽しいですねこれ(笑))。
2015-09-18 21:20:05@sukima_sha 風呂から出た私は非常識の世界に足を踏み入れていた。『コオロギはチョコウェハースみたいで甘いという人がいる。だがその意見には賛成できない。コオロギはコオロギの味としか言えない深みのある味わいだ。甘いの一言で表現することはできない』彼はコオロギを口元に運んだ。
2015-09-18 21:14:08@cowfieldtinysno 私はすぐにピンときた。男はコオロギとイデオロギーを混同しているのだと。そう考えれば全て辻褄があった。確かに数日前、彼はコオロギを振り回しては何かを叫んでいたのだ。そのことに納得すると、私は再びアイスの蓋に付いた白く冷たいそれを舐めはじめた。甘い。
2015-09-18 21:23:54@sukima_sha 男は西海岸派だった。舐めているのは純度100%のアイスだろう。甘い匂いが鼻を突いた。男は鼻からアイスを吸引すると束の間恍惚の顔を浮かべ、それから虚ろな目で私を見た。『素晴らしい。これがアイスだ。さて、これを全部体に入れるとどうなると思う?』男は私に訊いた。
2015-09-18 21:28:49@cowfieldtinysno 「両手を挙げて壁の方を向け!」そう怒鳴りながら何者かが入ってきた。私と男は驚きつつもそいつの言う通りにした。二人の動揺はただひとつ。そいつがコオロギだということだった。『アイス』のキメ過ぎだろうか。だが背後からはコヲロコヲロという鳴き声が聴こえる
2015-09-18 21:35:23@sukima_sha 私達は突然の侵入者にされるがままだった。『おい、キリギリスは? 殺すぞ』謎の男は訊いた。言葉は誰かには聞かれたくないという声だ。『殺すぞ、キリギリスは?』また同じことを聞かれた。私は隙間社を見た。完全に向こうの世界に行っている。私一人ではどうしようもない。
2015-09-18 21:41:26@cowfieldtinysno 脳は冷たく回転していた。牛野氏は現状を受け入れられない様子で私の方を見てくる。切り抜けるにはこれしかない、そう思い私は狂人を装い叫んだ「ギリスの旦那は死んじまったよ!ジャンケンで四つめの手が見つからないことを悲観してな!」作戦は上手くいく筈だった
2015-09-18 21:45:46@sukima_sha 『もうやだー!猫缶、猫缶!』突然犬が家に入ってきて、しかも喋った。『猫缶よりいいのをやる。外で見張っていろ』男は犬に話しかけていた。隣の隙間社は呂律の回らない言葉で何かを叫んでいる。アイスの容器がすぐそばに落ちていた。私はそれを咄嗟に拾うと鼻から吸引した。
2015-09-18 21:55:12@cowfieldtinysno 状況は悪化していた。牛野氏はまだ幻覚を見ているらしく、転がるように『アイス』の残りを拾うとそれを吸引し始めた。コオロギは明らかに私の言葉に動揺しており「ピストルか…?いや、ぐわしか…?」などと呟いている。私は懐からそれを取り出すと撃鉄を起こした。
2015-09-18 22:06:18@sukima_sha 私がアイスを吸引すると、すぐにまばゆい光が辺りを包んだ。どこからともなく声が聞こえる。『思い出せ、ショーセツ。光を目指せ。みんながお前を待っているぞ』私は声に導かれるように窓の外にある一点の光を目指した。その先に何があるのかは分からない。
2015-09-18 22:11:03