〈彼〉は列車と同時に死んだが、いま三人称で彼を描写している間も、彼が死んでいようといまいとこれは #黄昏町の最期 だ。同じ #黄昏町の最期 だ。何パラグラフも前にもあったように。そして今この「信頼できない語り手」はその事を理解している。 段落が変わり、もうすぐこの章も終わる。
2015-12-20 17:51:33#黄昏町の最期 僕は信号が切れた交差点に突っ立っていた。 「そう書いたから」と僕はくり返して、ひとつ溜息をつく。 この世界がどうしてあんな怪物と異形の法則で成り立っていたのか。これが答だ。 この世界は #黄昏町の怪物 だ。
2015-12-20 17:51:57僕の目の前に、鳥居がある。 「その鳥居の先には、夜があった。この夕日が支配する町で、そこだけは暗く沈んでいた。橋の頭上では黒い空に星が瞬いていた。 #黄昏町の最期 」 その文章を、今なら思い出せる。この鳥居を潜れるのは、必要な異形を手に入れたからだ。力11/探索4だからだ。
2015-12-20 17:52:10僕は鳥居を通り、地面に架かった橋を渡る。この先にあるのは、町じゃない。夜だ。黄昏が終わり、夜が始まる。町は過去に描写されたものでしかなくなる。それは #黄昏町の最期 だ。 「僕は、いなくなるのかな」 足がすくみ欄干にかけた手がこわばる。描写が終わった時、僕は消えるんだろうか?
2015-12-20 17:52:21この先にあるのは、僕の本当の死なんだろうか。 そうではない事を彼は知るだろう。それを示す事ができるのはこれが三人称の文章であり、神の視点だからだ。そしてこれは同時に彼自身の認識でもある。それが彼という登場人物の能力であり、人称の混乱が #黄昏町の怪物 にもたらした障害でもある。
2015-12-20 17:52:33それでも僕にこの先何が起きるのか、僕はまだ知らない。怖いに決まっているじゃないか。 しかしそれは彼以外の誰でもそうではないだろうか? 彼はもうすぐ黄昏町を脱出する。そして #黄昏町の最期 の呪いは解け、その時から彼はあらゆる読者(彼自身を含む)の脳裏で自由に生き続けるだろう。
2015-12-20 17:53:01これが僕の始まりだとしたら、この橋は喜ばしい道のりだろうに! 本当かどうか、僕自身にはまだ分からない。それでも僕は歩き出すしかないんだ。 #黄昏町の最期 彼はまだ不安に震えながら、それでもどこか明るげな歩調で橋を渡る。この橋の向こうでも何ものかが彼を待つだろう。だからこの文章は
2015-12-20 17:53:21彼から喪われた「▓期」の名前の代わりに一字の「待」を記して終えよう。それは 期待 だ。 #黄昏町の最期 #新たなる期待 僕がまだ、誰かの想像力によって生き続けますように。希望が期待できますように。これが僕の〈最初のひとつ〉でありますように。こうであるように。 #黄昏町の一期
2015-12-20 17:53:33#黄昏町プレイ日誌 まとめを更新しました。 「黄昏町の怪物リプレイ『黄昏町の最期』」 togetter.com/li/875520
2015-12-20 18:50:56