2015年4月11日開催、滅亡祭2.5「滅亡colors」
緑から赤へ。最初の一歩を踏み出す。耳障りで甲高い音。衝撃。闇夜よりも深い黒へ、歩き出した。#滅亡colors
2015-04-11 09:21:16右手には手錠。首には首輪。声を上げては露呈する。夜もたけなわ、彼女の家の前。「明日の式、楽しみにしてる」白い墓場が見えた気がした。#滅亡colors
2015-04-11 09:25:23限りある資源を大切に。世界中で水を大切にした。すべてが終わる頃、大地は失われ、まさしく「青い地球」が宇宙に浮かんでいた。#滅亡colors
2015-04-11 09:27:54世界を救う旅。激戦という激戦を乗り越え、悪の権化と対峙する。剣を振り上げたその時、世界がブラックアウトした。「あ、ごめん。コンセント足りなかったから」テレビには間抜けなゲーマーの顔が! #滅亡colors
2015-04-11 09:31:34「おいしそうだったから……」目を真っ赤に腫らし、泣いている子の手はべたべたしている。果樹園の青いバナナにご用心。楽しい遠足という思い出を塗り替えられてしまうのですよ。#滅亡colors
2015-04-11 09:34:49小学生による他愛のないいじめ。いじめている子らに深い悪意はない。図画工作の課題であるキャンバスは真っ黒に。いじめを受けた子は、彫刻刀で。黒字に白い絵を描いたとさ。表彰されたいじめられていた子は、いじめていた子らとも仲良くし、イジメは消え失せた。#滅亡colors
2015-04-11 09:40:25「わたしをたべて」言葉を操る果実を手にした。忘れていることがあったようだが、忘れているというそのことを忘れていた。かじる。酸味が広がる。かじる。新鮮だ。「あたしはあなたにこいしてる」彼の胸は高鳴った。楽園を、失うことになったが。#滅亡colors
2015-04-11 09:47:25あの頃の僕らは痛いほどに、青春ごっこを謳歌していた。膝の擦り傷も、胸の空洞も、全て新鮮で愛しかった。ああ、もう一度あの頃に戻れたなら。 #twnovel ひとつ、方法がある。今と言う時間を消すのさ。そうすれば、あの青春は、永遠。戻れないからこそ、美しいままで。 #滅亡colors
2015-04-11 09:59:17始まりの笛。次々投げる。高みに向かってポンポンと。赤、青、緑。色とりどりの物語が籠に収まる。次々と次々と。24時のお終いの笛。カゴの中身の色を数える。黄色、紫、緋色それから。一番多い色を探して滅亡の色と定めましょう。最期くらいは選ばせてあげる。貴方の望む終焉を。#滅亡colors
2015-04-11 09:59:39どうぞ好きにしてください。淡い桃色の髪を揺らし、薄い唇が諦めたように吐く。この身は自分の物ではないのだから、と、自らの前に立つ者に、彼は言う。青と緑の瞳は、輝かない。彼を手にするものの結末は、いつも同じ。「繰り返すのも、そろそろ飽きましたね」 #twnovel #滅亡colors
2015-04-11 10:06:45「世界の終わりって何があるのかな」君はミルクティーを かき混ぜながら言う。「何色をしてるんだろうね」「透明なのかな」「透明って何色かな」カップを眺める君の陶器のように透明で白い横顔が美しすぎて、世界が溶けてしまう気がした。案外終わりとはこんな色かもしれない 。 #滅亡colors
2015-04-11 10:11:50黄。セーフ。緑、紫。セーフ。青と白の捻れてるやつ。茶色。どちらもセーフ。カウントダウンはもう。まだコードはあるのに。奥の黄。緑。セーフ。白。次で最後。赤と青。もしこれがアメリカ映画なら助かるのに。ラッキーカラーは青。青はつなげよう。じゃあ、さよなら世界。#滅亡colors
2015-04-11 10:12:17寒空の下、湖のほとり。静かな時間に澄んだ空気。偽物を作り続け、完成間近。男が鞄から専用の絵筆を取り出そうとした。思いのほか音が出てしまい、白鳥は飛び立ってしまった。未完成である偽物の風景が、男をあざ笑っていた。#滅亡colors
2015-04-11 10:16:28#滅亡colors それはあなたの指を刺し 噴き出す鮮血に染められた色 触れようとするほど 近づこうとするほど 傷口にズブズブと刺さる棘 それはあなたの指を刺し あなたの血に染められた私の姿 #twpoem
2015-04-11 10:21:01#滅亡colors を記念して楠樹式折本『世界の滅亡と色彩を持たないディストピア』を再公開します。セブンイレブンのネットプリント 42849452 その他のコンビニ UTHN665QA5 白黒20円 4/18まで 滅亡系掌編12本 pic.twitter.com/GQ2eNFVXBD
2015-04-11 10:51:44かみさまは人間がお好きなんだ。なんで言い切れるって?そりゃあ人間がうつくしいからさ。身の内にひそむはらわたさえこんなに鮮やかな赤なんだから、かみさまは相当の人間好きだよ。だからこの世の終わりには、世界は赤で塗りつぶされる。愛憎は紙一重ってね。 #twnovel #滅亡colors
2015-04-11 11:24:18灰色から黒に変わる空。雨に濡れた道は光を反射させ、まるで星たちが地に堕ちたようだ。工場の煙突からは白い絵の具のような煙を出している。まるでこの黒い空を少しでも変えようとしているように。でも悪あがきは意味をなさない。この世界は黒に覆われる。#twnovel #滅亡colors
2015-04-11 11:32:06「歌ったら世界が終わる歌?」はい、その歌を貴方様に歌っていただきたいというのが私共の願いです。「悪い冗談か?」いいえ、これは人類の為なのです。それにこの歌は〝ホンモノ〟です。「金払うならなんでもするよ、で、曲は?」それはありがたい。ええ、黒猫のタンゴ、です。 #滅亡colors
2015-04-11 11:47:20黒い車は鳥のふんがよく目立つ。じゃあ白い車がいいかと言うと、今度は水アカが目立つ。水をよく弾き、しかも鳥のふんが目立たない車にはできないだろうか。そういえば白鳥の体はよく水を弾いていた。と言うわけで、スワン型の車にした。ついでに足漕ぎにした。#twnovel #滅亡colors
2015-04-11 11:50:11今日も赤い頭巾を被って、赤いローブを羽織って、赤いブーツを履いて森へ出る。肩に担ぐは赤を吸い続ける大きな斧。髪の毛を赤く染めないのは、赤いずきんがいっそう映えるように。でも世界を赤く染めたいとは思わない。赤は私だけのものだから。#滅亡colors
2015-04-11 12:00:38#滅亡colors 身体を起こすと一昨日まで自分が編んでたショッキングピンクのコースターがあって、ようやく昨晩のことを思い出す。部屋を出るあなたの笑顔。あなたは私に何度も言ってくれた、「大丈夫だよ、生きてていいんだよ」って。結局大丈夫じゃなかった。昨晩の笑顔が、あなたを見た最後。
2015-04-11 12:49:29「最後の晩餐には卵かけご飯を食べたいわ。黄色くて丸い太陽みたいな卵を食べれば、暖かい気持ちで死ねると思わない?」そう言ってた彼女は最期に卵かけご飯を食べられたのだろうか。彼女の葬式は寒く暗かった。どうせなら独り占めしないで私にもその暖かみを分けてほしかった。 #滅亡colors
2015-04-11 12:57:41青ざめた顔。紫がかった首筋。ぼくはきみを殺す。それが滅亡への第一歩。きみを殺してしまえばきみの世界はここで滅亡する。そうやって一つ一つ丁寧に世界を壊していこう。いずれすべての世界が終わるその時まで、ぼくは足を止める気はない。 #twnovel #滅亡colors
2015-04-11 13:03:44茶色の小瓶に入った滅亡の結晶。それが何色なのかぼくは知らない。きっと誰も知らない。それが取り出された瞬間、世界は瞬く間に滅亡してしまうのだから。さあ今度の世界も終わらせてしまおう。茶色の小瓶を床に放り投げた。 #twnovel #滅亡colors
2015-04-11 13:05:19#twpoen #滅亡colors なぜ あれを絶望と呼ぶのだろう 希望と呼んだって いいじゃないか なぜ それを悲劇と呼ぶのだろう 喜劇と呼んだって いいじゃないか なぜ これを悲鳴と呼ぶのであろう 嬌声と呼んだって いいじゃないか この世界を葬送する 黄色い声援を
2015-04-11 13:09:12