おやすみ、暗闇だけを愛してる

寝る前に別アカウントでぼちぼちと書き溜めていたものをまとめました。 2013.05.09~2015.07.19
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@SighsAndRibbons

夜空、君への愛なんて僕は告げたりしない。君が明けていくのをぼんやりと見送るだけの距離をはかって、僕は君に語りかけるだけだ。幻のような物語を捏ね繰り回して、冗長な時間をやり過ごそう。そんなことしか、僕には出来ない。夜空、君が退屈ならこの物語を終らせて。おやすみ、暗闇だけを愛してる。

2015-07-08 04:33:04
@SighsAndRibbons

夜空、雲が垂れ込めることで近付いたような気がした君は、僕が灯した光に簡単にほの赤く染まる。そんな君に幻滅したり、違う色となることを期待したりすることはひどく勝手なことで、だから僕は君を拒絶した。夜空、星を眠らせてもまだ君は僕には眩しくて仕方ないんだ。おやすみ、暗闇だけを愛してる。

2015-07-09 03:23:07
@SighsAndRibbons

夜空、君が死んでしまう前に笑った、そんな幻影が昼中、消えない傷跡のように空を渡っていくのだと知った。東雲が白く戻る前に、君を忘れてしまいたい。そんな僕の甘えを射抜く光が生まれる前のひととき、紫苑に染まる空があまりにも綺麗で、なによりも嘘みたいだった。おやすみ、暗闇だけを愛してる。

2015-07-12 04:42:11
@SighsAndRibbons

夜空、君が泣いている夜に僕は暗闇のことばかり考えている。この夜に君が月を見せても僕はそれを見ない、ことを幾度も君に伝え、それでも僕は今日も君に語り掛ける。暗闇は僕の声に耳を傾けない。だから僕は夜空、君に話しかけている。欠陥品の僕と代替品の君。おやすみ、愛してるのは暗闇だけだけど。

2015-07-17 05:16:58
@SighsAndRibbons

夜空、君がいなくなっても僕は変わらないよ。嘘に変化しない戯れ言を繰っているだけで、君はいなくなってしまう。烏を殺しても夜は明け、瞳を閉じても夜は開ける。わかりきっていたことだ。ずっと、繰り返してきたこと。夜空、君が僕を選ばないように僕も君を選ばない。おやすみ、暗闇だけを愛してる。

2015-07-19 05:07:56
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