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愁
@SighsAndRibbons
ささやかに降り注ぐ光が、滲んで。見上げた、空が、混じりあっていく。愛しい暗闇に、大っ嫌いな月の光。夜空、なんて一言で括られてしまう。硝子の壁に隔てられた空のなかで、僕はうずくまる。冷たいだけの、透明。触れて、触れられなくて、かたいそれは涙を吸わない。おやすみ、暗闇だけを愛してる。
2013-05-09 23:59:55
愁
@SighsAndRibbons
僕が、在る、ことが汚染だった。痕跡を残さずに、拭い去りたかった。此の身が存在することはどうやったって消せないと知る度に、惨めさだけが募った。どうして、なのかな。足を踏み出す度に残る足跡さえも厭って、椅子の上に抱えた足。もう、自分なんて見たくないな。おやすみ、暗闇だけを愛してる。
2013-06-21 00:03:39
愁
@SighsAndRibbons
溜め息が充満した部屋で、まだ僕は眠れないまま。あの日、溜め込んだ諦観が足りなくて。むなしいね、と、頬を寄せた枕に沈み込んだ二酸化炭素が僕をくすぐる。夢、という障害物だらけの眠りに参加したくなくて。夜、という溜め息だらけの揺り籠に閉じ籠る。おやすみ、まだ瞼は毛布にならないけれど。
2013-08-14 02:23:10
愁
@SighsAndRibbons
薄れようとする決意、を、何度も撫でて。手触りはざらざらとして、ひんやりと手の温度を奪う。忘れない。覆さない。きっと。絶対。繰り返しては、ひやり、と心に漂わせる。ぬくもりの手は、決心の凍土を緩ませるから、触れないで、と。僕は僕のためのわがままばかりだ。おやすみ、暗闇だけを愛してる。
2013-08-17 02:17:16
愁
@SighsAndRibbons
どんな、夢を、見るの。覗いた瞳に、溜め息を詰め込んで。朝に手放してしまうのなら、今だけは、と。置き去りにされる覚悟だけを呑み込んだ。哀しみが溜まる。漏れた息、君は瞼を閉じる。手を繋いで。この場所にまだ僕がいることをどうか。分け合った夢が崩れていく。まだ、まだ。おやすみ、夢を見る。
2013-08-18 02:43:26
愁
@SighsAndRibbons
眠れない僕の瞳をどうかきちんと閉じさせて。夢なんか見たくないんだ、と駄々を捏ねて困らせた。だって、忘れてしまうんだ。僕が、僕であることを。君が、僕であることを。忘れてしまう。失くしてしまう。殺して、しまう。だから、繋ぎとめて。夢なんて漂わないように。おやすみ、暗闇だけを愛してる。
2013-08-24 04:47:01
愁
@SighsAndRibbons
嘘吐き同士の内緒話が夢を見る。綿菓子に突っ込んだ鼠が、いっぴき、にひき、空を飛んで。甘ったるい雲が棚引いたら、どろどろの雨が降る。地面は真っ白に染まって、ゆき、だなんてさくり口に運ぶ子供。致死量を食んだら、ひっくり返って笑うんだろう。ねぇ、おやすみ。瞼の裏に虚構が塗りたくられた。
2013-08-30 01:50:37
愁
@SighsAndRibbons
躊躇ったのは、拾われることを知っていたから。投げ返される、その破片が僕を貫く。勝手に嘘を本当に変えてしまわないで。変わるはずのない文面が塗り替えられては、弾丸になる。誰ひとりいなかったのに、浮かび上がる影。暗闇に紛れ込まないで。聖域が壊れる前に。おやすみ、暗闇だけを愛してる、の。
2013-09-03 02:36:55
愁夢
@s_shumu
数えていたのは羊だったのか、痛みだったのか、秒針が刻む音だったのか、100を超えてしまった辺りからわからなくなりました。暗がりの中で折った指は感覚でしかわからなくて。見失ったのは自分の望みでした。瞼を覆ったのは東から追い出された夜だったのでしょう。 おやすみ、暗闇だけを愛してる。
2013-09-05 05:00:22
愁
@SighsAndRibbons
心に蓋をする。何度も、何度も。見たくないものが多すぎて、鈍くなってしまいたかった。毎日、毎日、何かを忘れようとして。何もかもを失くそうとして。だって、疲れてしまうでしょう。今日あったことを知ってしまったのだから、昨日となるものを失くさなければ。だから、おやすみ。瞼ごと瞳を閉じる。
2013-09-12 04:32:33
愁
@SighsAndRibbons
違和感だらけの言葉を抱きしめても、馴染むことなどなかった。それでも紡ぎ続ければいつか、なんて。期待するだけ無意味だと知っていたのに。不機嫌な表現をなぞって、宥めすかしたのはまだ紡ぎたかったから。ハッピーエンドの終止符を消したのは結末なんて望んでいなかったから。おやすみ、クリック？
2013-10-03 04:57:55